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ケーキ屋を開業して1年、自分が心地よく営業できるようになるまで

こんにちは、ヨーコベイクスのようこです。何とも久しぶりな投稿です。去る2022年3月31日、一周年の日に向けてnoteを書こうと思いつつ、気づいたら梅雨入り、夏目前となってしまいました。

これまでも開店後3か月、半年、などのベンチマークで書きたい書きたいと思っていたのですが、なかなか気持ちも考えもまとまらず、ここまで引き延ばしてきました。が、今、このタイミングで、これを書かないと前に進めない!という感じがしているので、お店をオープンしてからの一年を記録しておこうと思います。

Yoko Bakesの定休日とは?

今から一年数か月前の2021年3月31日。想像を絶するテンヤワンヤの中、お店はオープン。内装工事の細かい部分は終わらず、前日まで塗装や電気工事をしている状態。オーブンの試し焼きも出来ないままにぶっつけ本番で商品を作るという想像を絶するドタバタ具合。

それでもどうしてもその日にオープンしたかったのは、それが「一粒万倍日」という、年に数日しかない開運日だったから。これを逃せば6月まで開運日がない!それに1月から家賃も発生してるし!という勢いだけでほぼ無理やりオープンにこじつけたその様は、今から思えば何かにとりつかれていました…

2日間のプレオープン日、たくさんのお客さまにお越しいただき、大盛況。おめでとう!という言葉の次に一番多かった質問が

「いつが定休日ですか?」

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考えてなかったし、決めてなかった!!

とにかくお店をオープンすることで頭も体もいっぱいいっぱいだったので、その先のことを全く考えていませんでした。そして、「定休日」というのが、実は私には良く理解できていなかったということも、その時実感することとなりました。

これはイギリスの田舎に住んでいた私だからかも知れませんが、お店は週末閉まっていて、平日も16時とか16時半に閉まるのがスタンダード。それゆえに「お店はいつ閉まっているか=定休日」という思考回路より「お店が開いている日=営業日」という考え方の方が、私にはしっくり来ていたんです。

土曜日も営業した方が良さそうかも?

そんなこんなで「定休日は?」と聞かれても、「営業日」で考える方がやりやすかったので、何となくその時の流れで「木金土営業」と決めたんです。何となくとは言え、仕込みを始めるのが週の初め、そして「土曜日も営業した方がいいよ!」といういつかの誰かの助言にとらわれて、じゃあ一応週末も一日やるか、という感じで決定。

しかしこれがとてつもなく大変だということに気づいたのは、5月も中旬くらいになってから。オープンしたばっかり、というのもあってか、プレオープン状態は長く続き、作っても作っても足りない状態が続く。慣れない機械、慣れない発注作業、慣れない製造量。全てが分からない・初めて・慣れないだらけで右も左も分からない。

でもとにかく作らなくては!という焦燥感だけに押されて走り続けた結果、過度なストレスと過労でイギリス時代に発症したパニック症がお店で再発。次の日の分のチーズケーキをオーブンに入れて一息ついたところで頭が真っ白、動機・息切れ・目まいがしてまさかの救急車で搬送される事態に。あ~、やってしまった…という感じ。

変則的営業で1人でやってみる

さてそこからは営業の仕方を変えなくては、自分がサステイナブルではない。6月は試行錯誤で週2日や3日で変則的に営業した末、「人を雇わずに一人で出来る範囲で!」という考えに移行し、7月からは単独で週一で営業することを決意。そしてその日を土曜日に選んだのは、やはり「週末も営業せねば」論にとらわれていたから。

これは一人で出来るし人件費もかからないし楽だな~と思ったのもつかの間、今から考えれば当たり前ですが、全てを、本当にすべてを一人でやるのは大変すぎました。たとえそれが週一の営業であっても

夏休みは一旦休んでみたものの

8月は暑いし、もうその頃には大分疲れていたので、まるまる一か月休むことを決意。だけど経費のことやケーキのことやお店のこと一式が気になって全然休めた気がしませんでした(涙)。

そうして中途半端に休みを取った後、9月からも「単独週一」というスタイルで再開したのですが、やっぱり合わない。まず、一週間で仕込む量を一日で売るとなると、朝にスライスするケーキの量が莫大過ぎる。次に売る量も多すぎる。そして洗い物や会計もその分大変になる。

そうして土曜日が終わった後は必ずがくーんと疲れが出て、日曜日は使い物にならない状態。私の土曜日の営業中、ソロで元気有り余る子ども2人を見ている主人も、日曜日には疲れ果ててイライラ。そんなこんなで「エネルギー溢れる年長さんと3年生の子ども2人+疲れ果てている大人2人+親戚等が近くにおらず助けてもらえない」という魔の絵が完成した訳です。

単独週一スタイルの終了

そんなこんなで「単独週一スタイル」は9月に終わりを迎えることに。そしてこの頃には、「毎週決まった日にオープンする」という自信を全くもって無くしていたので、「予告なしで開けられる日に営業する、しかも土日祝日以外」というスタイルにシフトすることに。今から考えればあり得ないですが、その時はそれ程切羽詰まっていたんでしょう。自由なヨーロッパ人の主人にすら、「そんな店あるか!」と言われましたが「閉店よりましでしょ!」と売り言葉に買い言葉状態で実行へ。

1人で頑張るの辞め、2人3脚体制に

そしてその頃、私にとっての救世主が現れることにもなります。いずみちゃんです。一から百までをぜーんぶ自分でやるのはあまりにも大変すぎたので、人参おろしやくるみチョップだけでも誰かに頼めないか、と思い、開店直前のスタッフ募集に応募してくれた彼女に声をかけたら即OKを貰い、週一で来てくれることになったのです!

