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山脇、毎日。(3)2017.8〜

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山脇が考えた日々のこと。平日毎日更新予定。
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2017年11月の記事一覧

胸を張ってさよならできるよう

友人の結婚式で、飾ってあった花束をいただいた。

2人の祝福を見届けて幸せの詰まった白い花束は、1ヶ月経った今も僕の家で綺麗に咲いている。

花束を手にしてから変わったことが2つある。1つは、日々の暮らしで美しい花瓶を探すようになったこと。もう1つは、机の上を常に整頓するようになったこと。

寿命ある儚いこの生き物を、少しでも長く美しい形で保ってあげたい。一番似合う容れ物で、一番似合うところに置い

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生きた証のような物語を伝える

「モノを愛着持って永く使うことの楽しさを届けたい」

この言葉を、時には燃料に、時には灯火にして、今日までずっとやってきた。

昨日、花束について考えていたら

「モノって具体的には何だろう」

とか

「このメッセージにはどこにアクセントがあるんだろう」

とか、疑問が次々と湧いてきたので、改めてきちんと言葉に向き合うことにした。

愛着の楽しさを届けたいだけなら、なぜわざわざ自分たちで製品を企

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自分の感情にまっすぐな人が僕にくれた想い

競争嫌いの僕を、自分や他人に本気で向き合わせてくれたのはいつも周りの人たちだった。

幼い頃から勝負が本当に苦手で、「0点」よりも「失格」を好んだ。数字を持って白黒つくのが心の底から怖かった。

人間関係もそうだった。「ライバルと切磋琢磨」なんてできなくて、人から刺激を受けることが全くなかった。

相手に本気で向き合い「正しい方」を決めるのが辛かった。平穏を重んじ、ぶつかり合いを避けた。そしていつ

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カッコつける番がやってきた

NPO法人ETIC.が運営する年間プログラム「MAKERS UNIVERSITY」の第2期を締めくくる一大イベントが11/5(日)に開催された。

第1期生して参加した僕は当時、年間を振り返って最後にこんな言葉を残していた。

MAKERS UNIVERSITYの生徒としての魅力は、なんというか、一言でいうのはむずかしいんですが、ぼくは「個人の価値観を見せ合える場所」なんじゃないかなあと思っていま

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3日間の展示販売が始まりました

「HOME'S」でお馴染み、麹町の「株式会社LIFULL」本社にて3日間の展示販売が始まった。

元から知ってくれてた人、今回を機に知ってくれた人、色んな出会いがあって、また大事にしたい思う人が増えていく。

初めましてから自己紹介があって、まずはEVERY DENIMが何者なのかを話す。どこから来てどこへ行くのか。できる限り短い時間で。

話し終えたら今度は相手の番。そこで口から出る「僕も〜」「

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服を買うこと、手放すこと。

昨日よりたくさんのお客さんが来てくださって、より賑やかになった展示販売2日目。

2年前、EVERY DENIMの立ち上げと同時に誕生した1st modelを大切に持ってくださってた方とお会いできた。

縁あってお預かりすることになったこのデニム。

大切にされて、本当にたくさん履かれたんだなあと実感できる一本を見た時、震えが止まらなかった。

時間もコミュニケーションも、流れに流れていくことに慣

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また会う約束をして

LIFULLでの展示販売最終日。

3日間の中で最も多くのお客さんが来てくださって大盛況の中イベントを終えることができた。

オフィスの中で出店をすることには色々制約もあって、みなさん昼休みの短い時間を使って足を運んでくださったり、来社した社外の方ヘまでご紹介いただいたりと本当にありがとうございました。

固定の勤務先のない僕にとって、3日間決まった時間に同じ場所に居ること自体が新鮮で、貴重な体験

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親子で紡ぐ服の物語

心の底から「欲しい」と思えるモノに出会ったら、なんとかしてそれを手に入れたいと思う。

値段はどうであれ、買える前提で考える。手に届かない価格だったら、どうやったら工面できるのかで頭がいっぱいになる。

これはどうやら父親譲りの性格だと、昔から母に言われ続けていた。僕がずっともらっていた、父が若いころに着ていた洋服も、もしかしたら当時は頑張って買った愛着のある品なのかもしれない。

あまりに父が簡

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常識に怯えた自分へのエール

今期も無事開講「産地の学校」スタディコース。27人の受講生さんと共に、日本の繊維産地とのつながりをつくる4ヶ月の講座。

昨年末の立ち上げから関わり早一年が経とうとしている。受講生の多数を占める、経験豊富なアパレル業界の人たち。

事務局として学校を運営していく中、そんな人たちとの繋がりが増えた。

EVERY DENIMを立ち上げた頃の僕たちは、全く業界との関わりがなかった。だからこそ慣習にとら

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朝は必ず来る

音も光もない深夜。息をひそめてじっと朝が来るのを待つ。

不思議と次第に目が慣れてくる。耳も研ぎ澄まされる。そうなればもう、怖いものはないのだけれど。

真っ暗な中で、じたばたしないのは勇気が要る。光を求めようとする行為は、刹那的に僕を安心させてしまうから。

朝は必ず来る。その時に全力で動こう。

暗闇の中に穢れを捨ててこなければ、日の光に喜ぶ余裕なんて生まれない。

誰にとっても等しく一日があ

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心を温かくして

「心を温かく保つ」

大切に大切に、いつまでも忘れずにいたい言葉だ。

冷えてきたなと感じたら自分から動かしてみれば良い。体と一緒で、適度に温かい方が気持ちいい。

心を動かすというのは「感受性」を意識するということ。ああ、今嬉しいなとか、楽しいなとか、些細な心の動きを掴みとる。大きな刺激が必要な訳じゃない。

ぽかぽかになれば、冷めた人の心を温められる。心の手で優しく触れて、そっと熱を分け合

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思いの伝え合い

日々ぼんやりと考えたことを、iPhoneのメモに記録している。

殴り書きのようなたくさんの言葉は、大体が単語や一文レベルのものばかりだ。

ただ、たまに、質問に答えているような言い回しをしているときがある。

明らかに誰かに聞かれた体で書かれているこの文章は、いつか本当に話したいと思ってメモしたのだろうか。あまり覚えていない。

質問の力というのは偉大で、ユニークであれば、新しい答えを引き出すこ

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どうか引き続きよろしく

とても大きな話が舞い込んできた。まだ確定じゃないけど、興奮で震えがとまらない。

早く工場の人たちに報告したい。「やりましたね!」と喜びを分かち合いたい。

去年テレビの取材が決まった時もこんな感情だった。岡山のみんなに真っ先に感謝を伝えたかった。

3年前、突然現れた、無知で無謀で無力の僕らを、決して鼻で笑わなかった。ちゃんと話を聞いてくれた。丁寧に話をしてくれた。

機会をくれた工場の人たちに

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継ぐことは愛すこと

昨日の夜、フラッと入った中華料理屋に1964年の東京五輪ポスターが貼ってあった。

色褪せた紙の色、哀愁を感じるフォント。50年以上ずっと貼ってあったのだろうか。

この半世紀で(おそらく)店主も変わったはずだ。

2020年になったらあのポスターはどうするんだろう。できれば、そのままにしていてほしい。

時代を超えて続く物事の美しさに触れる最近は、感謝の気持ちが毎日絶えない


物は必ず劣化す

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