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「なぜイマXRなのか?」を代表と話してみた

こんにちは、Synamon COOの武井です。

今日は、「なぜイマXRなのか?」というテーマで書いていきます。

VRやAR、MRを包含した言葉である「XR」は、AIやブロックチェーンと同じくこれから伸びてくる先端テクノロジーの1つとして注目を集めています。

しかし、「なぜイマXRが注目されているのか?」と改めて聞かれると、自信を持って答えられる方はまだまだ少ないのが現状ではないでしょうか。

そこで今回は「なぜイマXRなのか?」について、Synamon創業以来、XR業界で5年間以上経営を続けている弊社代表の武樋さんとの社内対談を記事にしました!

現在のXR市場をどのように捉えているかなど、参考になる内容も多いかと思いますので、ぜひご覧ください!

※武井と武樋で名前が似ていてややこしい点はご了承ください笑

武樋 恒(たけひ わたる) (@watarun111
大手メーカー系Sler営業、ベンチャー企業でのWebマーケティングコンサル、個人での海外ビジネス起ち上げ、スタートアップでのコミュニケーションロボット開発などを経験。2016年に株式会社Synamonを設立し、代表就任。

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撮影協力:アマテラス

「XR」をどんなテクノロジーと考えてますか?

武井:まず基本的なところになりますが、武樋さんはそもそも「XR」ってどんなテクノロジーだと考えてますか?

武樋:定義は難しいところもあるんですが、結局は「拡張する技術」だと思ってるんですよね。

例えばVRであれば、別の世界、つまりデジタルの中を拡張していく技術と捉えています。今のデジタル世界は、2Dの画面越しに見ることしか出来ないので、その画面の中に入り込めるように五感を拡張するのがVR技術というイメージです。

一方、ARは現実世界に対して映像や3Dオブジェクトをアドオン出来るという意味で、現実世界の拡張が出来る技術だと考えてます。

デジタルをベースに世界を拡張していく技術の総称がXRであり、XR技術があることでやりたいことや実現したいことがもっと出来るというのがXRの価値かなと。

武井:拡張されて、選択肢が増えた結果、これまで出来なかったことが出来るようになるということですよね?

武樋:そうですね。例えば、物理的な世界では飛行機で空を飛べるようになったことで地球上のどこにでも行ける選択肢が広がったのと同様に、デジタル空間に対して五感を拡張し、選択肢を広げるための仕組みがXRなのかなという考え方ですね。

AIなど他テクノロジーとの普及度合いの違いをどう捉えている?

武井:武樋さんから見て、AIのような他の先端テクノロジーと比べた場合、XRの進展度合いはどう捉えてますか?

武樋:やはり、AIはXRよりは先行している印象ではありますね。なんでAIが先行しているかというと、AIを使うことで明確なメリットを生み出せていることが1つ。もう1つは、使うメリットがあるからこそビジネス的にも大きな取り組みや投資が増えてお金が集まっていること。この2つの要素が相互作用することで、市場自体が大きく拡大している状況です。

それに比べると、XR技術は、徐々にメリットは見えてきてるものの、まだ世界的にAIほど明確なメリットを見出すところまでは至れていないため、広く一般に普及していくサイクルを作れていない段階です。

武井:僕も近い印象で、AIは2012年にディープラーニングが注目され始めたころから市場が出来始めていて、XRよりは3-5年程度先行している感覚ですね。XRは次の3-5年くらいが、今のAIと同じ程度まで伸びるか勝負の時期だなと思っています。

武樋:AI以外だと、ブロックチェーンはXRと市場の状況が近いと考えていて、ビットコインやNFTのような投機的な意味での盛り上がりはあるものの、本質的な価値を出して伸びていくかはこれから次第なのかなという印象ですね。

武井:インターネットも、1999年~2000年頃のドットコムバブルが終わった後に、ようやくAmazonやGoogleが本格的に普及していった歴史を見ると、投機的な波で有象無象のサービスが乱立し、淘汰されていくという流れは、先端テックの宿命なのかもしれないですね。


そもそも3DCGのコンテンツはなぜ今伸びている?

武井:最近、XRの普及を考える上では、3DCGでデジタル世界を作るコンテンツ・ソフトウェアの話と、その世界に没入していくためのデバイス・ハードウェアの話を分けて考える方がいいと感じてまして、それぞれの側面から深堀りしていきたいです。

まずはコンテンツの進化の部分を聞いていきたいのですが、そもそもXRの普及の前に、ゲームを中心に3DCGのコンテンツ自体がもの凄く伸びてるという状況があると思うのですが、武樋さんとしてはなぜ3DCGのコンテンツが伸びてきてるのだと考えてますか?

