ルーツ　のぞき駅

山形県最北の真室川まむろがわ町に『のぞき駅』なんてのがほんとにあるんだってね。のぞきなんて聞くとドキッとしちゃうね。ここから小勝おがちトンネルを通り抜ければ秋田県に入るところだって。深い山間やまあいの所だね。
ポンと昔。
JR奥羽本線にある『及位のぞき駅』
及、位と書いてのぞきと読むんだってね。
そうさ。ここには覗のぞきを修業としていたお坊さんたちがいたというんだ。
遠い昔さ。このあたりに絶壁があったんだ。がけの途中には横穴があったんだ。
「蔦1本を腰につけてがけの上から宙づりとなって、その穴の中を覗いてまいれ」
眼が眩くらむような絶壁の上さ。下は岩だらけ。とっても怖かったよ。でもりっぱなお坊さんになりたいと思っていたからね、宙づりの恐怖に耐えながらも横穴の中を覗き込んでいたのさ。何が見えたんだろうね。こんな業をして、悟りを開いていったんだって。んな事があって及位なんて文字が充てられていったんだね。



及位駅はね、待合所も出札口もあったんだけれど、1日の平均乗車数は20人前後だったんだって。なんで、2004年からは無人駅になっちゃったってね。
 
#雑学