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あれから一年。

去年の4月12日。
私は初めてクリニックを訪れました。

「精神科」「うつ病」「躁状態」「双極性障害」

重く苦しい言葉たちが、私の上に次々と降りかかってきた一年でした。
様々な症状に振り回され、思い悩み、自分も他人も傷つけ、笑顔は涙に変わりました。

だけど、病気のおかげで沢山のことを得ることができたと思っています。

病気になって良かった。
とまでは言い切れませんが、それでも得ることができて良かった「3つのスキル」について、今日は綴っていこうと思います。

1.広い視野

「精神科」と聞くと、なんだか怖そうなイメージを持つ人は多いでしょう。私も実際に通うまで、未知の世界、自分とは違う世界、なんかヤバイ世界、みたいな印象があって2週間くらい行くのを拒んでいました。

行かざるを得ない状況になって通院することになりましたが、今でも「精神科」という表現にはまだ抵抗があり、「クリニック」と呼んでいます。

今ではもう通い慣れたクリニック。主治医に最近の体調を伝え、病院から歩いて数分の場所にある薬局で薬をもらうのが受診日の流れです。この流れは、どの患者さんも同じなので、受診のタイミングが一緒だと薬局でも再会する形になります。

その日は、ある一人の男性と受診のタイミングが同じでした。
男性は、薬局で大量の薬の説明を受け、薬剤師さんに不眠や体の症状の辛さを聞いてもらっていました。きついだろうな~、お薬わたしの何倍分だろう、、なんてことをぼんやりと考えていました。

先に処方を終えた男性に続いて私もお薬をもらい、外へ出てから、私はハッとしました。

薬局の目の前は大きな交差点です。
横断歩道の前に、さっきの男性が信号待ちをして立っていました。

私はハッとしました。

道路を走り行く車、犬の散歩をしているおじいちゃん、ベビーカーを押して歩く女性、通りすがりのカップル、遠くにはバス待ちをしている人たち…そんな何の変哲もない日常の中にさっきの男性もごく自然に映っていました。

分からないのです。信号待ちをして立っているさっきの男性が、不眠症等で苦しんでいて、薬を沢山飲んでいるなんてことは見た目じゃ全然分からないのです。当たり前と言えば当たり前の話なのですが、そこから私は想像を膨らませて考えてみました。普通に通りすがった人も、たまたま隣に座った人も、見えないところで苦しんでいたり、大変な思いをしていたりするのかもしれないと。周りの身近な友人の中にも、話さないだけでひょっとしたらそんな人がいるかもしれません。私はそのとき、ぐんっと自分の視野が広くなる感覚を覚えました。

視野を広く持てると、自分が辛いときに悲観的になり過ぎるのを防げます。程度の差こそあれ、皆それぞれ一生懸命生きていることに変わりはありません。自分ひとりだけが辛いわけじゃない。それを頭に入れておけば、人を労り、思いやる気持ちも芽生えてくるように思います。

2.客観視 ~鳥の目線~

初めて鬱病と診断を受けてから、躁状態や二度目の鬱、回復期をたどる間に季節は巡り、また ”春” がやって来ました。 

次にお伝えしたいのは、空飛ぶ鳥のように上から自分自身を見るスキルについてです。
このスキルを身に付けるきっかけになったのは、”春”という季節が起こしたフラッシュバックでした。

みなさんにとって、春はどんな季節ですか?
ぽかぽかと暖かく、桜が咲き、なんだか気持ちもワクワクする。
四季の中で春がいちばん好きだという人も、数多くいると思います。

私も春が大好きでした。

去年の12月頃から少しずつ回復の兆しが見え始め、今年の3月頃には、ほぼ寛解に達していました。心と体が穏やかであることの幸せを噛み締めていた矢先、恐怖のフラッシュバックは起きました。春の暖かい風や柔らかい日の光、春の匂いまでもが、去年の苦しみを一気に思い出させたのです。

