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映画「ぼくのお日さま」

監督:奥山大史

雪深い地方の街。言葉がうまく出てこない少年。選手を引退して恋人の地元でスケートを教えるコーチ。コーチのことが少し気になるフィギュアスケート少女。3人が過ごしたある冬の物語。 

「美しい映画」「瑞々しい青春」「心地よいスケート」「あったかい気持ちになる物語」「最高の余韻」などなどの感想が舞ってますね。コンディションか年齢かはたまた性別か、、人によって捉え方が異なる映画なんだなきっと。私にはとっても痛みを感じる映画でした。どうしようもできなかった痛み、手が届かなかったような場所にある痛みですかね。
ネタバレになりそうなので詳しくは書きませんが、人間関係において"あの時はどうしようもなかった"と思い込むしかできない出来事ってある。私にもありました。知らんけど。
誰かが悪かったのか?時代のせいか?いやそうじゃない違う違うそうじゃなぁい♪ただ何かが噛み合わなかっただけなんだ。どうしようもなかった冬があったんだ。でも楽しくて美しいひとときもあったじゃないか。もし歯車が噛み合っていれば違う未来もあった気がする、だからこその痛み。私はこの種の痛みを思い出すと1日落ち込んじゃう気質なので鑑賞後はちょっとしんどかったです。監督の狙いはどこだったんだろう?形容詞一言で表すならどんな映画にしたかったんですか?って話してみたいなあ。

映像は被写体と絶妙な距離が保たれていて整然と美しく、言葉数が多くない登場人物たちの発する言葉は1つ1つが丁寧に置かれたよう。ひと冬という時間はあっさりとして溶けてしまう雪のごとく貴重に思えます。演出とても好きでした。そういえばこの物語はいつの時代なんだろう?って終盤になってハテと考えました15秒くらい。時代設定を分かりよく示さないのも好感持ったんだけど、私が気が付かなかっただけかな?w 時代に関係ない人間関係を大切にしてる映画ってポジティブに受け入れちゃいました。スクリーンが4:3ぽかったのでざっくりと一昔前ですよ〜って暗に示してるのかな?

自分の心が少し落ち着いたら誰かと話したい映画や。1ヶ月後くらいに誰か「田中さんぼくのお日さま観ました?」て話しかけてくれないかな。


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