デニムが好きなんです
「自分もデニムが好きなんです!」
イベントの時に、お客さんによく言ってもらえる言葉です。
熱く語ってくれる人たちが履いているデニムは、案外、見た目も値段もバラバラだったりする。980円かもしれないし、3万円を超えているかもしれない。
それぞれにこだわりがあって、楽しみ方があって。それは本来、比べるものじゃない。好き=知識の深さではないし、かけた時間の長さでもない。
とかくファッションにおいてはどこまでいっても個人的で、もっと気軽に思いを伝えていいはず。
でも実際、人に対して何かを「好き」というのは、結構勇気が要って、しかもそれを生業としている相手にだったらなおさらです。僕もそう簡単にできない。
だから、素直に「好き」と言える、デニムのカジュアルさというか、力の抜けたところが本当に好きです。
やっぱり、好きなことについて話す人は輝いているし、聞いていてとても愉快です。温かい空間の中でずっと過ごしていたい。
識者の追及ではなく、ごくごく素朴な好きの交わりから新しい文化が生まれたら、それほど楽しいことはありません。
そんなデニムに携われる人生でよかった。
山脇、毎日。