電磁気4 コンデンサーその2 合成容量を死ぬほどていねいに

この記事は


でやろうとしていた台本ですが、実際はまったく台本通りにしゃべれませんでした。もう二度と台本を作ることはないでしょう。
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はいじゃあ今日は、コンデンサーの合成容量についてやってきます。じゃあ行きましょう。
合成容量って言うのは、例えばいっぱいコンデンサーがあったとして、それ遠くから見たら何かしらの電圧で何かしらの電気が溜まってるように見えるわけですよね。てことは、遠くからみると何か一つのコンデンサーが、あるように見えていて、その静電容量のことです。
で、基本となるのは並列の合成と直列の合成で、これらの組み合わせで大概のことはなんとかなるので、まずそれをやってきます。

じゃあまず並列。並列の真髄は、電圧が同じってことです。
これ今電荷の移動が全部終わって安定している状態なんですけど、まあつまり静電気ですよね。で、静電気ってことは、前々回の動画でやったように、導体内部は等電位なんですね。つながってる導線は等電位。
で、コンデンサーももちろん導体ですからここまで等電位。
こっちも同じで、この青いとこ全部等電位なわけです。
これが並列の真髄で、かかってる電位差、つまり電圧が一緒なんですね。これ引くこれだから。で、蓄えてる電気は同じ保証なんてないわけです。静電容量Cが違いますから。こっちC1でこっちC2ならこっちはC1V、こっちはC2Vですよね。
じゃあこれ遠目から見るとどう見えるのかっていうと、Vの電圧がかかってて、Q=(C1+C2)Vの電気が溜まってるって見えるわけです。
てことで、並列の場合、合成容量は、ただそれぞれを足せばいいんですね。3個以上になっても同じことですから。C3Vって電気量がこれに足されるだけですから。
イメージ的には、遠目から見るとこれが一つの極板になって、こういうコンデンサーで、その容量がこの部分、C1+C2,みたいに見えてるわけです。ということでこれが並列。じゃあちょっとこの時点で一題解いてみましょう。


はい。てことでね。スイッチ付き回路です。で、この動画は東大受験生を対象としているので、ちょっと記述式で解答していこうと思います。じゃあ行きましょう。
まず、初めこの状態なんですね。てことはもうここのQがわかって、こうですね。この状態からのスタートです。
で(1)から。S1を開いてS2を閉じる。すると、電荷の移動が終わってしまいさえすれば、繋がってる導体は等電位なので、これ並列になるんですね。てことは合成容量は楽勝で分かるわけです。
じゃあ書いてくと
(動画通り)
はい。てことになるわけです。ポイントは、電圧が同じだったら並列で、合成容量は足すだけになるってことです。
じゃあ次。直列。直列の真髄は、蓄えてる電気量が同じってことです。
こっち+Qだったら、こっちに-Qが現れて、したらこっちは+Qでつりあう、したらここはもともと合計ゼロだったからこっちは-Qで、うまいことこっちと引きあってつり合う、っていうこの状況。これとこれが直列、の意味は、これとこれで蓄えてる電気量同じですよってことなんです。で、遠目からみると、Vボルトの電圧でQクーロンの電荷が溜まってるコンデンサーなわけですね。これ全体がね。
ちなみにこれは、のちのちにやる抵抗回路でも同じで、抵抗の並列も、
これが抵抗だったとして、これとこれが並列の意味は、これとこれで電圧同じですよってことで、これとこれが直列ってことは、これとこれで流れてる電流同じですよってことなわけです。
まあ、ともあれ、じゃあ直列コンデンサーの合成抵抗を求めると、
これC1,これC2として、電気量同じなんですよね。
じゃあそれをQとします。したら、それぞれのコンデンサーで、そこの電気量=そこの容量×そこの電圧、ってなってるわけだから、こっちはこうなってこっちはこうですね。電圧はこっちとこっちでちがうわけです。
で、V1+V2がVだと。てことは、Q=C1V1だったんだから、V1ってC1分のQですよね。で同様にこっちもC2分のQってできて、こう書けるわけです。したら、Vイコールこれですよ。じゃあQをこっちに持ってきて、こう書けるわけですね。Q分のV。したら、こう書けるの分かりますか。
これ大きなコンデンサーだと思った時にQ=CVだったわけですよね。Cを合成抵抗として。なので、Q分のVはC分の1ってできるわけです。
はい、てことで、抵抗が3つ以上になっても同じで、C分の1イコールってやってこのあとにC3分の1が足されればいいんですけど、コンデンサーの直列に関しては、この2つだけのバージョンが圧倒的に重要なわけです。これですね。これ変形したらこうなるんですけど。これが重要なわけです。なぜかっていうと、2つだけのコンデンサーで合成できれば、例えばこれ3つあったときに、3つ一気にこうやって計算したら超大変だけど、まず2つを合成して
したらこれ1個になるから、この2つでまた合成すればいいんです。
こんな感じで、2つの合成のやり方さえ知ってればどうとでもなるわけですね。で、この変形はあまりに重要すぎて名前がついてます。その名も和ぶんの積。和、ぶんの積ですね。これさえ分かってれば何個直列だろうと大丈夫なわけです。
で、実はもう1個、身に着けると圧倒的に有利な話があります。これなんですけど。まあ一気に言うと重要度が分散されてしまうのでおいおいやるとして、今、重要なのはこれですね。
はい、じゃあもうやってみましょう。

