『君たちはどう生きるか』を読んで

とある人に勧められて、吉野源三郎さんの名著『君たちはどう生きるか』を読みました。刊行されたのは1937年。ともすればいまいちピンとこないような普遍的な人生観を、主人公である”コペル君”の日常を巡るエピソードを具体的に描くで理解しやすくなっている点が、本書が80年弱、世代を超えて読み継がれている理由であると感じました。


おじさんのノート

主人公である中学二年生の本田潤一、通称”コペル君”は、成績優秀だけど、いたずら好きで、背が低い。そんなコペル君が日々の中で感じるさまざまな疑問について、物語のキーパーソンであるおじさんは自分なりの答えを、大人になったコペル君に向けて「ノート」に書き記します。

そのノートの中には「人生においての問いは、つねに社会科学的認識とは何かという問題と切り離せない」という、強いメッセージが込められています。


生きるとは「どう社会とかかわるか」ということ

この本において最も大きなメッセージは、「人生をいかに生きるかということが、社会を科学的にどのように捉えているかと密接に関わっている」ということ。

もっと言えば、「社会をどのように捉え、その上で、いかに自分が社会に貢献できるかを考え実践すること」だといえるでしょう。

すくなくともぼくは、自分が生きる上で、少しでも社会や世の中に貢献したいと思っています。それは単なる自己犠牲ではなく、しっかりと自分の特性を見極め、”自分を社会に合わせていく感覚”を持っておこなっていく必要があるとも考えています。

自分がやりたいことが、誰にもよろこばれないことだったら、やっぱりさびしいんじゃないかなぁと感じるのです。

「君自身が生きて見て、そこで感じたさまざまな思いをもとにして、はじめて、偉い人たちの言葉の真実も理解することが出来る」
「いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくこと」

ほかにも、本書を通して得られたこのような視点を大切に持ち、「社会実現」に取り組んでいきたいと思っています。


”君たち”に大切な10カ条

物好きであること、誠実であること、謙虚であること、友好的であること、大局的であること、寛大であること、素直であること、勇敢であること、健康であること、豊かであること、幸福であること。

タイトルで”君たち”と呼ばれたぼくたちは、これらの言葉のどれもが人生を生きていく上で大切な心構えであり、常に意識しておく必要があるということを、あらためてかみしめた読書体験でした。

山脇、毎日。