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あの子と煙


今となっては何も考えず普通に吸う人になったなんて、あの子には絶対言えない
まあ今更知られることもないんだけど


こっそり喫煙者になってたのが悲しくて、吸うのを辞めて欲しいと言うと辞めると言ったくせに隠していたあの子
別れたくないから辞めると言ってくれたくせに嘘をついてまで吸い続け、仕舞いには吸い殻のように私をあっさり捨てたあの子


まさか今じゃ私が喫煙者だなんて考えてもいないだろうな、というか私のことを考える時なんてないんだろうな
あったら逆に引いちゃうかも
矛盾してるねごめんね


バレてないと思ってたかもしれないけど、君がハイライトを吸っていたことも知ってるよ
バレないように会う日は吸うのを控えてたなんて、今じゃ可愛い話に思える



愛のない嘘はただの裏切り
本当はタバコをやめて欲しかったんじゃなくて、嘘をやめて欲しかっただけなのに
この本当の気持ちを君に言わずじまいだった私も、愛を伝えなかったようなもんだと今じゃ思う


そんな私も成長なのか廃れなのか、あの頃とは変わったよ
まさか私がセブンスターのメンソールを愛煙しているなんて君は知る由もない
君のハイライトグリーンと違って、私のは全然可愛くない緑色

冬の深夜、一人で吸うのが1番美味しい
星を眺めながら今でも無意識に君のことを考えてしまいます
そんな事もし君が知ったら引くよねごめんね




社会人一年目、元気にやってますか?
私を振ってから、ずっと新しい彼女はできていないって聞いたけど今はどう?
君を大好きでいれる人ってやっぱり私しかいなかったんじゃないの? なんてね、なんて



でもねあの頃君は私より嘘とタバコをとった
今じゃ私もタバコを手にとっているけれど
君は永遠にそれを知ることはないし知らないでいてね




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