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言葉の宝箱 1204【相手を信じられないくらい不幸なことはないからね。疑いというやつは、際限なくエスカレートしやがるものだ。きれいごとでごまかしたり、その場凌ぎに取り繕ったりしても、かえってまた新しい疑惑を生む結果にしかならない。元から断たなきゃだめってやつだな】

『遠野殺人事件』内田康夫(光文社文庫1987/4/20)


・きれいごとなど言わずに、やるべきことをちゃんとやる。
いや、人のできないことをやってのける P9

*遠野の語源はアイヌ語の「トオヌップ」からきていると言われている。「湖と高原」という意味だそうだ。
北に早池峰山、東に六角牛山、西に石上山と三つの山に囲まれ、
その裾野が「七内八崎」とよばれる複雑な地形を現出しているけれど、
その中央部の盆地はまさに湖面そのもののように平坦だ。
太古、この地は湖であったのだが、
その水が西方の猿ヶ石川となって流れ落ち、
湖底が盆地となって残ったのだという P19

・ひとつ屋根の下にいても、親と子のあいだには
新幹線で行くほどの距離があるのかもしれない P48

・相手を信じられないくらい不幸なことはないからね。
疑いというやつは、際限なくエスカレートしやがるものだ。
きれいごとでごまかしたり、その場凌ぎに取り繕ったりしても、
かえってまた新しい疑惑を生む結果にしかならない。
元から断たなきゃだめってやつだな。
芽のうちに摘むか、それとも根っ子から掘り取るか、
どっちにしたって、いい加減なところで妥協しないほうがいいぞ P316

・女が人間としての知恵を身につけるごとに、
男にとっての魅力がひとつずつ失われてゆくのかもしれない P338


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