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言葉の宝箱 1209【執念深くて、思い切ったことをやるのは、むしろ若者に多いんです。年寄りの方はあきらめは早いんじゃないですか?】

『萩原朔太郎の亡霊』内田康夫(徳間文庫1987/2/15)


・執念深くて、思い切ったことをやるのは、むしろ若者に多いんです。
年寄りの方はあきらめは早いんじゃないですか? P128

*非行少年が警察に厄介になったあと、二つのタイプが現われる。
ひとつは、生まれてはじめて懼れを知って、まともな生活へ戻ろうとする、いわば正常なタイプ、
もうひとつは、一度臭いメシを食ったのだから、
もうこれ以上恐れるものはない、と逆に開き直り、
かえって非行の度合が早まるタイプ P218

・子に期待しすぎる親、親に甘えすぎる子――という関係こそが、
相互に相手をスポイルしている P227

*ひと口に「浮浪者」というが(略)
段階的に大きく分けて三つのタイプがあるといわれる。
ひとつは俗に「風太郎」とよばれる「住所不定者」の段階で、
彼らにはまだ充分な勤労意欲が残っている。
仕事にありつこうと努力もするし、金があれば簡易宿泊所に泊まる。
つぎはいわゆる「浮浪者」で、
この辺になると勤労意欲はきわめて消極的だ。
自分の持ち物を売ったり、拾ったり盗んだりした物を
金に替えたりして食い物にありつくぐらいが“労働”で、
時にはやむにやまれず、残飯あさりに近いこともやる。
言ってみれば普通人が乞食に落ちる過渡期のようなものだ。
そして最後がその「乞食」である。
勤労意欲はゼロ、行動力ゼロ、人間的なプライドもゼロに近いタイプ P269

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