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【日記】寝る瞬間

■ 特技:寝ること

 昔から寝るのは得意だ。布団に入って寝ようと思うと、大体30秒ぐらいで寝ることができる。緊張して寝られなかったという経験は記憶に無く、布団に入ったが一睡もできなかったという経験も無い。これはこれで幸せな体質(性格?)だと思う。

 ただしデメリットもあり、いつも眠そうという風に見られることが多い。息子にも「ねむねむおじさん」というあだ名をつけられている。たれ目で瞬きのスピードも遅いので、基本的にいつも眠そうに見られるのかもしれない。ただ見た目の問題ではなく、だいたいいつも眠いことは確かだ。一日中副交感神経にどっぷり浸かっているのだろう。もう少し交感神経に仕事をさせても良い気がする。

■ 寝る瞬間を覚えておきたい

 ふと、小学校の時に「今日こそは寝る瞬間を覚えておくぞ!」というチャレンジをしていたことを思い出した。眠りに落ちるその瞬間を記憶に留めたかったのだろう。

 布団に入って目を閉じて、意識を集中させる。今日こそは寝る瞬間を頭に焼き付けるのだ。よし、まだ寝てない、まだ寝てない、まだ寝てない、、、、(-_-)zzz という感じで気がつけば朝を迎えており、寝る瞬間の事は全く覚えていない、という全敗ゲームを結構な頻度で行っていた。

 このチャレンジは寝る瞬間を観測したかったので、布団の中で10分ぐらい起きていたこともあったんじゃなかろうか。寝る瞬間を覚えておかないといけない一方で、頭が冴えすぎると寝られないので寝る方向へ集中しないといけない。一点に吸い込まれるように寝るイメージをしながら「あっ!今寝た!」という瞬間をキャプチャしたかったんだと思う。意識を集中しながら寝る、という結構難しい意識のコントロールが必要だったのではないだろうか。

■ キャプチャするのは誰だ

 今思えばこのゲームはなんと哲学的なのだろう。寝るという事は脳のスイッチがOFFになることだが、この試みはその瞬間をONの状態で記録しようとする試みである。落ちる対象と撮る対象が同じで、PCで言えばシャットダウン画面のスクリーンショットを撮るような試みだ。キャプチャが成功してクリップボードに保存された瞬間にPCが落ちてしまうので、立ち上げた時には覚えていない。ただしそれは翌朝覚えていないだけで、寝る瞬間を記憶するという行為自体はその時は成功しているのかもしれない。ただそれを翌朝確認することはできないので、もしかしたら毎回成功していたのかもしれないし失敗していたのかもしれない。

■ より深淵へ

 この試みを成功させるには一人では完結できないので、他の人に頼む必要がある。他の人の記憶に残しておいてもらって、翌朝確認すれば良いのだ。ただ端から見ると目をつぶって横になっているのか寝ているのかの区別がつかないので、寝る瞬間に何らかの合図を送る必要がある。「寝る瞬間に右手を挙げるからそれを覚えておいて」というような感じだろう。

 いや、ちょっと待て。脳のスイッチがOFFになる瞬間に手を挙げる指令を出すことができるのか。それができる脳はONの状態ではないのか。「よし、ちゃんと手を挙げられた。じゃぁ寝よう。」・・・それは果たして寝る瞬間の出来事なのか。そして観察側はどう答えれば良いのか。「あぁ、一瞬手が上がってすぐ落ちたよ。」以外に何か答えられることはあるのか。そして翌朝聴いたその答えは「寝る瞬間を覚えておきたい」という要望を満たしているのか。本当は脳内の変化や意識の変化を知りたかったんじゃないのか。それはそもそも他の人に頼めるものではなく自分の内なる感覚の問題・・・(-_-)zzz

【参考資料】


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