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「伝わる」文章を書くために必要なたったひとつのこと

僕がライターとして仕事をするようになって、「伝わる」文章について考えるようになった。

"noteは趣味で書いてるだけで、別にビジネスとしてやってる訳じゃないし"

という人もいるかもしれないが、紙のノートではなく敢えて誰もが見れる「note」という媒体を選んでいる以上、そこには少なからず伝えたい何かがあって、誰かに届いてほしいと思いながら書いているはずだ。

今回、題名に「たったひとつの~」という風に書いたものの、文章を書くときに注意すべきポイントはもちろんひとつだけではない。

気を付けるポイントは多々あるし、内容やシチュエーションによっても様々だろう。

じゃあなぜこのような書き方をしたかというと、良い文章を書くためには、結局ひとつひとつクリアしていくしかないからだ。

注意すべきポイントが10個あったとして、全てをクリアした文章を最初から書こうとすると、まず手が止まる。

良い文章を書くにはたくさん書いて練習しなくちゃいけないのに、手が止まってしまったら本末転倒だ。だからこそ一個ずつ、着実に進んでいくのが一番効率的な方法だと思う。

まずは書いてみて、文章を振り返って、改善する。
その繰り返しが、より良い文章へ自らを押し上げてくれるのだ。

(ひろゆきさんも似たようなことを言っていたので、添付。)

たったひとつのポイント

では、色んな注意ポイントの中から僕が選んだ「伝わる文章を書くために必要なこと」は何か。

それは「形容詞を使わない」ということだ。

形容詞を詳細化・具体化する、
といった方が正しいか。

形容詞とは、皆さん知っての通り
「面白い」「寒い」「美しい」「大きい」
など。

辞書の意味を引っ張ってくると「動作以外で、物の状態や人の感情を表す」言葉のことを指す。

英語だと「It is interesting.」のようなbe動詞の後にくる言葉で、名詞を修飾する品詞だと習った。

とまあ形容詞についての説明はどうでも良くて、伝えたいことは

なぜ形容詞を使わない(詳細化する)方が良いのか?
形容詞を使わない文章とはどういう文章か?

ということ。そのことについて、書いてみようと思う。

形容詞は個人の感情に依存する

テレビのグルメリポートで

「おいしい~」

と言っている芸能人を見て、「どうおいしいんだよ!」と思ったこと、皆さんもあるだろう。

まぁグルメリポートは映像音声があり、具体的な説明がなくても表情声色から美味しさが伝わることもあるため共感しない人もいるだろう。

では、コメントを文章にしてみるとどうだろう?

文章は「文字情報」のみで相手に伝える必要がある。

そのとき自分がどう感じて、どんな光景が広がっていたか。すべてを文章のみで伝える必要がある。グルメリポートで比較すると以下のような感じか。

○○アナはステーキを口にして、「美味しい〜」と言った。
○○アナはステーキを口にした。噛む度に、口いっぱいに広がる肉汁。肉の香ばしさを邪魔しない、程よい甘みと酸味の玉ねぎソースが同時に鼻から抜けていく。口の中で溶けていくお肉をしっかりと堪能した○○アナは、満面の笑みを浮かべて「美味しい〜」と言った。

これは対比が分かりやすいようにしてはいるものの、文章で形容詞を伝えるときには自分たちが思っている以上に詳細な情報を与えてあげる必要がある

相手がその文章から「具体的なイメージ」が浮かんでこそ、文章は伝わっていると言える。

「詳細な情報を与えるって、当たり前じゃない?それは形容詞以外も同じことが言えるのでは?」

と言われればその通りだが、形容詞はより詳細に書く必要があると思っている。なぜなら、形容詞は「現場で個人が感じた感情」だからだ。

形容詞の例

「昨日見た映画、面白かったよ」

このときの「面白い」という感情は、あくまでその人にとって「面白い」ということ。その映画が大衆に、はたまた読み手・聴き手にとって面白いかどうかを表しているわけではない。

要するに、それは「映画を見て始めて分かる」こと。では「見て始めて分かる」映画の面白さを、どうやって文章で伝えるのか?

それは、相手に具体的イメージを喚起させる文章を書くことだ。

あなたが何をもって面白いと思ったのか。
「面白い」と感じたバックグラウンドを伝える。

大事なのは「あなたが面白いと感じたかどうか」ではなく、「あなたが面白いと感じたことの詳細を読み手が体感して、読み手がどう感じるか」だ。

あくまでも感情の主導権は読み手で、書き手はそれを感じてもらうためのフィールドを用意することに徹する。

形容詞は、抽象度が高く使い勝手が良い、というメリットもあるが、人の感覚はバラバラだということを理解した上で、執筆する必要がある。

例えば「寒い」という感覚。

半袖で肌寒い程度なのか、ヒートテックを二重に着込んでも震えがとまらないくらい寒いのか。

「寒い:レベル1~レベル100」まであるとして、今自分が伝えたい「寒い」はどのレベルなのか。それをイメージしやすい具体的な何かを通して伝える。

形容詞は、こちらが使うのではなく、文章の中で読者に感じてもらう

「面白そう」
「寒そう」

良い文章というのは、読者が勝手にイメージを膨らましてくれる文章であると私は思う。

どうせ文章を書くのなら、読み手が楽しんでくれた方が嬉しいし、共感をもってもらえると気持ちがいい。

どうすればこの形容詞が伝わるだろう?

そのことを考え、試しながら、ひとつひとつの文章と丁寧に向き合っていきたい。

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