ペルソナで決まるver3

BtoBマーケティングはペルソナで決まる。

#SaaSLovers バトンブログ企画の11日目は才流(https://sairu.co.jp)でマーケティングのコンサルタントをしている小島(@yooheykoji)から、BtoBマーケティングにおいて最も重要な、ペルソナ設計についてアウトプットさせていただきます。

BtoBのマーケティングについてお悩みの方は、是非、気軽にご質問・ご相談ください。可能な範囲で回答させていただきます。
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​ペルソナとは

ペルソナ(persona)とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティング関連において活用される概念です。実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。(引用元:https://ferret-plus.com/8116)

一般的には上記のように、個人の属性や趣向性を指すことが多い「ペルソナ」という言葉ですが、購買目的がはっきりしているBtoBのマーケティングにおいては、「誰の」「何を」解決するサービスなのかを言語化することを強くお勧めします。

ベンチャー・スタートアップの9割以上はペルソナを言語化していないと思いますが、下記2つの理由からBtoBマーケティングにおいて必須事項であると考えております。

ペルソナが重要な理由①
最適なマーケティング戦略を立案できる

ペルソナを言語化できておらず、「誰の」「何を」解決するサービスなのかが不明確なため、マーケティング戦略がバラバラというケースは非常に多いのではないかと思います。同じサービスを販売するにしても、ペルソナによって購買行動が大きく異なるため、最適なマーケティング戦略も変わってきます。

Aさん
・設立10年未満のベンチャー/スタートアップに所属
・「攻めの部署」に所属(例:エンジニア・マーケター・営業・人事など)
→主体的に情報収集を行うため、SNSオウンドメディアなどの施策がはまりやすい。お役立ち資料も非常に有効。
Bさん
・大企業やレガシーな中小企業に所属
・「守りの部署」に所属(例:経理・総務・情報システム部など)
→Aさんに比べると主体的な情報収集は少なく、手紙や郵送DM、勉強会、展示会、アウトバウンドなどのオフライン施策が有効。リスクを避ける傾向にあるので「安心感」を訴求すると効果的。

こういったペルソナの特徴を加味せずに「オウンドメディアをしよう」「SNSで発信しよう」と手段ありきでマーケティング施策を進めてしまうと、思ったような成果に繋がらないケースが多いように感じます。

ペルソナが重要な理由②
社内メンバー、社外パートナーと共通認識ができる

ペルソナを言語化し、社内メンバー・社外パートナーと共通のペルソナ認識を得ることで、下記のメリットが生まれやすくなります。

・LPやサービスサイトのCVR向上
多くのBtoBサイトが機能説明やサービス特徴に留まっている原因の1つは、ペルソナを言語化できていないことによって「誰の」「何を」を解決するサービスなのか、が定まっていないからではないかと考えています。実際に、私が支援した某業務改善ツールでも、ペルソナにとっての具体的なメリットをLPに反映することでCVRは2倍に跳ね上がりました。

・効果的な広告の配信
広告運用を外部委託している場合にもペルソナが役に立ちます。運用者がサービス内容を熟知していない場合でも、リスティング広告のキーワード設定の精度を上げられますし、facebook広告やGDNやYDNのターゲティングの場合も同様です。無駄な広告を排除し、機会損失を防ぐことに繋がります。

・最適なコンテンツの企画立案
ペルソナが興味を持つ内容は何かという議論が出来るため、セミナーやホワイトペーパー、記事作成時の企画立案にも有効です。

・他部署との連携がスムーズに
先日、赤司さんの「スタートアップSaaSの売上責任者の立ち回りについて重要だと思う6つのこと」の記事でもあったように、顧客とのコミュニケーションに一貫性を持たせることが非常に重要です。ペルソナを言語化しておくことで、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの各部署において、一貫性を持ったコミュニケーションが取りやすくなります。

