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食日記14:散歩のとき何か食べたくなって――谷根千編

三寒四温とはよく言ったもので
雪が降ったかと思えば
晴れて気温が上がったりして。

そうこうするうちに
お散歩が楽しい季節になってまいりました。

そうなると俄然「谷根千」へ出かけたくなるわけです。

谷中・根津・千駄木の頭文字をとって谷根千。

太平洋戦争の空襲被害が比較的少なく、
その後も大規模開発などを免れたおかげで
古き良き下町の風情が色濃く残るこのエリアは
都内のお散歩人気ダントツなのであります。

たとえば

「串揚げ はん亭」として営業するこの建物は
明治時代に立てられ、関東大震災にも耐えた3階建て住居で
現在は登録有形文化財にも指定されているんだとか。

そういういわれはともかく単純にかっこいい。


それからTVなんかでもよく見るここ。

夕焼けだんだん

写真奥の谷中ぎんざ商店街から
手前の寺町へ上る階段ですが
その名の通り夕日の時間帯にはいいオレンジに染まります。
(写真は加工したものですけども・笑)


路地にある居酒屋の裏にさりげなく

お店で出す干物が準備されていたり、

ものすごく入ってみたくなる洋食屋があったり

むやみに買ってみたくなるシブい飴屋さんがあったりします。


あとこんなのも。

頼りになるのかならないのか……(笑)。


さて、
谷根千の紹介が長くなりましたがここからが本題です。

なんせこういう性分ですから
散歩だろうが仕事だろうが歩いてりゃ目に入るのは
やっぱり飲み食いするお店。

とりあえず持ち歩けるドリンク。

やなか珈琲店のアイスコーヒー。

とてつもなく深煎りで暗黒のような一杯。
濃厚で苦味も強く
アイスコーヒーのくせに喉ごしが悪い(笑)。

ま、これはこれで持ち歩きには適してます。
なんつっても氷が溶けてくるあたりが飲み頃ですから。


お昼にはこんなの。

団子坂 三忠の「たこめし(黒)」 800円
お昼のセット刺身 たこ2種 150円

こちらのお店は「たこ」がメインという珍しい一軒。
お刺身は脚んとこと吸盤のとこの食感の違いが楽しい。

そしてメインのたこめし。

こんな感じ。

持ち上げると、

海苔で黒いんじゃなくてスミで米まで真っ黒
タコスミじゃなくて味優先でイカスミを使用。

ぷりぷりこりこりのたこと
海のエッセンスそのもののイカスミ、
さらに磯の風味の強い海苔が相まって
お口の中は大漁旗がばっさばっさと振られるよう。

磯! 歯応え! もちっ! もういっちょ磯! こりっ!

あらよっと、のわっしょいでもって
ご飯はけっこうな量なんだけど
すごい勢いでかき込んで完食でございます。

ちなみにたこめしには(赤)もあって
そっちはキムチ味なんだそう。

あ、団子坂ってのもまた趣のある地名ですね。
由来は坂に団子屋があったから、
だそうです。シンプル(笑)。


ふぅ。
食後はまたちょっとうろうろ。

しかしふつふつと湧き上がるデザートへの思い。
磯祭りも良かったけど
甘いもんでシメたい……と。

あらわれましたのはこちら。

黄金たいやき 果川家(かせんけ)

ものすごく物腰の柔らかい韓国人のおじさんが
丁寧に焼いてくれてます。

日本から伝わった「たい焼き」は
韓国ではなぜか「鮒」ってことになったようで
鮒パン(ブンオパン)と呼ばれ
ファストフードとしてなかなかの人気とのこと。

そういえば何年か前にソウルに行った時も
ファッションビルで服を買うと
たい焼きくれるサービスがあったっけか。
外の気温は氷点下でめちゃめちゃ旨かった思い出が。

ブツはこんなルックス。

確かに鯛ではない

皮は驚くほどに薄く堅焼きのパリサク。
一方のアンコは日本のよりゆるめで
気をつけて食べないとこぼれそうな柔らかさ。
甘さ控えめで塩っ気が効いたアンコであります。

近所には有名な行列のできる老舗たい焼き店もありますが
個人的には圧倒的にこっちのが好き。
カスタード餡もありますよー。


などやってる間に夕暮れに近づいてきましたので
先ほどの夕焼けだんだんへ戻ろうと思います。

もうちょい歩かないと消化できないもんね(笑)。



※タイトルは池波正太郎のエッセイより借用
 すごくファンなもんでお許しくださいませ


#飯テロ #谷根千 #たこ #たい焼き #コーヒー #散歩

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