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スタートアップエコシステム

こんにちは!
渋谷区議会議員森田ゆきです。
今回の記事では「スタートアップエコシステム」について解説させていただきます。

聴き慣れない方が多いとは思いますが、
“そもそもスタートアップエコシステムとは?“といった基礎的な部分から、渋谷区や地県での事例なども踏まえながらご紹介させていただければと思いますので、ぜひご覧ください!
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1.スタートアップエコシステムとは

皆さん、スタートアップエコシステムという言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞きなじみのない人も多くおられるかと思います。
「スタートアップ」とは、新興の小規模な企業のことで、「エコシステム」という言葉は生態系という意味を表しています。

革新的な技術や魅力的なアイデアを持っているが資金力に乏しいスタートアップ企業を、自治体や大企業、投資家たちが育て、育ったスタートアップ企業が大企業として自立させること。もしくは大企業に買収される形になったとき新たなスタートアップ企業を支援する側に立つ、といったことを指します。

つまり、「起業」が生態系のように循環しながら次々と新たな技術やアイデアを生み出していく環境(システム)を作ることが「スタートアップ・エコシステム」の大きな枠組みです。


このエコシステムの推進は都市単位で行われることが多く、起業のもとになる技術を生み出す大学、その技術に投資する大企業、そしてこの支援者・被支援者が円滑につながりを作ることができるように環境を整備する自治体・その他機関、といった主体が都市の中で協力しながらシステムを作っています。日本では、このスタートアップ・エコシステムの推進する「スタートアップ・エコシステム拠点都市」として、いくつかの政令指定都市と東京都を指定し、各自治体で工夫を凝らした政策が行われています。今回はこの中から、魅力的な取り組みを多く行っている福岡県福岡市の例を取り上げ、説明していきます。
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2.福岡県福岡市の事例

・スタートアップ法人減税
福岡市では、主な要件を満たした革新的な事業を行う新興企業に対して、国税の減免措置と併せ福岡市独自の軽減措置として法人市民税を最大5年間全額免除する制度が整備されています。
 
・Fukuoka Growth Next
スタートアップエコシステムの拠点として、コワーキングスペースやシェアオフィス等の設備をもつFukuoka Growth Next(fgn.)を整備しています。
fgn.内に設置されているスタートアップカフェは、漠然としたアイデアを具体的なもにするための相談から人材マッチング、起業してからの会社運営の不安を解消する労働雇用相談センターなどの機能を備え、段階を踏んで成長していく起業家に対する切れ目のない支援を実現します。

以上のように福岡市は、減税措置などの制度的な規制緩和だけでなく、相談体制の充実など、様々な面で支援を行ない、起業しやすい街としての地位を確立しつつあります。
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3.展望

日本でスタートアップ・エコシステムの取組が始まったのはここ数年のことなので、まだまだ未完成な状態だと言えるでしょう。提唱こそ政府でしたが、「エコシステム」の名の通り、このシステムに関わる様々な主体が生態系のように相互に関係しながら、魅力的な技術やアイデアが次々と生まれてくるような都市が作られていくことを期待したいです。

参照
「日本のスタートアップ・エコシステムは形成されたのか—主要国と比較した日本の強みと弱み—」伊尾木智子,2019,地域・分析レポート,日本貿易振興機構
(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/19eb953238275f11.html)
「シリコンバレーのベンチャーエコシステムの発展:「システム」としての体系的理解を目指して」岸本 千佳司,2018,AGI working paper series 2018-3
(https://agi.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=164&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1)
内閣府HP 統合イノベーション戦略
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/index.html)
福岡市特区プロジェクト公式HP
(https://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/kikaku/fukuoka_tokku_top.html)
fgn. 公式HP
(https://growth-next.com/facility)
九州大学起業部
(http://qdai-startup.com/)

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令和2年度第2定例会にて、渋谷区のスタートアップエコシステムに向けて補正予算が可決されました。いよいよ渋谷区も動き出します!スタートアップ企業が、渋谷区の発展にどのように寄与していけるか、注目ください。
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目的
これまで日本のスタートアップ業界をリードしてきた渋谷。
新型コロナウイルス感染症に伴う未曽有が起こる今こそ、国際的なスタートアップ・エコシステム都市へと成長し、困難な社会課題を解決する画期的なイノベーションを生み出す街を目指していく。

経緯
渋谷区では、令和元年12月、渋谷区コンソーシアムを立ち上げスタートアップ企業の実態調査を行い、令和2年2月には、内閣府による「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市」プログラムに応募するため、東京コンソーシアムに参加し、スタートアップ支援事業を開始に向けて準備を進めてきた。一方、令和2年、新型コロナウイルス感染症の拡大は、投資を元に事業を行うスタートアップ企業にも大きな影響を与えており、多くのスタートアップ企業は存続の危機に立たされている。そこで、本区では、迅速にスタートアップ企業を支える環境を整え、渋谷に国際的な人材、投資、企業、研究機関が集まるよう、スタートアップ集積地としての渋谷を世界に発信していく。

実施事業とスケジュール
(1)プロモーション事業
  ⇒令和2年8月:ホームページ等開設
(2)環境整備事業(オフィス賃貸等支援策の検討委託)
  ⇒令和2年8月:オフィス賃貸等支援策の検討委託開始
(3)渋谷区の課題解決に活用できるスタートアップ発掘事業
  ⇒令和2年11月:課題解決型プレゼンテーション、イベントの開催

補正予算
25,873,000円
内訳:委託料 22,063,000円
       ホームページ、オンラインイベント、不動産支援、検討委託
   報償費 2,160,000円
       イベント運営、区調整、アドバイザーの経費
   使用料 1,650,000円
       スタートアップ調査。スタートアップを取り巻く環境を理解する、現状把握の情報収集

補足情報
◎スタートアップ企業のデータ提供先:イニシャル社 
スタートアップデータベースをWeb上で発信しているプララットフォーム
イニシャル社は、資本金・投資情報・企業情報、1万5千の投資会社のスタートアップデータあり。
◎渋谷区は、スタートアップ企業23区内で第1位(1651件)
12月にキックオフしましたが、コロナを機に動きが止まっていました。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/consortium.html

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≪用語解説≫
※CVCとは、コーポレイトベンチャーキャピタル
事業会社が自己資金でファンドを組成し、主に未上場のベンチャー企業に出資や支援を行う活動組織
※VCとは、ベンチャーキャピタル
新しい技術や独創的なアイデアで市場を切り開こうとするベンチャー企業に資金を提供する機関。

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http://goyuki.tokyo
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