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【考え事】セーブポイント

■ 百聞は一見にしかず

 事前に紙の媒体でどれだけ要件を説明しても、1回のデモには敵わない。事前に観光地の下調べをどれだけしても、1回訪れた経験には敵わない。そのものが持っている情報量のうち、言葉や画像で伝えられることはごく一部だ。100回聞くよりも1回見た方が得られる情報量が多いということだろう。webページであれば画面遷移のサクサク感、直感的操作感、旅行であればそこに行くまでの過程や現地の人との交流など、実際に経験することは目と耳の2感で感じられる情報より圧倒的に多いのだろう。そしてそれらの情報の全部はその後も取り出される事なく、一部だけが言葉や文字として書き起こされてその人の中に残る。

■ 同じものを見ているか

 ホワイトボードが使えれば、ざっとしたデータフローを書いて「これをプロトタイプとします」など、その場にいるメンバーで共有できる。しかし各自が頭の中で考えているとどうしてもズレが生じてきて、「あれ、プロトタイプってどこまでがプロトタイプなんでしたっけ?」という事態が生じる。字面だけの認識共有では同じものを見ているかどうかが分からない。

■ 地図

 一回全体像を1枚のスライドに整理すると、そこをベースに議論を進めることができる。その中で話される単語は「ここをこうやって」という曖昧なものだが、それでも地図なしで話される単語のやり取りよりは認識のズレが起きにくいと思う。単語の意味をどういう解像度で理解しているかは人によって違うので、同じ「プロトタイプ」でも認識に違いが出る。その認識の違いは広がってしまい、「あれ?何の話してたんでしたっけ」と認識合わせを行わなければならない可能性が上がる。


 ふわふわしたものを具体化する時は、一度「戻るべき場所」としての地図を描いてからその後の議論を進めると、進みやすいのかもしれない。

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