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economy は「イカナミ」

学生の多くは音読好き。何年か学生の音読を聞いていて、「こうしたらもっと発音がよくなる」効果的なツボがあることがわかってきた。

そのひとつは、つづり "e" の読み方である。

アクセントのあるつづり "e" は、日本語の「エ」に近く読んでよい。egg, pension など。

ところが、religion, perfect(形容詞)のように、アクセントのないつづりの "e" は、原則として /I/ (イとエの中間)と読む。「リジュン」「プーフク(ト)」に近いのが英語である。

これを「リジョン」「パーフクト」のように読むと、ゆるい母音がはさまれた感じがして、リズムが崩れる。

じっさい、口に出してみると、「リリジョン」「パーフィクト」のほうがきびきびして言いやすいので、やってみてください。

これは、英語の母音の発音が、全体に上寄り(舌根が上がる)に移行した「大母音推移」(1400~1600年ごろ)と関係があるのだろう。

...

ところで、なぜ日本人は、つづりの "e" をすべて「エ」のように読もうとするのだろう。

思い当たるのは、小学校で習うローマ字の影響。

ローマ字は、日本語をローマ字で表記するために考案されたもので、「え」の段は、e にはじまり、ke, se, te, ne, he, me, re, ge, ze, de, be, pe, とつづる。

日本の子どもはこのつづりを見て、「え、け、せ、て、ね、へ、め、れ、げ、ぜ、で、べ、ぺ」と読む練習をするわけである。

これが英語のアルファベットの読み方に影響を与えているのだろう。

he, me, be を、英語では「イ」に近く読むことは、誰でも知っている。

wanted  は、ワンテ(ド)。

economy は、カナミ。

アクセントのないつづりの "e" を「イ」風に発音するだけで、英語の発音はぐっと本格的になる。

ぜひやってみてください。

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