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横浜ビール「めぐりあい meguriai 」シリーズ『横浜綱島 桃エール』の物語

23年目を迎えた「横浜ビール」は、横浜市内で最も古くからあるローカルビアカンパニーです。ビールを通して、地元の生産者や飲み手の方々との繋がりを大切にしています。更に2022年は『あなたの暮らしにワクワクを』というミッションのもと、沢山のワクワクをお届けしています。


ローカルビアカンパニー「横浜ビール」の「めぐりあい meguriai 」シリーズより『横浜綱島 桃エール』が2022年9月13日(火)発売・順次出荷開始されます。

横浜市港北区綱島で唯一桃を生産されている「池谷桃園」の日月桃(じつげつとう)と白鳳を使用したビール『横浜綱島 桃エール』。
小ぶりながら香り高い、幻の名桃「日月桃」と甘くジューシーな「白鳳」を使用し、繊細な桃の香りがふんわり広がる上質なビールに仕上がりました。

池谷(いけのや)桃園と、幻の名桃「日月桃」の物語

画像:「池谷桃園」池谷道義さん

横浜市港北区の綱島はかつて「東の神奈川」「西の岡山」と呼ばれるほど桃の名産地。そう知られるきっかけが「池谷桃園」先代の池谷道太郎さん(以下、道太郎さん)でした。

道太郎さんは明治30年代、海外から桃の苗木を輸入し品種改良の研究を
重ねた結果、明治40年に新品種「日月桃」の栽培に成功します。当時、桃の収穫時期にあたる7〜8月は台風によって川が氾濫を起こしやすく、それを避ける為に6月中旬に収穫可能な桃を研究開発されたのだそう。
しかし、戦争による影響や水害を受けて桃の生産は中止せざるを得ない状況に。悲しい想いで日月桃の生産は一時途絶えてしまったのです。

時は経ち平成10年、茨城県にある農林水産省の果樹試験場に「日月桃」の木が二本だけ残されていることが判明。道太郎さんの孫にあたる光朗さんが枝を分けてもらい、接ぎ木*(つぎき)を行い「日月桃」は、困難を経て復活を遂げました。

*接ぎ木とは、2個以上の植物体を人為的に作った切断面で接着して、1つの個体とすること


「横浜綱島 桃エール」誕生の経緯

収穫された当日に直売所のみで販売され、スーパーや百貨店にも流通していない「日月桃」が『横浜綱島 桃エール』というビールに姿をかえて販売されるようになったのは何故でしょうか?
「日月桃」は、枝から外れてしまう直前まで熟した完熟の状態で収穫されます。優しく触れないと潰れてしまう程柔らかく、落下してしまった桃は傷ついて販売する事が出来ません。当時、傷ついた桃や完熟が進み一部腐敗した桃は、廃棄物として捨てざるを得ませんでした。

そんな池谷さんの「我が子のように大切に育てた桃を捨てたくない。なんとかしてお客様にお届けしたい。」という想いを知った当時の「横浜ビール」代表の提案によって「綱島桃エール(発売当時の商品名)」の醸造が始まりました。

ラベルデザイン・イラスト / 木村 薫

現在は「めぐりあい meguriai 」シリーズとしてラベルも一新しましたが、池谷さんの語り継ぐ想いを大切に『横浜綱島 桃エール』をお届けすることは変わりません。池谷さんの桃に対する確かな愛情や想いがあってこそ「日月桃」は現在も命を繋いでいます。この機会に是非『横浜綱島 桃エール』を是非お楽しみください!

めぐりあい meguriai 

「めぐりあい meguriai 」シリーズのビールは、地元生産者の方々によって作られた貴重な果物や、ビールの副原料となる農作物を使用しています。これらは全て、生産者の方々との信頼関係によって毎年醸造させて頂いている大切なビールです。生産者、土地の魅力を“めぐる季節”の訪れと共に楽しんで頂きたい。そうした想いを一つに「めぐりあい meguriai 」が誕生しました。このビールを通して「人」「土地」「季節」を巡り、素敵な出会いがありますように。

池谷(いけのや)桃園
*電話・メールにて桃の販売に関する問い合わせには対応していません

木村 薫(ラベルデザイン・イラスト )



写真・文: 工藤葵 (写真家・横浜ビール広報)


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