ペルソナは最低5項目

最小のペルソナver2

複雑なペルソナは必要ありません。最適な項目はサービスによって異なりますが、最もシンプルな場合には「企業規模」「業種」「役職」「課題」「実現したいこと」の5項目。これだけでも揃っていれば充分に、マーケティング戦略や、関係各所への共通認識の役に立つかと思います。

ペルソナは複数設定しよう

ペルソナは1つではなく、複数設定します。BtoBの場合、購買プロセスに複数人が関わることが一般的で、特定のペルソナのみを対象とするケースはほとんど存在しないからです。また、企業規模によっても「課題」や「実現したいこと」は変わってきます。例えば、才流のマーケティングコンサルティングの場合だと、「マーケティング担当者」「マーケティング責任者」「事業責任者」などの役職や、企業規模に応じて課題や実現したいことが異なるため、別のペルソナとして把握する必要があります。

ペルソナは50点でいい

もちろん、的確なペルソナ設計ができることに越したことはないですが、考えれば考えるほどハードルが上がってしまい、言語化するのが非常に難しくなります。あくまで私のイメージですが、「精度は50点でいいから言語化した方がいい」と考えています。言語化することで議論の土台となり、徐々にブラッシュアップしていくことができれば問題ない、と思っています。

ペルソナの材料①「CRMのデータ」

CRMに蓄積された「定量的なデータ」がペルソナ設計の出発点になります。どれだけ多くのデータが蓄積されているかにもよりますが、まずは現在の既存顧客にどのような「業種」「企業規模」の割合が多いのか、アプローチする「役職」によって受注率の開きはあるか、解約率やLTVに大きな差異が生じるケースはないか等の分析していきます。CRMのデータが全く整備されていない場合は、1件1件フラグを立てながらデータを整備したケースもあります。CRMのデータはマーケティングにも必要不可欠なので、できるだけ早い段階で整備することをおすすめします。

ペルソナの材料②「営業現場の感覚値」

定量的なデータ分析だけでは、ペルソナの「課題」や「実現したいこと」は把握できません。才流でコンサルティングを行う際は、トップ営業マンへのヒアリングや営業同行を通じて、ペルソナの「課題」や「実現したいこと」の解像度を高めていきます。そこから、ペルソナを仮説立てして、仮説に沿ったペルソナをオンラインで募集し、仮説の確認とペルソナの深堀をしていきます。

ペルソナに優先順位をつける

ペルソナの優先順位

複数設定したペルソナに対して、マーケティングでアプローチしていく優先順位を決めていきます。その際に最も注視するのが、LTVです。前回の「THE MODEL組織の落とし穴。LTVを踏まえたペルソナ設定の必要性」でもご紹介したように、LTVが高ければ、マーケティングの打ち手は大幅に増えるからです。その他、受注率や対象人数などの要素を踏まえて、ペルソナの優先順位をつけていきます。

ペルソナに応じたマーケティング施策を立案

優先順位の高いペルソナから順に、最適なコミュニケーションチャネルやメッセージの内容を考えていきます。本記事では詳しい施策内容は割愛させていただきますが、「ペルソナAの大手企業の役員にはCXOレター」「ペルソナBのスタートアップのマーケティング責任者にはコンテンツマーケティング」など、ペルソナに応じて複数の施策を走らせる場合が多いかと思います。

まとめ

BtoBマーケティングにおいては、該当するサービスが「誰の」「何を」解決するのかを言語化したペルソナ設定が大切です。

「CRMのデータ」と「営業現場の感覚値」を基に、50点のレベル感で良いのでペルソナをアウトプットしましょう。言語化しておけば普段のマーケティング業務を通じてどんどんブラッシュアップしていけますし、洞察が足りていないなと感じた際はインサイドセールス・営業・カスタマーサクセスを集めてディスカッションするのも非常に良いと思います。

BtoBのマーケティングについてお悩みの方は、是非、気軽にご質問・ご相談ください。可能な範囲で回答させていただきます。
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明日はApp Annieの向井さんに#SaaSLoversのバトンお渡しいたします!引き続き宜しくお願いします!

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