はい。てことで、こうやって始め充電されてるんですね。S1だけ閉じてる。ここからS1を開いてS2を閉じた時のC1の電圧を聞いてるんですね。したら、初めこれ直列ですね。こっちに電子移動してここにQ貯まるってことはこっちが+Q。したらここの導線の自由電子も、こっちのプラスに引き寄せられてこうなる。はじめゼロだったからこことここ足すとゼロですね。
今死ぬほど丁寧にやりましたけど、直列だって思ったら一気にこれ全部書いていいです。
で、まあ結局はじめの状態ってこうなんですね。で、合成コンデンサーの式Q=CVのうち、Vがわかってて、Cも求まりますよね。合成容量の式です。和ぶんの積。
したらもうQは簡単に求まりますよね。こうなると。
で、この後S1を開いてS2を閉じるんですよね。そのときにコンデンサーの電荷がどうなるかですけど、これ、この部分、動けませんね。
電気は通常、導体を通ってしか動けないので、ここスイッチ切ったらここの+Q動けないわけです。で、ここのマイナスはやっぱりこのプラスに引かれて動けないわけです。で、他の部分は、「つながってる部分は等電位」なんで、等電位目指して分散するんですね。つまりこれとこれが並列になるわけです。

で、このコンデンサーでコンデンサーの式をたてるとQ=C1V1ですね。
なのでV1は分かって、QをC1で割ればいいからこう。
てことでこれが答え。
で、ちょっと練習のためにC2の電圧も求めてみましょう。
ここ並列ですよね。で、合計で電気量がQ。つまりこれですよね。
で、合成の容量がC2+C3。てことは電圧もわかってこうなるわけです。
並列なんで、これを全体で見た時の電圧と、1個ずつ見た時の電圧って同じなんでそう言うことができるわけですね。
こういう感じで、変化の中で変わらないもの、「保存される」っていう表現をするんですけど、そういうものに注目するわけです。

今やったことは、まず初めに充電されてた。で、ここのスイッチを切るってことは、ここの電気量が保存されるから、初めにここにあった電気量を求めよう。で、直列だから合成容量求めて、合計の電圧をかければ電気量が出る。そしたら、一つ一つのコンデンサーでもここの電気量=これの静電容量×これにかかってる電圧って言う式が成り立ってるから、直列だからこれの電気量はQで同じ。静電容量わかってるからこれにかかってる電圧も同じってことです。
V2の方は、これとこれで電気量がQっていうのがわかってる。なぜならはじめQだったから。で、一つ一つにかかって電圧は、合成したときにかかってる電圧と同じだから、合成したときの式で求めればいい。
ていうことでV2が出たわけですね。
ところで、この問題、超重要な別解があります。
ちょっとさっきのスライドに戻ると、これ、ここの部分。
お気づきになりましたでしょうか。(孔明)
こういう風になったと言うことは、これ対これは、これ対これですね。こうなるから。そう。こうやってV1V2ってあった時に、V1:V2=C2:C1になるんです。直列コンデンサーは、電圧は容量の逆比になるんですね。てことを考えると、これ。ここ直列なんですよね。で、スイッチ切ってもQかわらないんですよね。てことは、Q=C1V1でQ変わらないC1変わらないだから、この初めの状態、この直列状態でのここの電圧を求めればいいわけです。
したら、この電圧ってC2:C1で合計Vなんですよね。
てことはこうです。
こんな感じで、V1だけなら、速攻で求まるんですね。
電圧が変わらないのは、コンデンサーの式から判断してもいいし、Q一定ならE一定の話で判断してもいいんですけど。
まあ、こんな感じで、2つのコンデンサーの直列って死ぬほど出てきますから。多分この先数年の人生で週5で出てくるんで、是非ね、電圧は容量の逆比を念頭に置いて、時間短縮しちゃってください。
てことで今回は、コンデンサーの直列並列の話をしました。
あと2回か3回コンデンサーの話したら、東大過去問に挑戦しましょう。では、また次回。





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