疲労する親指

読めるけど全然書けない。いや、読むこともままならないかもしれない。大学最後のフランス語テストに向けて、苦しむ日々が続いています。

いまぼくが当たり前のように日本語を読み書きできるのは、その昔小さい頃に「読み方」や「書き方」や「文法構造」を覚え再現できるようになったからであって、決して生まれた時からできたわけじゃない。

ただキーボードでの入力に慣れすぎて、自分に書く力が備わっているという事実をすっかり忘れていました。

漢字を覚えている自分に嬉しくなって、しばらくノートに書きなぐっていたくらいです。

キーボードでの入力なら、極端に言えば日本語は「読めれば打てる」。「PCに慣れすぎて漢字が書けなくなっちゃったよ〜」というおなじみの決まり文句は、予測変換というタイピングの性質によって生み出されました。

「予測変換によって漢字を暗記しないで済む」という恩恵は、フランス語にはない日本語の特徴で、その代わりフランス語には「予測変換によって綴りを暗記しないで済む」という恩恵があります。

日本語に対応したJIS型のキーボード。"かな"から"漢字"へ変換する際、多く利用するスペースキーは、その名の通りUS型キーボードの人たちが単語同士のスペースを空けるために打つところです。

JIS型とUS型、どちらの方がこのスペースキーを頻繁に打つのでしょう。スペースキー連打の可能性も大いにある日本語に若干軍配が上がりそうです。

日本人の親指は、疲れているのかもしれません。

山脇、毎日。