誰も地雷を踏むつもりはない


10/18(金) 6:01配信 現代ビジネス
ドイツ人はなぜ、今さら「中国の脅威」を警戒し始めたのか

誰も地雷を踏むつもりはない
 9月27日、EUは慌ただしく、アジアとの経済連携強化を目指すための「欧州連結性フォーラム」を開催した。このフォーラム開催の絶対条件とされたのが安倍首相の参加だったという。基調講演も安倍首相。

 メルケル首相はつい最近まで、「中国はドイツにとってアジアで一番大切な国」と言っていたが、EUレベルでは空気は変わり始めている。EUは今ごろになって、中国に対する平衡力として、日本の価値を見直し始めたのかもしれない。

 安倍首相も講演では、「民主主義を封じ、法の支配を重んじて、人権と自由を守る点にかけて不動の決意を共にする者同士」とか、「道ひとつ、港ひとつにせよ、EUと日本が手がけるなら、インド太平洋から西バルカン、アフリカに至るまで、持続可能で、偏りのない、ルールに基づいた関係を造ることができる」とか、中国という名前は出さなかったものの、一帯一路への批判を存分に盛り込んだ。これが、EUから期待された内容でもあったのだろう。

 ただ、気をつけたほうが良い。EUにおける日本の外交的地位が上がることは喜ばしいが、EUの国々は七変化が得意だ。皆、二股どころか、五股か、六股ぐらいは平気でかける。いくら日本の方が頼りになると気づいたからといって、彼らが中国という巨大な市場を袖にするはずもない。

 はっきり言って、今、EUは、難民問題と環境問題でガタガタになっている。景気も冷え込む予測だ。だから、中国に対する警戒は強めても、しかし、皆、その市場には必死で縋っている。地雷を踏むつもりなど誰にもない。そのためかどうか、テレビの主要ニュースでは、このフォーラムのことを一切取り上げなかった。

 去年の7月、李克強首相はドイツの一流新聞、フランクフルター・アルゲマイネ紙に寄稿して、「ドイツと中国が自由貿易の守護者として、世界のお手本になろう」とアピールした。日本人から見れば笑止千万な主張だが、実はドイツには、そうなることを望んでいる人たちが結構たくさんいるような気がする。

 たとえEUと中国が対立するようなことになっても、自分たちだけは中国と特別な関係を維持できると信じている人たちだ。しかも、実際にそれを完全に笑い飛ばせないところがあるから、独中関係は厄介なのだ。

写真が好き、日本が好き
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