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2019年5月の記事一覧
神影鎧装レツオウガ 第三十八話
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Chapter06 冥王 02
何気ない足取りで、冥は紫色の転移術式を潜る。
目的地はとある洞窟の内部。BBB《ビースリー》からの提供資料で構造自体は理解していたが、座標設定自体は適当だ。
ただまぁ、大がかりな出し物をするならここだろう、と。
冥は洞窟の深部――かつてここを根城にしていた連中が、大ホールと呼んでいた場所に転移先を指定した。
「おや
神影鎧装レツオウガ 第三十七話
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Chapter06 冥王 01
それから二日が経過した。
怪盗魔術師エルド・ハロルド・マクワイルドの犯行予告日が、遂に訪れたのだ。
時刻、午後二時二十分。懸念事項は数あれど、合同防衛部隊は所定位置へ配置済み。幻燈結界の内外では、探査用の術式などが休み無く動いている事だろう。
「がんばれがんばれ」
投げやり気味に応援しながら、ウェストミンスター区の
神影鎧装レツオウガ 第三十五話
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Chapter05 重力 05 日乃栄高校翠明《すいめい》寮、男子棟三○一号室。
土曜日、まだまだ静かな午前六時三十分。今日も規則正しく鳴る目覚まし時計を、辰巳《たつみ》はいつものように三度目で止めた。
「くぁ、ぁ」
あくび、背伸び、それぞれ一回。しかる後ジャージに着替え、部屋を出る。日課のジョギングの時間だ。
後ろ手に扉を閉めると、蝶番が酷く廊下