そうして10月頃から、いずみちゃんとの二人三脚が始まりました。とは言え私の精神状態はまだまだ不安定で、そんな私をいずみちゃんが支えてくれていたから、閉店せずに細々とでも続けられたと思っています。たまに、営業しようと思って開けたけど、どうしても帰りたい!みたいになる日もあって、そんな日は彼女に後は任せて帰る日もあり、そんな中でも動じずにお店に立っていてくれた彼女に本当に感謝しています。

そうしてそこから、数か月、半年と経ち、2022年3月頃には「不定休」な営業にも規則性が出てきました。それはざっとこんな感じ↓

規則その① 週の初め、月曜日や火曜日にお店が開くことはまずない
規則その② 週に4日以上営業することはない
規則その③ 木曜日と金曜日はほぼ確実に開いている
規則その④ 水曜日も開けると疲れる

昔から数学でもなんでも、帰納法の方が演繹法より合っていたのですが、ここでもそれが証明されました(笑)。オープン一周年を迎えるころには、そろそろ営業日を決めてもいいんじゃないか、という自信もうっすら出てきたんです。

だけど、どうしても、「お店だからもっとオープンしないと」という誰かの声や自分で築き上げた囚われから逃れられず、無理やり水曜日も、そして火曜日も開けないと!という考えに縛られて、出来るだけオープンする日を増やす努力をしては疲れる、の繰り返しをしていました

「いつも閉まってますね」

そう言われるのが嫌で嫌で、気になって気になって、仕方なかったんです。

週2営業が心地いいペース

そんなことでモヤモヤしていたんですが、来週が一周年、というタイミングで、何だかいい風がお店を通ったんです。何となく、ふと、ふわぁ~って。それで、その時、「週2営業でいいや。火曜日と水曜日で一人で製造して、木曜日と金曜日で営業しよう」って思いました。

どれだけしんどくても、どれだけ大変でも、ここまでやってこれたのは、お菓子作りが好きだから。小さい頃から、大学生の時、就職してからもずーっと続けてきたのは、好きだから。じゃあ、その「好き」を軸に、お店を営業すればいい!そして、そのことを、お客さまに伝えれば、きっと大丈夫!と、何だか急に自信が湧いてきたんです。

それで、その日から、「木金営業です!」と宣伝するようにしたら、あっという間に木金営業が定着。私は火曜日と水曜日の二日間で製造し、木金の営業日にはいずみちゃんが前で販売、私が後ろで仕込みというポジショニングも確立。

大方の製造を火水で済ませてしまうことで、木金の営業日にゆとりが出てきました。自分は超マルチタスキング!と思い込んでいたのですが、思いっきりシングルタスキングだと言うことも、この一年を通して分かったことの一つ。製造と営業を同じ日にするより、全く違う日に分割してしまうことで、心にも身体にもゆとりが生まれ、前よりおもしろいBakingが出来るようになったと感じています。

そして、大体一か月半か2か月くらい連続して仕事をすると疲れやすい身体、ということも分かってきたので、いいタイミングで休みを入れるという風にしています。そうしたら今までは死んでた土日もある程度ゆとりが出来るようになって、子どもたちと海へ山へ遊びに行ったり、美容院へ行ったり、友達とランチしたり、そういうことが毎週ではないですが出来るようになってきました。

それに、「あの店、いつ開いてるか分からないなぁ」というお客さんの不安感を拭うことが出来たのではないか?と思っています。そして、このスタイルが、今の私にはとても合っている。だんだんリズムもつかめてきて、今、お店はとても心地いいペースで営業できています。お店と、お客さんと、私が、調和しているというか。

2年目に突入、やっぱりお菓子作りが好き

ヨーコベイクスは2年目に突入。それはそれでいろんな課題も出てくるし、変化もある。だけど、これから何があったって、私が一番大切にしたいこと、それは「お菓子作りが好き」というその気持ち。いつもここに還れば、いつも自分に還れば、必ず答えはそこにある。そう信じて、今日もケーキを焼いています。

最後に、オープンしてから一年間、営業日がコロコロ変わるなか、応援し続けて下さった皆さま、本当に、本当に!感謝しています。片瀬の土地勘もない私、ぶっちゃけ最初はビクビクしていましたが、今では「ここでお店をはじめて良かった」と思っています。そうさせる何かが、きっとこの地域と人にはあるのだと感じています。

これからも、美味しいケーキを用意して、皆さまのご来店を心よりお待ちしております!

2022年6月

Yoko

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