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働き盛り世代の初めての補聴器選び

32歳で補聴器レビュー。

補聴器レビューのきっかけは、先生のススメでした。その時は、まだギリギリ軽度な聴覚障害くらいの聴力。右耳は、50db、左耳は、30db程度。何とか頑張れば補聴器なくても聞き取れるそんな感じでした。そんな時に、主治医の先生が、早めに補聴器を使い始めるように私を説得してくれました。当時の聴力であれば、まだ、音を聞き取る力が残っているのでしっかり補聴器の音に慣れられれば、今後悪化しても音をしっかり聞き取れるようになる可能性が高いとの事でした。
今後さらに悪化する可能性を自己認識していた私は、補聴器の装用を決意しました。

とにかく目立たない、それが最優先でした

当時32歳の私には、補聴器を装用している事を周りの人に知られたくない、そんな気持ちを強く持っていました。初めての補聴器選びは、ひたすら目立たない事を追求した補聴器選びになりました。
そんな私の補聴器の候補は2つ。耳穴式か、小型の耳かけ(RIC)のどちらかでした。働き世代で初めて補聴器を選ぶ人の多くは、同じ問題に直面するのかと思います。

補聴器は5年程度使うという前提で選ぶ

補聴器は非常に高価になりがちで、性能面を色々考えていくと両耳で50万円〜の予算が必要になります。一般的に補聴器の耐用年数は5年程度と言われています。価格の高さを考えると、耐用年数ギリギリまで補聴器を使うのが一般的だと思われます。これが補聴器選びで重要なポイントです。
聴覚障害は多くの場合進行性なので、5年後には今より聴力が悪化している可能性が高いです。小型であることを優先しすぎて、補聴器の対応できる音量が今の聴覚と近いと、5年後の聴力がその補聴器の性能を上回っている可能性があります。なので、性能にはある程度のゆとりが必要です。
耳穴式のCICと耳かけ式のRICで迷っていた私は、5年後の聴力を想定し、RICを選択しました。そして、4年後の私の聴力はCICでカバーできる範囲を大きく超えているので、私のその時の判断は正解でした。

Bluetoothの有無に悩む

RICに決めた後の私の次の悩みは、Bluetoothの有無。Bluetooth付き補聴器を現在使っている私が考えるPros/Consは下記です。
Pros:
1) 補聴器をイヤホン代わりに使えるので、音楽とかを楽しむことができる。
2) 聴覚障害者が一番苦手な電話の声が補聴器に直接入ってくるので、電話ができるようになる。
3) iPhoneを補聴器のリモコンに使えるので、音量を合わせるのに補聴器本体を触る必要がない
Cons: 
1) とにかく電池の減りが早い。
2) 以外と接続が安定しない場合があるので、大事な時に限って接続が途切れたりする。

実は当時補聴器初心者だった私は、電池の持ちを必要以上に気にしてしまい、Bluetoothなしの補聴器を購入しました。その時の電池に対する懸念は、
1)電池代がバカならないのではないか?(この問題は、amazonで信頼できるメーカー品が安く売られているので意外と簡単に解決)
2)補聴器の電池を忘れた日に電池が切れたら悲惨な状況になるので交換頻度が少ないに越したことはない(今まで4年間で補聴器の電池が必要な時に手元にない経験は2回のみ。そのうち1回は近くの家電量販店に駆け込んで解決しました。)
上記の経験を踏まえ、補聴器3年目で購入した2台目の補聴器でBluetoothありを選択しました。

補聴器を使っている事が気になるのは最初の1年

最初の補聴器でRICを選んだ私ですが、丸2年使って買い替える事になりました。その時選んだのは、RIC補聴器の倍くらいの大きさのあるBTE補聴器でした。

そもそBTEとRICの違いを説明します。
BTEは誰もが補聴器と言って思い浮かべる耳の後にそれなりの大きさの補聴器をつけるタイプの補聴器。本体にマイクとアンプ、スピーカーが内蔵されています。
RICは同じ耳かけでも一般的に思い浮かべる補聴器と比べると本体がとても小さい補聴器です。そのカラクリは、本体に内蔵されるのはマイクとアンプのみで、スピーカーは耳の中に入る仕組みになっています。したがって、耳穴の中に入る部分の大きさがBTEに比べて大きくなります。
実は、耳穴が人より少し小さめな私には、このRICのマイク部分が耳に入る構造が違和感でしかなく、補聴器を丸2年使っていると、小さい補聴器の方が良いという感情よりも、耳の中の違和感を減らしたいという感情が上回るようになりました。

何より大事なポイントは、補聴器をつけても元の聴力に戻るわけではないという点。つまり補聴器をつけても音が聞こえにくい事には代わりないのです。そんな中で補聴器を隠す事よりもさりげなく補聴器をつけている事に気づいてもらえた方が気持ち的に楽という場面に多く遭遇するようになり、1年をすぎた頃には、補聴器を隠す必要性を段々感じないようになりました。

今の補聴器は重度用のものでも目立ちません

補聴器は年々進化しています。進化を繰り返す中で、小さくより高性能にが進み、今では重度の聴覚障害者用の補聴器であっても、ほとんど目立たない大きさになっています。目立たない事にこだわり選べる補聴器のチョイスを減らすのではなく、自分に最もあった補聴器を探す事の方が大事です。

つけ心地と音質の好みはその人次第

補聴器と言われて思い浮かべる形状は多くの人で同じであっても、メーカー毎に、本体の幅や細かな形状は異なり、耳に乗せた時のフィット感は大きく異なります。また、音質もメーカー毎に大きく異なります。私の1台目のスターキーは、雑音をあまり拾わず、割と静かな補聴器でした。それに対して今使っているシグニアは、割と雑音をしっかり拾います。ただその分環境音もきちんと拾うので、音に浸かれる事が多い一方で情報量が多いというメリットがあります。視覚障害との重複障害の私は、耳からの情報量を重視して、シグニアを選びました。
そして、合う合わないは本当に人次第なので、許される限り多くの機種を試してみて、その中からベストマッチを見つけ出す事をおすすめします。

まとめ

補聴器を初めて買われる時には、目先の補聴器を気づかれたくないという感情を抑え込んで、5年後の自身の聴力を想像しながら、ゆとりのある性能を選ぶ事をおすすめします。そして、補聴器の性能は各メーカーで大きく異なるため、1台でも多く試聴して、最高の1台を見つけ出す事が重要です。

勇気を出して購入した初めての補聴器。長く使えるようにメンテナンスはしっかりと

色々悩み、高額なお金を払って初めて買った補聴器。忘れがちなのは日々のメインテナンス。実は、私は4年間で2回補聴器の故障を経験していますが、2回とも原因は湿気でした。ジムに通いしている私の汗が補聴器の中に入ってしまった事が原因です。また、耳の中に入るイヤーモールドは汗で臭くなりがち。そういった要因から補聴器を守ってくれるのが補聴器乾燥機。私は補聴器ライフ初日からずっとIDEX 補聴器専用乾燥器 クイックエイドです。この製品のすごいところは、ただ乾燥するだけでなく消臭もしてくれるので、耳の中で汗をかく事の多い私のような人種には非常にありがたい機能です。また、消耗品(乾燥剤)の価格も安いので、補聴器ユーザーにはとてもありがたい商品です。

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