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一目惚れと、カメラと、変化した私の日常のはなし。

君との出会いは、去年の夏。
知人からの紹介で。初めて会ったのは街中のビックカメラだった。

私は君に一目ぼれした。

すぐに自分のものにしたかったけれど、当時の私にとって、君は高嶺の花子さんだった。それでも君への想いを諦めきれずに、君が載っているパンフレットを持ち帰って何度も眺めた。いつか君に見合う日を願って。


◆ ◆ ◆


君を想い続けてはや一年。
私の想いは変わらずとも、世界は急激に変化した。

君に見合うためにはどうしてもお金が必要で、ライターのお仕事を始めたものの、世界の急変による影響を受けていつしか案件が途絶えてしまった。

さて、どうしたものか。
安全かつ無理のない範囲で出来る新しいバイトを探すしかない。

そして、コツコツ働いて、貯金して、いつか君に会いに行こう。

そう決めてから数か月後。
父から思いがけない言葉が飛んできた。


「安倍さんからの給付金、おまえにも半分やるからな。」


まさかの!!!
給付されてから3か月ほど経っており、存在自体を忘れかけていた。3か月という謎の空白を挟んだ意図はわからないけれど、ともかく、一気に5万円を手にするなんて!!

遠距離になってしまう片想いの相手に、最後に一目だけでも会いたいと願う娘へ父が空港までのチケットをそっと渡してくれる、という映画のワンシーンみたいだった(=感動のクライマックス)。


手にした5万円を握りしめ、私は購入ボタンをポチっと押した。

こうしてついに…

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念願のカメラを手に入れた!!!

OLYMPUS PEN E-PL9  ホワイト。
届いた箱を開いて再会を果たす。

か、か、かわいい、、、!!!

一年間も秘めていた想いが溢れ出す。
箱から取り出しては大切にしまい、出して眺めては又しまい、初日は出し入れを繰り返すだけで満足してしまった。

このコを紹介してくれたカメラに詳しい知人が、カメラ夏期講習をしてくれて仕組みや構図、レタッチの仕方などを学んだ。

それから私は、カメラのある生活を満喫している。

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雨の日だってベランダに出てシャッターを切る。
憂鬱なことが多かった雨の日が、少しだけ楽しくなった。

道端のお花も、走る子どもたちも、沈んでいく夕日も。
目に映るもの全てが、被写体になって「これ撮りたい!」「この構図はどうかな?」と考え始めるようになった。

1台のカメラが私の日常に彩りを与え、一瞬の思い出を切り取って永遠の”想い出”に変えてくれる。一枚の写真から、当時の風のにおいや心の動きまでも思い出せる、それが凄く、すごく楽しい。

カメラを買ってほんとうによかったと思う。

ありがとう、父よ。
ありがとう、安倍さん。

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