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コロナとか、Go toとか。田舎の小さな宿が思うこと

困っていることがあります。

それは「まちを楽しむ宿」でいることが難しくなっていること。

私がそもそもゲストハウス(素泊まり宿、という表現の方がしっくりくる)をはじめたのは、宿泊業をしたかったからではなくて、普段の地元をおもしろがってくれる人を呼び込むためのハコを作りたかったからでした。

そんな宿にとっての今の状況は、なかなかどうして難しいです。

経営的に、というより、自分らしくいられないこと、に歯痒さを感じています。

宿として紹介するお店のほとんどは、ガイドブックに載らない、まちの人もよく行く、個人経営の小さなお店です。

お店の方には、観光の方に紹介してもいいかを確認しています。
言葉を濁す方も多くいます。
自然と、観光客向けのお店をすすめることになります。

まちをたのしむ宿でいたいのに、それが出来ない。

工夫の余地はあります。私の努力不足もあります。
まち全体が宿と捉えてやってきましたが、その考えも少しスライドしないといけないなと感じています。


県外の方お断り、と張り紙をするお店の方の気持ちも、

おおっぴらには出さないけれど、できれば地元の人だけに来て欲しいと思っているお店の方の気持ちも、

「僕が県外客だと分かったら、すーっと他のお客さんが帰っちゃって」と寂しそうに笑って教えてくれた観光の方の気持ちも、

そっと席を立ち帰るそのお客さんの気持ちも、

全部、否定できない。


「田舎は排他的」「科学的じゃない」と言われるとちょっと悲しいです。良さと弱点は重なり合っていて、いいとこ取りは、お店の方も観光客もお互い出来ないと思います。


2020年9月15日で、よはくやが生まれてから2年が経ちました。

観光だけではない、ふだんの村上を楽しんでほしい、そのために地元の方がよく行くお店を紹介したい。そう思って始めた宿です。いま困っているのは、願った通りになった証とも言えるので不思議な嬉しさもあります。

変えられないことにとらわれず、変えられることは良い方へ。

軸は変えずに、どんな風に変わっていこうか、試行錯誤していこうと思います。

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