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【考え事】遺伝子レベルの好き嫌い

■ 節分

 今日は節分という事で、無事に恵方巻&豆まきの定番コースが終わりました。「去年はああだったこうだった。あれは2年前だった」など、1年の長さを実感するという意味で、こうした年中行事は良いですね。

 豆まきの時、ちょっと可愛めの鬼のお面で鬼さん役をしたのですが、3歳の息子が号泣してしまいました。その後も寝るまで異様に元気が無く、「寝てるときに鬼さん来るかなぁ。。。」とか言って不安そうだったので、相当怖いんだと思います。0歳の時は分かってなかったのですが、1歳から毎年の「鬼のお面」への恐怖心は他を寄せつけないものがあります。

■ 教えてないのに怖いのはなぜ?

 ふと疑問に思ったのが、「なぜ『鬼は怖い』と教えていないのにあんなに怖がるのか」という点です。普段から「鬼さん怖いぞぉ~」と言っていれば分かるのですが、残りの364日はほとんど鬼の話題になることが無いので、そもそも見た目が相当怖いんだと思います。

 そうなるとおそらく、遺伝子レベルで察知する怖さがあると考えられます。先祖代々ゆっくりと、遺伝子の書き換えにより「鬼は怖いのだ」という情報が刷り込まれてきたんだと思います。しかしWikipediaを見ると、

鬼(おに)は一般に、日本の妖怪と考えられている、伝説上の存在。

とあります。つまり、先祖代々遡っても実際に鬼に怖い事をされた人がいないにもかかわらず、遺伝子レベルでその怖さが刷り込まれている貴重な存在だと考えられます。

■ 秘伝の「怖い像」

 そうすると、最初に誰かが「怖いモノ」として鬼という存在を形づくり、それを見た人々で「いや、もっと怒った表情の方が怖い。角もつけた方がいい。」など、世代を超えて脈々と「理想の怖い像」に近づけていったのかなぁと思います。だから物心ついてすぐの子どもも、鬼を見た瞬間に脊椎反射的に恐怖心を持ってしまうのかなと思います。

■ 無条件に好感が持てる

 鬼は恐怖の対象ですが、反対に脊椎反射的に好感をもてるものもいます。日本の1歳児の全員の心を鷲掴みにする某ベーカリー系ヒーローが良い例だと思います。彼のことを嫌いな1〜2歳児は見た事がありません。彼は「丸い・笑顔・ふわふわしている・カッコいい・・・」などの赤ちゃんの遺伝子レベルの「好き」のツボをど真ん中で押さえているとしか思えません。圧倒的なデファクトスタンダードの秘訣はそこにあるのだと思います。

 また、男の子における「電車」もおそらく遺伝子レベルで惹かれていると思います。電車のフォルムが好きなのではなく、男子が感じた「カッコいい像」を世代を超えて脈々とチューニングしていった結果が今の形になっているのだと思います。某顔つきカラフル鉄道系アニメへの2〜3歳児の食いつきには執念すら感じられます。

 最近では米津玄師の「パプリカ」にも中毒性があると感じます。子どもたちのパプリカ好きには、何か遺伝子レベルへの魅力があるのだろうなぁと感じます。

■ 遺伝子レベルの好き嫌い

 このように、遺伝子レベルに組み込まれた好き嫌いはどうする事もできないので、抗う事にあまり意味は無いと個人的には思います。人間の生物的なツボを押さえて『全員が虜になってしまうサービス』や、その人が『生理的に無理な領域』というのは必ず存在し、それを他人がどうこうできる問題ではないかなと思います。

 それらを意識的に作り出せるに越したことはないですが、それは一部の天才の仕事で、我々はターゲット層の7割が好きそうなサービスなどを狙っていくのが賢明だと思います。


【参考資料】


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