私のゆるゆる美術館鑑賞法

皆さんは普段、美術館に行かれますか?
私は美術館で作品を鑑賞するのがとても好きで、最低でも月に1回、多いときは月に4回~5回くらい行くこともあります。

といっても、別に美術の素養があるわけでも、学生時代に美術を専攻していたわけでも、美術の専門職でもなくて、単純に作品に触れることが好きなだけで、完全に趣味の域を出ないものです。

美術館鑑賞の方法、というと、熱心にメモを取りながら鑑賞される方、スケッチを取られる方も中にはいらっしゃって、そういうのは難しいと思われる方もいるかもしれません。

ただ、私も真似しようとして結局挫折してしまった人の一人なので、ここではもっと、素人がゆるく鑑賞するためのちょっとしたポイントをお示しできたらと思います。

(なお、便宜上、すべて「美術館」と表記していますが、「博物館」も同じ扱いとお考えください。)

①どこに行くかは単純に興味のあるなしで
あまりにたくさんの美術展があるので迷いますが、自分がそのときに観たい!と思うものを単純に観たらよいと思います。意外と外れもありますが、それも想定内で。

ただ、知らず知らずのうちに、自分の興味を狭めている可能性もあるので、メディアで取り上げられたものや、美術館鑑賞仲間のおすすめのもの、などにたまには行ってみることをお薦めします。

②中小美術館は意外と狙い目、常設展も穴場
とはいえ、大きな美術館の企画展は、メディアで取り上げられることが多いせいもあり、平日休日関係なく、たいてい混んでいます。(平日の方が若干ましな気はしますが。)
とても大きな話題になった展覧会は、場合によっては行列が出来ていて、1時間待ち、3時間待ち、というケースもたまにあるようです。

もちろん、どうしてもその展覧会に行きたいのであれば頑張るしかないのですが、そこまででもなければ、中小規模の美術館は結構狙い目です。
国立の美術館で凄く話題になった作者の作品が、がらがらの中でゆったりと観られることもよくあります。

また「特にこれ!」というこだわりなく、なんとなく美術品に触れたい、という方は、国立美術館の常設展もご検討をお薦めします。
料金は安価で、なかなか見応えのある作品が、ゆったりと観られたりもします。

③2人(もしくはそれ以上)で出掛ける
私の場合、企画展終了間際で誰とも予定が合わない!というとき以外はだいたい2人で行きます。(理由は後述。)

もし周りに美術館好きがいない場合、巷には、美術館鑑賞サークルのようなものもたくさん存在するようなので参加してみてはいかがでしょうか。
(私も3種類くらいのサークルに参加したことがあります。)

当然仲間ができますし、普段自分が無意識に敬遠していたものが意外と面白いといった新たな発見ができたりもします。

④荷物はできるだけ預ける&お手洗いは済ませよう
鑑賞前の事前準備も、混んでいて長時間かかりそうな展覧会では特に重要です。

少しでも身軽になるために可能な限り荷物は預けることをお薦めします。また、会場によってはお手洗いが途中にない場所もあるので、小さいことですが、事前に済ませた方が良さそうです。

⑤作品リストはできればもらっておく
展覧会の入口にはだいたい作品リストが置いてあります。
取るか取らないかは自由ですが、後々の振り返りをするときに便利ですし、また、展覧会全体の作品構成とボリュームが見通せるので、観覧の時間配分にも役立ちます。

⑥音声ガイドは特別興味があるものだけでよい
よく、「音声ガイドは必ず利用すべし」というアドバイスも目にしますが、私は特に詳しく聴いておきたい場合や、語り手がお気に入りの方の場合だけで良い気がします。

私自身が、耳で情報を得ることが得意でないという個人的な理由もあるので、一概には言えませんが。

また、一作品に対する音声ガイドの解説が割と長いこともあり、自分の鑑賞のペース配分とも合わないなと感じることもたまにあります。
(ゆっくり観たいと思う作品にガイドがなく、そこまで心惹かれない作品に長いガイドがついていたりするなど…)

何より、500円というのが、個人的には高く感じてしまうかもしれません。

⑦鑑賞するときは単独で
先程、複数人での同行をお薦めしておきながら何ですが、鑑賞自体は個々人単独ですることをお薦めします。

やはり親しい間柄でも、鑑賞のペースは人それぞれですし、琴線に触れる作品もそれぞれですから、そこは敢えてペースを合わせない方がストレスが溜まらない気がします。

それに、あまり館内で騒ぐのも望ましいとは言えないので、会話は必要最低限の方が良くて、今この場でどうしても言いたい!というとき以外はあまり話しません。

また、混んでいると自然とバラバラになりますし、下手に待たない方が、周りの他のお客さんの邪魔にもならない気がします。

⑧近くでみたり、遠くでみたり
中には、ずっとへばりついて観ている方もいらっしゃいますが、遠くで観るとまた違った面白さが発見できることも多いです。特に絵の場合は…。

混んでいると、どちらかしかできないこともあるのが残念ですが。

⑨すべてをじっくり観る必要性は必ずしもない
せっかく来たからとすべての作品を時間をかけてじっくり観たい気持ちもありますが、一つの展覧会で集中して観られるのはどんなに長くても2時間だと思います。

すべてじっくり観て、やっぱり疲れて途中で嫌になっては元も子もありません。

作品リストなどで全体像を把握し、ある程度の配分を考えておき、あまり興味が湧かないものはサクッと観て終わりにする、という潔さも必要です。

あと、あまりに行列のエリア(小さい小物類の展示のことが多い)も余程興味がなければ諦めることも必要かなと思います。

⑩次回のチラシももらっておこう
観賞後、出口付近に、次回開催のチラシや、関連する内容の他の美術館での展覧会のチラシが置いてあることが多いです。

意外と狙い目なことも多いので、もらっておくことをお薦めします。(同行者と次に行く展覧会の相談もできますし。)

⑪図録は特に気に入ったときは是非
図録は特に気に入った作品や琴線に触れた作品があったときはごくたまに買っています。
見返したりより詳しい解説を読みたいときは、とても役立ちます。

図録以外のお土産は…気に入ったものがあったときだけで良い気がします。

⑫同行者と感想をシェアしよう
実はこの行為が結構重要だと思ってます。一人でなく、二人以上で行くのもそのためです。

自分と相手が同じものを好きなのか、それともまったく違うものが好きなのか、またそれはなぜなのか、を確認できるのも楽しいですし、解釈が分かれるものについて、相手の説を聞いたり自分が話したりするのも楽しいです。

また、話すことでアウトプットの練習になり、より記憶が定着されるのでお薦めです。

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