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年末のご挨拶_文化的雪かきについて_20201224

新型コロナウィルスの影響もあり本年は非常に厳しかったと存じます。
お世話になった皆様へ年末のご挨拶と最近理解したことを書きます。

ご挨拶

本年も大変お世話になりました。今年はずっとオンラインの合同企業説明会を企画運営をしており、その数は17だったそうです。(自分で数えたわけではないので正しいのかはわかりません。)
途中途中で別のオンラインのイベントサポートやセミナー講師なども実施しており、自分のスキルが誰かのために役に立っていることを実感すると同時に、足りないものが多いなと反省することが多かったです。
オンラインの合説をきっかけに様々なお話をいただくので非常に刺激がありました。

13LABOというスペース運営は活動が難しかったです。メンバーが増えて大所帯になり愉快な学生が集まってきましたが、コロナによりそもそものオープンが憚られたり、場所の性質上開けておくだけでウィルス感染を促進するようなものなので動きにくかったのが本音です。
学生を観察していても大学から活動自粛を通達されていたりと不憫に思うことも多かったです。次年度もこの状態が続くと見込まれるので13LABO運営形態については考えていかなければならないと思っています。

簡単ですが本年のお話でした。
来年度も変わらずスキルを磨き、13LABOのコミュニティ醸成をしながら、就業需給の調整事業を中心に仕事をしていきますのでよろしくお願いします。

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文化的雪かきについて

本年を一言で申しますと文化的雪かきをたくさんしたという満足感があり、また本当に欲しいものは何かについて考えさせられました。
文化的雪かきというのは村上春樹さんの小説「ダンス・ダンス・ダンス」の中でコピーライティングの仕事をしている人物が次のように言っています。

「穴を埋める為の文章を提供してるだけのことです。何でもいいんです。字が書いてあればいいんです。でも誰かが書かなくてはならない。で、僕が書いてるんです。雪かきと同じです。文化的雪かき」
「今やってることに関しては、好きとも嫌いともいえないですね。そういうレベルの仕事じゃないから。でも有効な雪かきの方法というのは確かにありますね。コツとか、ノウハウとか、姿勢とか、力の入れ方とか、そういうのは。そういうのを考えるのは嫌いではないです」
雪が降れば僕はそれを効率良く道端に退かせた。
それはある女性誌のために函館の美味い物を紹介するという企画だった。僕とカメラマンとで店を幾つか回り、僕が文章を書き、カメラマンがその写真を撮る。全部で五ページ。女性誌というのはそういう記事を求めているし、誰かがそういう記事を書かなくてはならない。ごみ集めとか雪かきと同じことだ。だれかがやらなくてはならないのだ。好むと好まざるとにかかわらず。

※ぶっちゃけダンスダンスダンスは読んでないので適当にネット拾ってきた文化的雪かきの文章を書いてます。伝えたいニュアンスはこんな感じです。

この文化的雪かきですが解釈はいろいろあると思いますが非常に私の中でフィットしておりまして、特にやりたいことも目指すものもなく、目の前に雪(仕事)が降って積もったら雪かきをする。また雪が降る。雪かきをする。
そのようなスタイルで仕事をすること、目立たず、面白くもなく、他人の評価を気にせず、称賛されることがあまりないが誰かがやらなければならないことをしている、という感覚です。初めに書きましたが私はこの状態に満足しております。

小さいころ家の前の雪かきをしてくれたのは自分の両親で、学校行く時にはきれいに家の前は雪かきされていました。でも歩道は誰がやったんだろうか。水源地通り沿いのきれいに雪かきされた一本道は誰がやったんだろうか。もしかしたら行政に委託されて建設業の現場の方が行っているかもしれないが、世の中にはグレーの部分は存在していて、その余白の雪かきは知らない誰かがやってくれている。(てか13LABOの前の私道(小道)は誰がやってんの?本当に感謝してます。)

そんなことを思い出しながら社会における雪かきの重要性や役割を考えておりました。社会の中には小さなスコップで雪かきを手伝う子供たちから季節労働的に重機で排雪する人たちまで様々な人たちが淡々と目の前の自分に与えられた場所の雪かきをしている。世界を変えるとかイノベーションとかそういうことではなく。世の中ってそういうもんだよな、こういうのって大事だよねと思いながら、自分の与えられた役割の中で雪かきをしていました。
雪かき自体に価値があろうとなかろうと、基本的には面白くない。ですがアイデアで効率化可能なところや資本を投入するとより大規模に雪かきができ、その過程に面白さや満足感を得ています。今はそこの部分を考えて雪かきができればそれで満足です。

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私は自分の欲しいものは特になく、強いて言うとしたら日々を楽しく満足できるような生活ができたらいいなと思っています。その状態は何かと考えていたのですが、それが文化的雪かきをしている状態が近いなと感じ、やっと言語化できてきたなというのが最近の発見です。あまり理解されないかもしれませんが、それはそれでいいです。
今後も雪かき思想で生きていこうと思っています。皆さんももしよければ雪かきしてみて下さい。きっと誰かの歩く道がきれいになり転ぶ可能性が少なくなると思います。そこに意味や価値があるかは知りません。

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その他ですが、ずっと決めかねていた次の次の一手が決まり、それに向けて動くことができるのが非常にうれしく思います。また何か始めるときはお付き合いいただけますと幸いです。

来年もよろしくお願いいたします。

20201224_小川陽平

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