
32歳になるまでに個人資産1000億円を稼ぐ夢を諦めた話
10年ほど前からずっと、私が周りの人に公言してきたこと。
それが、「32歳になるまでに個人資産1000億円を稼いでフォーブス長者番付『日本の富豪40人』に最年少でランク入りを果たすぞ!」である。
あと3ヶ月と少しでとうとう32歳になってしまう今、もはやその夢は完全に諦めている。
それどころかここ数年は、億円単位の金を稼ぐどころか百万円単位の借金を返すだけで精一杯な自分が恥ずかしくて、この夢はほとんど口にしなくなってしまっていた。
実際のところ、もし万が一何かの間違いが起こって今日の自分が1000億円を手に入れられたとしても、それでフォーブス長者番付『日本の富豪40人』に最年少でランク入り出来るのかどうかは、もはやわからない。
自分がもう情報を追いかけることすら疲れ果てて辞めていたいつの間にかに、記録はとっくに塗り替えられていたかもしれない。
なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。
まず、この夢は自分の可能性を最大限に発揮するための「目標」として、例えば試験で50点を取る目標を9割実現するよりも、100点を取る目標を6割実現する方が高い点数が取れるので、とにかく目標は高いほうが良いというような理由で宣言したものだった。
しかし、目標の1割どころか1%、いや0.1%すらこのままでは全く実現できそうな見込みがないとなると、目標の数値というものはただ自分をダメな奴だと責める嫌なボスになってしまう。
これは最近知ったことだが、学習意欲や成長意欲というものは簡単過ぎず、難し過ぎず、努力すればなんとか叶えられるだろう、というくらいの高みにある目標に対してでないと発揮されないらしい。
それを考えると、自分がいかに無知でいかに自分を過大評価していたかが分かってしまい、なおさら恥ずかしい。
32歳の誕生日を迎えるまであと3ヶ月と少し、やれるところまでやりきるつもりは毛頭ないのが正直なところだ。
夢はでっかく持て、そう口で言うだけなら簡単だし、多くの大人がこれを子どもに言ってしまう。
だが、でっかい夢を本当に実現することは並の人間に出来ることではないのかもしれない。