英語の発音は必然的に混合言語 lingua franca 的になる
ちがう言語の話者が長期的に接触すると、混合言語が生まれることがある。これを lingua franca (リングア・フランカ)という。
lingua franca (「フランク族の言葉」)は、東地中海のレバント地方で使われた、イタリア語、フランス語、ギリシャ語、スペイン語が混合した言語。
そこから一般に混成共通語、仲介語といった意味でつかわれるようになった(研究社『新英和大辞典』)。
lingua franca には、クレオール Creole とピジン pidgin の二種がある。
世代を超えて伝承されて母語になったらクレオール、そこまでいかない臨時の言語ならピジンという。
いまや英語が国際語 international language になりつつあるが、英語は特定の地域で形成された自然言語なので、語彙と文法は元の英語を基準とすることになる。
しかし、人間はみな骨格がちがうし、母語のちがいが発音に影響するので、発音の面では複数言語の傾向が入り込む。
だから英語の発音は必然的に混合言語 lingua franca 的になる。
英語ネイティブのなかには、外国語風の発音による英語を "extra-cultured" と感じて、羨ましがることさえあると聞いたことがある。
そういう意味では、自分の発音が英米風でないからといって、ダメと感じる必要はない。
近代英語500年で発達してきた標準的な発音をお手本にするかどうかは、個人が決めればいいと思う。
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