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神影鎧装レツオウガ

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2018年11月の記事一覧

神影鎧装レツオウガ 第十二話

神影鎧装レツオウガ 第十二話

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Chapter03 魔狼 03 爆発、爆発、爆発が幻燈結界を揺るがす。
 間断ないその轟音は、ギノアが放つ霊力弾によるものだ。
「ハハハァ! どうしました!?」
 掲げられた杖の先端、赤い宝玉が光る度、射出される光弾。それらは辰巳目がけて唸りを上げる。上げる。上げ続ける。
 秒刻みで放たれる光の弾幕は、数も威力もまったく衰えない。もしも幻燈結界が無ければ、翠明寮は三十

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神影鎧装レツオウガ 第十一話

神影鎧装レツオウガ 第十一話

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Chapter03 魔狼 02 時間は少々さかのぼり、朝六時三十分。日乃栄高校翠明寮、男子棟三○一号室。
 この日、辰巳は最悪な気分で目を覚ました。
「……あー」
 眠れなかった訳では無い。身体の調子はすこぶる良好、いつも通りのコンディションだ。
 だというのに、どうにも調子がおかしい。
 理由は分かりきっている。昨日の風葉《かざは》との悶着が、尾を引いているのだ。

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神影鎧装レツオウガ 第十話

神影鎧装レツオウガ 第十話

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Chapter03 魔狼 01 翌日、午前七時四十八分。天来号の転送区画。
 疲れ目をこすりながら4番の扉を潜った冥《メイ》は、廊下を曲がるなり雷蔵《らいぞう》と鉢合わせた。
「おう冥か。おはようさん」
「やぁ雷蔵。今日も筋肉だな」
 目頭を揉む冥に対し、雷蔵はぬははと笑う。
「まぁ儂の取り柄だからの。にしても疲れとるようじゃの?」
「一晩中色んな資料とにらめっこして

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神影鎧装レツオウガ 第九話

神影鎧装レツオウガ 第九話

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Chapter02 凪守 04 翠明寮は大きく分けて三つの区画で構成されている。男子寮、女子寮、管理棟だ。
 男女の寮は管理棟を挟み、南北に二棟ずつ建っている。縦列に並ぶ三階建て鉄筋コンクリートの中には、狭苦しい部屋がぎっしりと並んでいるのだ。
 なお男女どちらの棟にも玄関は無い。一応一階に二つの出入口があるが、それぞれ非常口と渡り廊下入り口だ。
 玄関は非常口の反対

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神影鎧装レツオウガ 第八話

神影鎧装レツオウガ 第八話

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Chapter02 凪守 03 翌日、午後二時十八分。
 住宅街を横断する車道、その真ん中に辰巳は立っていた。
 服装は昨日と同じトレーニングウェア。両手をポケットに突っ込んだまま、辰巳は目を細める。
「十五、十六、十七……随分居るな。日曜くらい休めば良いだろうに」
 何となく数えようとした辰巳だったが、どんどん沸いてくる竜牙兵《ドラゴントゥースウォリアー》の群れに、

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