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ビジネスモデルとしての補助金申請

はじめに

補助金申請サポート「だけ」の仕事はしない!と決めている私ですが、実は補助金申請、ではなく補助金申請のために作成する事業計画作成サポートは醍醐味のあるお仕事で大好きです。もっと言えば、事業計画作成のその前に徹底してクライアント企業さまからヒアリングし創る、ビジネスモデルを目に見える形に作成し整え、実行に移すことは大好きです。

ビジネスモデルっていまさらそんなこと、わかりきっている、「わが社は製造業じゃないか」とか、「飲食業ですよ」という反応だったものが、ヒアリングを始めて聞いたお話の要点を私が言葉にしてゆくと「そうそう、そういうことなのです」と身を乗り出してご自身の話をしてくださる。そこには、その企業にしか生みだせない「価値=お客さまから喜ばれるポイント」がどんどん出てきます。そうした要素を適切な言葉にし、つないでいくのがビジネスモデル

このビジネスモデルが無ければ、事業計画書は、要件定義に沿って時系列でやることを記述してゆくだけのものになってしまいます。

今回は事業再構築補助金 地域支援機関との連携3者中2社の採択が叶いました。飲食が対象と言われていた採択率66.8%の特別枠の採択でしたが、1社は製造業でした。

お話を頂戴し申請締め切りまで2週間。ヒアリング1回で採択にこぎつけた要点をご紹介します。

ストーリーとしての申請

まず、2社ともに筋のよいストーリーとしっかり見えている顧客の姿がありました。もしくは、コロナ禍で変容した消費トレンドを分析する中に新しい顧客像が確かにありました。
あとは経済産業省さんに新規に創造されるビジネスモデルをしっかり理解していただけば、採択可能という先でした。


もちろん、ストーリーの弱いところや、「なぜ、その新商品が新市場で売れますか?」➡ここ重要
のところは、社長と一緒に相当考え抜きました。
巷に流布していた「~を書けば通る」 とかいう虚言は、当然ですがガン無視ししました。


大事なことなので、なんども書きます、
そのあなたの創る新商品はなぜ新市場で売れますか?
その問いに答えるための根拠となる資料をしっかり用意する。
だからと言って、私が応援する企業は、地方地域中小企業なので、
矢〇経済研究所の何十万もするようなレポートや
〇〇システムの市場調査とかそんなものは使いません。


ごくごく普通にネットで無料で公開されている資料レベルで十分
それよりも、そうしたトレンドの根拠となる消費者心理の分析と
どうすれば、その市場にリーチできるのか、
申請企業はどうやってリーチできる力を付けるのか?
などなど、ごくごくべたなことを読み手が納得できるように、論理的に描いただけ。

社長の言いたいことを、言葉にし、形にする


そのプロセスが社長の頭の中を再整理!
だいたい、ネット上に散らかりまくっている、虚言
「~を書けば通る」とか、
「~〇〇分析を入れないとだめ」とか                 「売り上げは下がってないなとだめ」とか

ただでさえ、日々の意思決定に忙しい社長さんの頭の中は、そういう超余計な虚言が飛び交い混乱してしまっている。

虚言はガン無視
ただ社長のもつ新市場への意欲にフォーカスして、どうすればその世界を創れるかに集中して考える。
その結果採択もまだなのに、事業計画描きあがった時
メチャクチャ喜ばれました。
「僕の言いたいこと、やりたいことを形にしてもらって、ありがとうございます」と。

納税者からの投資としての補助金

補助金の役割ってそういうところにあると思う。
つまり、自分の温めている新規事業で豊かな世界をどう創るか。
徹底的にそれを考える。
そのために、ビジネスモデルを考え作る。そして、その次に事業計画という時系列で行う行動計画と会計数値をセットで形にしてみる。
そのビジネスモデルを実現するための資金調達を補助金申請書という形で国からの投資に値するものかどうかにトライする。
ただそれだけ。


補助金を「もらえるお金」、「お金がもらえるから採択されるようにやりたいことのストーリーを変えて申請書つくる」
「知人の〇〇さんも補助金というお金をもらったから我が社も欲しい。」
補助金は一定数、そういう発想の方を生みだします。私はそのような「欲しい」で申請をお考えになる方のサポートは仕事にしません。
なぜなら、補助金は国からのあなたの事業への「投資」です。
借り入れよりも投資を受ける方が責任重い。
なぜなら投資には回収がつきものだけど、今回の回収先は納税者。
その納税者の一人一人が、
ああ地域によい企業が残ってくれてよかった。
よい事業を始めてくれてよかったと
そう言ってもらえるような事業を育て、
雇用、納税、と言った形で地域経済に貢献する。それが補助金と言う投資に対して納税者へなされる回収だから。
「欲しい」「欲しい」という発想で、その回収責任をおえるでしょうか?


二次締切も迫ってまいりましたが、
いまから二次のお世話は少々厳しいですが、
多少のスパルタには耐えて頂く覚悟のある方限定で
ご希望の企業様がいらっしゃれば
全力サポート いたしマッスル。

京都で「知的資産とビジネスモデルの専門家」として、活動しています。現在は内閣府の経営デザインシートの普及に勤めています。