見出し画像

【考え事】「み」から始まる

■ しりとり

 昨日の記事で書き忘れたが、そういえば「すごろく」「紙ヒコーキ」以外にもう一つ最近のブームとして「しりとり」があった。すっかり忘れていた。

 ただこれも普通のしりとりとは少し違った特徴があって、

「じゃあしりとりしよっか~。」
「しりとり!り!リゾートしらかみ!」

から必ず始まる。リゾートしらかみはどうやら、秋田~青森を行き来している快速列車らしい。秋田も青森も行ったことが無いので分からないが、まぁそれは置いておいても本の中に出てきてちゃんと語彙に入っているのだからそれは認めている。

■ 限られた語彙

 このしりとりは大人にとっては意外と難易度が高い。まず息子が知っている単語の中から当てはまるやつを選んで回答しなければならない。息子の語彙と言えば、以下のようなもんだ。だからこの中からいい感じの語彙を選んで回答しなければならない。電車でさえあれば「くろしお」だろうが「サンダーバード」だろうが「指宿の玉手箱」だろうがすんなり通るが、その他の語彙に関しては普通の3歳児だ。知らないモノは知らない。

・電車:上級
・駅名:すごろくに出てくる場所(主に県庁所在地)
・動物:まあまあ
・食べ物:中級
・トーマス:上級
・日常会話:それなり

■ 答えやすいパス

 そして終わりの言葉も気にしなければならない。終わりの言葉は「ん」以外であれば良いわけではなく、次の回答がしやすい言葉にする必要がある。そのため「ぶ」とか「る」とか「ろ」で終わる言葉はなるべく避けなければならない。時々向こうが苦しくなると「ろでゅー」のような言葉を出して乗り切ってくるが、そこは一回確認のジャブを打つぐらいで容認している。

 そうした制約の中で言葉を選ばなければならないため、結構単語が出てこない。「墾田永年私財法」とか「消費税」とか「インスタグラム」とか、そんな大人言葉を言ってしまっては(実際は続くが)負けなのだ。相手が知らない言葉で繋いでもそれは勝ったとは言えない。

■ 「み」から始まる

 そしてこのしりとりは必ず「み」から始まる。しりとりが開始された瞬間に相手のターンとなり、「リゾートしらかみ」までの道のりは確約されている。その後で「はい、父ちゃん「み」ね!」というパスが回ってくる。

 一番初めにパッと浮かぶ言葉は例の柑橘類だが、あいつを言ってしまうとその瞬間に負けとなる。くそぅ、他に「み」は無いものか。。そこですごろくの盤面を思い浮かべてみる。「み」から始まる地名が実は2つある。水戸宮崎だ。それらを言って切り抜ければひとまずは事足りる。

 しかし問題はしりとりの回数自体が多いことである。一日数回はあの悪夢の「リゾートしらかみ」がやってくる。そして無条件にあのフレッシュな柑橘類が頭をよぎる。それを払いのけてようやく水戸宮崎の二択を迫られるが、どちらも今日のうちに既に出しているのである。ヤバいネタ切れだ。この程度でネタ切れを起こすような語彙で生きてきたのか俺は。

みず・・・次はズッキーニの一択しかない。却下。
みずうみ・・・相手にこの苦しみを与えてどうする。却下。
みみ・・・相手にこのry
水戸納豆・・・いや、これで通っても逃げだ。却下。
水の呼吸・・・よし、これなら壱の型から十一の型まで…却下。
宮城・・・いや、だめだ。仙台に持って行かれている。県名であることは伝わらない。
三井寿・・・いやいや、歳がバレる。
みん就・・・なんと懐かしい響き。あの時はお世話に…却下。
ミトコンドリア・・・だめだ。そもそもどんなのか分からん。却下。
三日月・・・だめだ。これも伝わらん。却下。
ミランコビッチサイクル・・・だめだ。氷河期とは何かから教えねばならん。却下。
ミミクリーズ・・・だめだ。いつもお世話になっているが次がズッキーニ一択だ。却下。
ミンダナオ島・・・だめだ。どこにあるかも知らん。却下。

 そうこうしながら、明日もやってくるであろうリゾートしらかみの恐怖に怯えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?