偏差値35文系卒でITエンジニアになった男が、世界的な最難関IT資格全種を世界で初めて全取得するまでー地獄のコールセンター編その②
前回で何とかコールセンター要員として就職先が見つかった
さて？これからポンコツPCサポート要員はどうなるのか？
PC研修とは？？
2001年12月末 東京
PC研修を受けるために出社する
一緒に受講する同期メンバーは4名程だった
元家電量販店の店員、元塾講師、元探偵アシスタント、フリーター
と実にバラエティーに富んだ面子だった
特に元探偵アシスタントの方の話は色々面白かったのを覚えてる
まぁそこは置いておいて
実際の研修内容はざっくりと
PCの仕組み(マザーボード、CPU、メモリ、HDD)
OS機能(Windowsのショートカットとか、コントロールパネルとか)
アプリケーションの使い方(Office系が殆ど)
と言った感じだった
講師「では今から皆さんにパーツからPCを組立てもらいます」
へ？パソコンって組み立てられるの？
というレベルだったのでド素人には新鮮な内容だった
なので電子基板バリバリなマザーボードを初めて見たときは
やだ...この子なんか怖い...
と文系あるあるだと思うけど無駄に恐怖心を抱いたりした
そしてメモリを逆向きに頑張って刺したりしながらも
何とか組み上げてみたが
研修生A「岡山さんめっちゃ不器用だね笑」
と言われるくらいには手こずった
その後はOSインストールしたり
色々と基礎を学んで2週間の研修が終わり
いよいよ配属されることに！！！！
4人見事にバラバラになったが頑張るしかない
もう24になってしまったし何とかせんとなぁという思いが強かった
卒業してから1年もフラフラしてたツケは支払わないとならない
そして配属されるメーカーのPCもなけなしの貯金を使い購入し
ADSLも導入したり孤軍奮闘しつつ当日に備える...
さて配属当日
担当営業K「岡山さん、うちのグループメンバー紹介するから！」
この担当営業Kさんはとても良い人だった
メンバー達から凄く評判よかったので頼りにしていたし色々と今後の相談など乗ってもらうことになる
担当営業K「Fくん、こちら今日から配属の岡山さん。Fくん」
先輩F「あ、はい、岡山さんよろしくお願いします。」
Fさんは軽快な感じの人で今も付き合いがある
岡山「よろしくお願いします！」
担当営業K「岡山さんも留学してたんだって。Fくんと同じだから仲良くしてあげてよ」
先輩F「分かりました！任せてくださいよ」
担当営業K「じゃあ頑張って！」
と言って担当営業Kさんは去っていった
先輩F「じゃあここの施設の使い方とか案内するよ」
とコールセンター内を案内してもらいながら色々と話す
先輩F「岡山さんはサポセンは初めて？」
岡山「そうです、PCもよく分からない感じです笑」
先輩F「まぁ慣れれば平気だけど今はかなり忙しいから根性が大事だよ」
そう、当時はどこのコールセンターも大幅な人手不足だった
何故かというとADSLが流行りだしたのに加えて
当時PCに搭載されていたOSは主に2つ
WindowsMe と Windows XP
この2つだった
Windows Meは
MSの開発者が恋人のクリスマスプレゼントとして作った
という説があるくらいふざけたよくクラッシュするOSとして有名でそれを挽回するかのようにクラッシュしないよう
ビジネス向けのNT OS系をベースにしたXPは当時出たばかりで
操作が分からないユーザーが非常に多かった
なので2001年当時のサポセンはまさに地獄だった
先輩F「しかもここ歴史が長いからさMS-DOSとかの問い合わせとかも稀にあるんだよね」
岡山「あの黒いだけのやつですか...」
先輩F「そうそう、それにコールセンターって変な電話も多いし精神病むからさ。岡山さんも早めに抜けられるよう頑張った方がいいよー」
岡山「そんな病みますか？」
先輩F「なにせ1日のノルマ件数もあるし変なプレッシャーもあるからねー」
....
......
.........
これはドエロイところに来てしまったかもしんねぇ
確かに周りを見渡しても引っ切り無しに電話が鳴っている
ACD大忙しだという状態だ
とは言え仕事は仕事、やるしかない！
Fさんからやり方を教わり電話の取り方、ログの取り方、一連の流れをOJTで教えてもらう
そして自分もいよいよ電話を取り始める！
がやはり苦戦...
岡山「これ大変ですね..」
先輩F「慣れるまでしょうがないよ」
岡山「凄い人は1日何件やるんですか？」
先輩F「30件とかやる人いるかな？」
岡山「それは凄いですね...」
先輩F「まぁ無理しないで初めは慣れるが大事だよ」
口頭だけでPC操作を教えるのは慣れるまで大変だなと思った
凄い人はどんな感じでやってるんだろう？
と他の人の対応に耳を傾けてみると...
