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息苦しさが言語化された世界で

毎日のように「生きづらさ」というテーマで、いろんな人がいろんな意見を言っている。


私はこの現象を面白いなぁと思って眺めている。例えば先日大きな反響があった「台湾では女性の生理がオープンだ」というつぶやき。

3万人を超える人が反応してくれた。

そもそもこのつぶやきが生まれたきっかけは、私が住む環境を変えたからだ。日本では生理についてオープンに話さないことが当たり前で、「生理痛やだなぁ、痛いなぁ」と思うことはあっても、それを生きづらさとして認識することはなかったように思う。

しかし海を渡り、台湾で住むようになって始めて、私が知っている世界とは違う場所があるのだと知った。台湾では誰もが「生理」について、オープンに話し合っている。

そこで私は始めて自分が「生きづらさ」を持っていたのだと気づいた。私が今まで我慢していたことを、台湾では我慢しなくてもいい、と知ったから。

あぁ、私は苦しかったんだ。自分の苦しみを外から眺めて、初めて気づいた。



親友のアメリカ男性は言う。

日本へ来て初めて、自分がアメリカで感じていた息苦しさがはっきりと分かった。私は筋トレなんてしたくない、本を読んで一人で静かに過ごすのが好きなのに、それができなかった。ここはいい、一人で何をしてもいいし、マッチョじゃなかったとしても女の子にモテる。

日本はアメリカよりも男性の体型に寛容だ。私はずっとここで暮らしていきたい。



ネットが世界をつないだ。私がいない世界のことを、簡単に知ることが出来るようになった。文字で、写真で、動画で。そこで初めて知る。私がここにいる「世界」は絶対ではない。

今自分が抱えている苦しみが解消できる場所はあるんだってこと、に。

何もそれは海外のカルチャーショックだけではない。SNSを通して知る、私ではない誰かの生き方からだって。



そんな新しい気付きが、今私たちに新しい「息苦しさ」を与えているような気がする。

当たり前が否定された
あれ、これ、違うんだ。
だって、あそこはさ。あのこはさ。

知れば知るほど、考えれば考えるほど息苦しさが生まれている。私の辛さが言語化されていく。世界がつながったことで生まれた「新しい辛さ」、世界が良くなる前の「混沌とした辛さ」。

私たちは今、その「辛さ」にどう向き合うのか試されている。

そんなことを毎日湧き出てくるオピニオンズを眺めながら、感じた。


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寛容とは何かを常に考えている人です。コラムを書きつつ、編集者をしています。ハノイ在住。

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コメント (3)
「その辛さにどう向き合うのか試されている」本当にその通りだと思います。
前例があまりないのと、辛さがパーソナライズされてて。自分を知ることがますます大事だなぁと思います
「私がいない世界のことを、簡単に知ることが出来るようになった。」
インターネット以降に感じてきた薄っぺらい寂しさはそういうことか。なんかスッキリしました。ありがとうございます。
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