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活動停止していたケーキ屋さんを日本で再始動したワケ

イギリスのフルームで「産まれた」ヨーコベイクスですが、日本への引っ越しを機に、活動を停止。そして、それを今「産みなおし」しているのですが、そもそも、なぜストップしたのか?そして、なぜまたやっているのか?今日はそんな話です。

道具がない

2016年秋、イギリスから日本への引っ越しが決まり、ドタバタと準備が始まりました。右も左も分からないまま、ロンドンにあるクロネコヤマトに連絡。船便で送る引っ越し便は2~3か月かかるとのことで、12月に引っ越し予定の私たちは、10月には荷物をまとめて発送しなくてはいけない。あんまり時間もなく、家にあるものを一切合切詰めていく。

…いや、しかし、待て。ケーキの型とか、ミキサーとか、フープロとか、どうする?オーブンは持っていけないとしても、色々投資した、この子たちは?まず、電化製品はプラグが違うからボツ。清く諦める。そして型は日本のオーブンには大きすぎる、道具はまだ引っ越すギリギリまで使う、という理由でボツ。そんなこんなで、少しのレシピ本と型以外は、ほとんどシヴォンというアメリカ人女性に託してきてしまった。

というワケで、日本に来た当初の私には、お菓子を焼く環境も、道具も、手元に何もなく、ヨーコベイクスは活動をストップしてしまった。さらに追い打ちをかけるように、日本では製造許可を賃貸の自宅で取ることが極めて難しいことが分かり、「ケーキ屋さんなんて日本では絶対出来ない!」と見切りをつけた。

無理無理詐欺

そこから、「もうお菓子作りは無理」と自分に言い聞かせる「無理無理詐欺」が始まった。

「お菓子は無理」という思考

無意識に不満がたまる

気を紛らわすために仕事をする

それでも不満なので買い物をする

それでも満たされず違う仕事を探す

「お菓子もう一度やろうかな」と思ったそばから「無理無理」思考

また違う仕事を探す。

そして、最終的に「私は英語の先生になりたいんだ!」と自分を納得させた。

英語だったら、条件は揃っている。自宅で開業も出来るし、レッスンもすぐ始められるし、これまでの言語学と言語聴覚士という知識と経験もある。自分で言うのもなんだが、「英語の先生」としては、結構いいスペックを持ち合わせていた。

それに、ウケもいい。カッコいいし、時給もいい。英語の文献も読めるから、教授法なんかもファーストハンドで読める。だから、英語の先生を目指すことは、私にとってすごく好都合だったのだ。だから、どうしても「それで良し!」と自分に納得して欲しかった。

本能はウソをつかない

だけど、身体というか、本能というか、意識というか、そういう自分の真髄にあるもの、はウソをつけないらしい。自分という本能と、自分という身体がやってることが全くもってチグハグな「不一致感」というのは拭えず、そんな違和感がずっとどんよりとしていた。何をやっても満たされない。

周りのほうが私のことをよく知っているのかも知れない。モヤモヤした日が続く中、良き友人に会ったある日。彼女に英語の先生になる道を行くことを報告したら

「ちがう!ヨーコちゃんはケーキでしょ!私、あんなケーキ見たことないよ!」

と言われてしまった。そして、それがズドーンと私の心に突き刺さった。なぜそんなに突き刺さったのかと言うと、もちろんそれが本当だったから。そして、「もう一度、お菓子を焼こう。もう一度、ヨーコベイクスに戻ろう」と決意をしたのだ。

そこから、日本のオーブンのサイズに合うような型を揃えなおしたり、道具も少しずつ増やしていく。いったんスイッチが入ったら止まらない性格の私は、作りたい欲が一気に炸裂し、あれやこれやと焼き始める。今からちょうど一年前のことでした。

「カマコワ」と出会う

そしてその数か月後、バレンタインがやって来た。特に意識はしてなかったけど、新年にスキーに行った先、白馬のペンションのオーナーさん(昔からお世話になっている)から、「ヨーコちゃん、お菓子作るならかわいいクッキー缶いっぱいあるからあげる」と言われ、いろんなサイズの缶を貰っていた。

それを使って何か出来ないかと考え、ふと思いついたのが「バレンタイン・リサイクルボックス企画」。作る側としては、パッケージ代が無料になる分、お菓子を多く詰められる、それってWin-Winじゃない?と一人で盛り上がり、独り言のようにインスタに投稿してみた。

とは言え、一人でお菓子屋さんごっこをしているようなノリだったので、何も期待していなかったのだが、友達から、「4つお願いします!おいくらですか?」と連絡が入ったので、急遽テキトーに原価計算みたいなものをして値段設定。他にも思った以上に友達から反応があり、その中に「カマクラコワーキングハウス」さんからの連絡もあった。「素敵な企画ですね!2箱お願いします!」。

カマクラコワーキングハウス、ことカマコワへお届けに行った。そして、私のスイーツをすっかり気に入ってくれたカマコワさんが、「3月にリニューアルオープンするので、その時にお菓子を出してくれないか」と声をかけてくれたのです!

カマコワ

そして、3月の初旬、ドキドキしながらもカマコワのリニューアルオープンへ。そこで、日本へ来て初めて、フルームでの「マルシェの感覚」がよみがえり、「楽しい!」気持ちを再認識。「これこれ、そう、この感覚!」といった具合に。

新型コロナウイルスをきっかけにキャリアが転換

当時はまだ英語のレッスンもやっていて、英語のレッスンもやりながらお菓子を作っていた。だけど、いかんせんお菓子作りが楽しい。「本当に」楽しい。その楽しさが、やっぱり英語の先生をしている時と、比にならない。

それは、前々からうっすら気づいていたけれど、都合上、認めたくなかった。一度始めた責任もあるし、生徒さんもいた。だから、自分の気持ちに気づきながらも、ズルズル来ていたのだが、ここにコロナがやって来た。一気に自粛モードになり、色んなイベントがキャンセルされる中、私もレッスンをキャンセルせざるを得なくなってしまった。

そして、この「カマコワでちょっとやってみて楽しかった」+「コロナで英語の先生の仕事をキャンセルした」の二つが重なって、自分のキャリアの中心が、お菓子作りへと転換されていったのです。

さて、現在はヨーコベイクスの店舗オープンに向けて、絶賛準備中です!いろいろと壁にぶち当たることがあるので、オープンまでの間にいろいろとnoteでも発信していきたいと思います。

クレジット(photo by こまつあかり@komatsu.akari

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