- 運営しているクリエイター
2018年11月の記事一覧
神影鎧装レツオウガ 第十一話
戻る 総合目次 | 進む
Chapter03 魔狼 02 時間は少々さかのぼり、朝六時三十分。日乃栄高校翠明寮、男子棟三○一号室。
この日、辰巳は最悪な気分で目を覚ました。
「……あー」
眠れなかった訳では無い。身体の調子はすこぶる良好、いつも通りのコンディションだ。
だというのに、どうにも調子がおかしい。
理由は分かりきっている。昨日の風葉《かざは》との悶着が、尾を引いているのだ。
神影鎧装レツオウガ 第十話
戻る 総合目次 | 進む
Chapter03 魔狼 01 翌日、午前七時四十八分。天来号の転送区画。
疲れ目をこすりながら4番の扉を潜った冥《メイ》は、廊下を曲がるなり雷蔵《らいぞう》と鉢合わせた。
「おう冥か。おはようさん」
「やぁ雷蔵。今日も筋肉だな」
目頭を揉む冥に対し、雷蔵はぬははと笑う。
「まぁ儂の取り柄だからの。にしても疲れとるようじゃの?」
「一晩中色んな資料とにらめっこして
神影鎧装レツオウガ 第九話
戻る 総合目次 | 進む
Chapter02 凪守 04 翠明寮は大きく分けて三つの区画で構成されている。男子寮、女子寮、管理棟だ。
男女の寮は管理棟を挟み、南北に二棟ずつ建っている。縦列に並ぶ三階建て鉄筋コンクリートの中には、狭苦しい部屋がぎっしりと並んでいるのだ。
なお男女どちらの棟にも玄関は無い。一応一階に二つの出入口があるが、それぞれ非常口と渡り廊下入り口だ。
玄関は非常口の反対