お客様ーお客様ーまだ進まないですか？
いえ、そこをクリックすれば進みますすねー
クリック出来ないという事はないと思いますよ
人間の力なら押せるハズですのでー！！
なかなかすげー対応してるな...
とは言えクリック出来ないと言われたら困るのは確かだけども
ある意味の強引さみたいのは必要か...
しかしまだまだ技術力不足だからもっと勉強しないと...
初日は殆ど対応出来ず2，3件くらいで終わった気がする
これではどうしようもないと思い帰っても週末も必死で勉強した
Windowsトラブルシューティングみたいな本を買い漁った
幸い検証機はたくさんあるサポセンだったので
かなり勉強出来てWin95/NT/98/Me/2000/XPと色々触った
それから3ヶ月後...
SV(スーパーバイザー)「...今月の対応件数第3位は岡山さんでした！」
※SVとはコールセンター長のこと
コールセンターでは毎月末に成績発表会があった
3ヶ月後に勉強の甲斐もあり僕はこの地獄での成績が3位になっていた
担当営業K「岡山さん凄いね！たった3ヶ月で3位は凄いよ！」
岡山「ありがとうございます！」F
担当営業K「規定通り今月から契約見直しで月給アップだからまた頑張って！」
そう、成績によって給与が露骨に変わるシステムだったのだ
僕は彼女に3年以内に結婚出来る収入にならないと別れる宣告をされている
だから必死で這い上がらなくてはならないのだ！
手取り10数万から何とかギリ20万行くかくらいにレベルアップした
これだけでも大きいから引き続き頑張らないと
担当営業K「でも岡山さんは器用だからここは直ぐ飽きちゃうかもね」
岡山「え？」
その時はまだ意味が分からなかったがそれからしばらくして
・サイト自体が消えたアダルトサイトが見れないのはPCのせいだとキレる年配男性
・幽霊が夜中に電源オンしてくるから怖いと言ってくる男性
・筆まめのデータが停電で飛んだから今すぐ家に来て言う通り書き直せという女性
・15年前に買ったPCが燃えてるから賠償しろという男性
・開口一番「俺は総理大臣だ」と言ってくる男性
そんな対応に少し疲れてはいた...(※全て実話ですしほんの一部です)
先輩N「岡山さんどうしたの？元気ないね？」
NさんはFさんと同期で同様に今でも繋がっている地獄を乗り越えた仲間
岡山「いやー、訳の分からない対応あると疲れますね...」
先輩N「まぁふと病むよね笑」
すると先輩Fさんが
先輩F「岡山さんって来年25だっけ？」
岡山「早生まれなんでもう25の世代なんですよ...」
先輩F「あー、それ怖いよねー。やっぱ25で方向性見つけたいよね」
岡山「そうなんですか？」
先輩F「まぁこれ担当営業Kさんの受け売りだけどね笑」
先輩N「お前それより上じゃねーか！」
先輩F「うるせーよ！」
このお二人は本当に仲が良い
しかしそうなるといよいよマズイなぁ…
音楽は一旦停止してるけど本当にこれでいいのだろうか？？
電話取ってるだけで自分は果たして？？
と思い悩む日々が続く...
それから更に3ヶ月後...
メンバーA「すみませんリーダー、これはどう対応すれば？」
岡山「あ、それはこのコマンドで治ると思いますので案内してください。」
配属から半年経って僕はメンバーからリーダーになっていた
とは言え給与が変わったりとかは無くメンバーの技術サポートを
メインでやるというポジションだった
もうここで技術的に覚える事は無いなと思っていた
しかし本当にこれで？という思いは拭いきれないままの
そんなある日
何やら見知らぬ5名くらいの人達がサポセンにいた
SV「えー皆さん今日はですね、マイクロソフトでサポートしていた方々がこちらに配属となりました。そのリーダーのIさんです」
リーダーIさん「えー皆さんまずはよろしくお願いいたします。今回はですね、不躾ですが皆さんにもMCPを取得して貰ってさらに技術力を向上させて貰いたいと思っています。」
MCP？？？？？なんだそりゃ？？？？
サポセン内がざわつく
この時、MCPを知ってる人はサポセン内に誰もおらずで
「MCPってなんだろ？」
「取れって話？面倒くさそー」
という反応が大部分だった
そう...
これが僕のITインフラ系資格試験との出会いだった
To be continued
回顧文：
思い出しても本当に色々と思い悩んでた時期でしたね。職は見つけたものの目標がないという状態で...若気の至りかもしれないですが...今思い返すと目標が見つかるまで辞めなくてよかったなと思います。
勉強は複数のOSをマルチブートしたPCでずっと検証してました。Windowsを「コンパネじゃなくてレジストリでどこまで操作出来るか？」みたいなこと同僚とやったりしてましたね笑
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