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[Supership論考]M&Aと新規事業で組成された複数事業体のグループ経営について

2018年12月にSupershipホールディングスに入社して、1年以上経過した。実に色々な出来事や物の見方、人に出会って、学びしかない。監査法人、FASにいたら見ること、感じること、考えること、そして、行動することのなかったことに溢れている。

今一度、会社を見つめ直している

しばらく、noteをお休みしていたが、色々なインプットがありすぎて、筆を取れなくなってしまっていたのかもしれない。別に整理ができている訳ではないのですが、少しずつ断片を言葉に落とすことで、整理されることがあるのではないかと期待して、久々にnoteしてみる。

セオリーと現実の狭間

最近、会社で働いていて、頭にあるのは「セオリーと現実のギャップ」だ。

現実として、毎日がせわしなく、目の前にある状態や起ることの原因が本当に遠い昔の仕事に起因しているとも言える状況で、場合によっては対処療法に仕事をせざるを得ないところがある。どこの会社にでもあることかもしれないが、そのような仕事には、実に本質的でない苦しみがあるし、一種の歯がゆさを感じる。

一方で、そのような中で、改善に向けて、メンバーとともに動いている。その時に、改めて考えるのは、冒頭に書いた、セオリーと現実とのギャップの認識だ。ここで実に面白いのは、このギャップが必ずしも、問題であるとも限らないし、課題に繋がるとは限らない。また、一つ一つの物事のギャップを並べても本質的な改善には繋がらず、そのギャップをまた構造的に捉えていく必要がある。

まさに、蟻の目、鳥の目である。

M&Aで形成した複数事業グループの経営の留意点

こんなこと書いていいのかな、とも思うが、よくよく読んでみれば、一般的な話だなと終わる気がするので、書き出してみる。(じゃあ、書く必要があるのか?という話は脇に置いておこう。)

Supershipグループは、KDDIの子会社のホールディングスの傘下に5社の子会社と1社の関係会社がある。そして、このグループの形成はスタートアップのM&Aを通じて行われており、実際のSupershipグループは2014年以降に形作られている。最後に事業面からだと、データを中心に据えながら、複数事業(プロダクト)を展開している。

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このようなグループ経営を行う上で留意すべき点は何だろうかと、最近考えるのが面白い。(ディール自体よりPMIにフォーカスして書いている)

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これらのことを2015年から起算すると、2020年となる今年は5、6年が経過する年である。かなりやることが山盛りだった中、先人たちが取り組んできた状況だ。リスペクト。ちなみに、私が入社したのは2018年で、今年で2年目を迎えている。

この会社を経営する上でのセオリーや現状(ファクトを並べてみました)

▼ リーダーシップの変化

新しいリーダーシップの元、グループが経営されていくフェーズです。

▼ 経営者やキーマンに対するインセンティブ設計

一見、センシティブな話な気がしますが、いや、センシティブとは思うのですが、ポストM&Aの検討論点としてはかなり一般的ですよね。

Supershipでどのような設計がなされているのか、具体的には言及できない(というか知らない)ので、短めに。でも、大事よね。

▼ 組織が急拡大する中でのカルチャー、制度、管理基盤の整備

カルチャーづくりというのは専門外ですが、グループではwevoxを活用するなど、組織の健康診断を継続的に行なっています。実際、月1で人事からフィードバックをもらうのですが、とても参考になります。

また、管理基盤の整備の一旦を担っているのは、ビジネスプロセスデザイン(BPD)室です。

▼ 事業ポートフォリオ経営(単なるセオリーの紹介)

冨山和彦さんが、経産省の審議会で提出している「事業ポートフォリオ経営の重要性に関する意見書」がかなり興味深いです。一般的に言って、複数事業を展開している事業体は事業ポートフォリオ経営(規律・評価・実行)がかなり重要と言われています。本意見書、冨山節が炸裂しております。ご査収ください。

目次(抜粋)
1. 事業ポートフォリオ経営力なしに生き残れない時代の到来
→「両利きの経営」現有事業からの潤沢な営業キャッシュフローこそが未来投資の原資!
2.事業ポートフォリオ経営力を強化するために
→事業ポートフォリオ経営に関わる規律確立(事業×財務≒ROIC、マルチプル、EBIDA)
→組織構造もモジュール化し、インテグラル(すり合わせ)はモジュールの中へ
3.最終ゴールは産業競争力と人々の幸福
→事業ポートフォリオ経営を徹底し、事業再編力、事業トランスフォーメーション力を高めることは、最終的には広い意味で「世のため人のため」に重要

さいごに

改めて、自社を見つめ直してみると、かなり色々な発見がある。

「セオリーと現実の狭間」

どこにどのような狭間があるのかを整理するだけで、会社の理解が深まる。

自社がどのような特性を持っているのか、社会・業界のトレンド、競合、向き合っているイシューとその変化。それらを並べるだけでインサイトはあるし、仮にそのインサイト(仮説)を持って、業務に当たるだけでさらなる発見の連鎖が期待できる。

簡単なSupership論考でした。(軽い論点出し)

ちなみに、このnoteの元になった連続ツイートは以下リンクです。ご覧ください。

[Profile]
宮澤佑輔 | Supershipグループ 経営戦略本部 ビジネスプロセスデザイン室室長・事業管理部部長 | 監査法人、会計事務所、KPMG FAS(M&A/Strategy)等を経て現職 | 公認会計士 ヨガ講師資格保有

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