「怖い」
ただただ、それだけでした。
「またあの辛い日々が繰り返されるんじゃないか」
「また知らぬ間に大切な人を傷つけてしまうんじゃないか」
突然に、鮮明に呼び起こされる感覚は何度か続き、とにかく怖くて、春が嫌いになりました。

ですが、主治医の先生は私がそんな気持ちになるのも想定内だったようです。ある日の通院で、
「春になると思い出すでしょう。それはもう仕方のないことです。」
「大切なのは、鳥になったと思って少し離れた目線で自分を観察すること」
そう言われました。

それから私は ”鳥の目線” を意識するようになり、自分を俯瞰して見るチカラ客観的にみるチカラが自然と身についてきました。このスキルのおかげで、去年とは明らかに違う落ち着いた生活を送れている事実に気づけるようになり、それは安心感に繋がりました。

病気の有無に関わらず、客観視できることは人生に役立つスキルだと思います。人間は感情をもつ生き物です。感情に流されると、偏った見方・考え方をしてしまいがちですよね。そんなときにも、客観視する ”鳥の目線” は冷静な判断と心の平穏を与えてくれるスキルだと思います。

今は病状も落ち着いていて、去年の記憶も新しい記憶へとアップデートされつつあります。もう少しで、春が好きになれそうです。

3.頼るということ

上記の2つは、自分自身の意識次第で実践していけるスキルなので、今すぐにでも生活に取り入れていけると思います。

でも、やっぱり、最終的には 「人」なんです。
人と関わっていくことで、本当に回復していけるのだと私は思います。

最後にお伝えしたいのは、人に頼るというスキルについてです。
ここでひとつ。そもそも人に頼るということが一つのスキルであるという認識をすることが大切になります。なぜなら、うつ病になる人の共通した傾向として、「人に頼れない」「頼るという概念がない」ことが非常に多いからです。スキルとして区別しておけば、コミュニケーションスキルやパソコンスキルなどと同じように、練習しないと身に付けられないことが分かりますよね。

私は実家に住んでいるのですが、うつ病になった最初の頃は、家族にさえ頼ることができず、全く会話をしない日もざらにありました。でも、どんな私でも肯定し、受け入れてくれた両親のおかげで、少しずつ話せるようになり、頼れるようになっていきました。

しかし、両親との関係が同じ状況であるとは限りません。両親との仲がきっかけで病気になってしまう人もいます。だから、両親に限らず、自分が信じられると思った人に頼るのが良いと思います。まずは一人、頼れる相手を選んでみましょう。

一人に頼る練習ができてきたら、徐々に頼れる人を増やすことが肝心です。
これは、両親だけでは賄いきれない部分も沢山でてきた経験からです。祖父母でも、兄弟でも、友達でも、彼氏でも、先生でも。ちょっとでも困っていることがあったら、相手を信じて話してみてください。話すことは、頼ることです。聞いてもらうだけでも気持ちはラクになるし、自分では思いつかなかったようなアイデアをくれることも多々あります。

と言っても、なかなか実践できないのがまたこの病気の特徴でもありますよね。そんな方にお勧めしたいのが、「Twitterを活用する」ということです。
自分が頼れる場所を、Twitter内に作るということです。

Twitterの活用方法については、実際に私が実践していて効果のあるものを、次回のnoteでご紹介したいと思います!良かったらぜひ、覗きに来てみてください^^

繰り返したくない過去があるなら、スキルを身に付け強くなろう

・広い視野を持つ
・俯瞰して見る
・人に頼る


この3つのスキルは、今後かなり自分の強みになると思います。
どれも病気を経験したからこそ得ることができたものです。
人生に無駄な経験などありません。

この記事が、当事者の方や、当事者を支える方々のお役に少しでも立てたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺



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次回もお楽しみに♪
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20歳の女子大生です。双極性障害Ⅱ型、HSP気質です。当事者の一人として、同じ境遇の方々に少しでもお役に立てる考え方や体験談を発信できたらと思っています。
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