武樋:いろんな要素はあるものの、コスト面の課題が解消されたことが1番大きいと思いますね。3DCGを作るコストもそうだし、描画するハードウェアのコストも下がってきてます。今だとスマートフォンで3Dのゲームが出来ますからね(笑)

これはガラケーの時には出来てなかったわけで、3DCGに関連する全体のコストが下がったことで、普及を阻む制約が無くなっただけかなと思っています。

武井:プレステのような家庭用ゲーム機やハイエンドなゲーミングPCでしか動かせなかった3DCGのコンテンツが、一般的なスマホやPCでも扱えるようになった結果、ユーザーが増えて、コンテンツも増えてというサイクルが回ったということですかね。

武樋この流れ自体は、ネット動画の普及も同じで、昔は大勢の人に動画を届けるためにはテレビ局に頼むしかなかったという時代から、撮影や編集のハードルの低下、ビューワー側のスペックの進化、通信の改善などが重なって全体のコストが下がった結果として、You Tubeのようなインターネット動画が普及したという話かなと。

武井:3DCGがToC向けに普及してきた一方で、ToB向けについては、プロモーションや不動産などで一部使われているものの、まだ爆発的には普及しきれていないような印象もあるんですが、その理由はどう見てます?

武樋:これも結局はコストの話になってしまうんですが、ToCの場合は個人が自己判断すれば良いだけなので、新しいものに切り替えるコストが安いんですよね。

一方、ToB向けでは、業務で3DCGを使うとなった場合は、ビジネスフロー自体を見直して、会社の仕組みを変えていく前提になるので、新しい技術を導入するコストが全然違うなと感じてます。

武井:そういう意味では、DXも本質は一緒ですよね。プライベートでFAX使ってる人なんてほとんどおらんやろという現在でも、職場や役所ではまだ紙とFAXが使われているみたいなことがあったりして、その理由も業務フローを変えるコストが高すぎるというケースが多い気がしますね。

VR元年は明けたのか?

武井:コンテンツに続いて、デバイスやハードウェアの話を聞いていきたいと思います。XR界隈では、Oculus Quest2の登場によってVR元年が終わり、VR2年目に突入したという話が出てたりしますが、武樋さんの感覚としてはVR元年は明けたみたいな感覚はあったりするんですか?

武樋:まずいつ元年なのかという話はあるかなと思うんですけど(笑)  確実に伸びてはきているものの、今時点だとまだ正直わからないというか、本当に元年を明けていたのかはあと数年経ってみてからじゃないと判断出来ないとは思ってますね。

武井:まぁたしかに、じゃあiPhoneは結局元年がいつだったのかと聞かれると、2007年にiPhoneが登場した年から一気に広がったというよりは、4-5年経って気づいたら身の回りに浸透してたみたいな感覚なので、元年がいつかはよくわからないですもんね(笑)

武樋:iPhoneの話でいうと、日本で初めて発売されたiPhone3Gが出た時に、自分は買わなかったんですけど、それはiPod touchを持っていたから要らないと思ったんですよね。

当時のiPhoneとiPod touchは、電話の機能以外ってほぼ違いが無かったんですが、自分は電話自体があまり好きじゃなくて、当時は携帯のネット回線も自宅の光回線と比べるとかなり遅かったので、iPhoneは使う用途が無いと思って買わない判断をしてました。

少し話は脱線しましたが、VR元年がいつかという議論は、何を基準に元年と言っているのかによって、捉え方が大きく変わるなと思いますね。

なぜ今XRなのか?

武井:今のVR元年の話とも関連して、今アクセルを全開で踏むべきか、もう少しマーケットが伸びてくるのを待つべきか、XR業界はタイミングの見極めが非常に難しいなと感じてるんですが、武樋さんが5年間経営してきて、XRのマーケットが本格的に伸びるタイミングをどう考えてますか?

武樋:これは、XRに限らず先端テック系をやってる人はみんな同じじゃないかと思うんですけど、結局はいつ来てもいいようにずっと準備しておくしかないのかなとは思ってます。
いつ来ても大丈夫なように、準備をし続けることが重要だなと。

とはいえ、XRはもう少し早く来るとみんな期待していたけど、予想よりも来るのに時間がかかっているのは事実だと思いますし、常に準備を怠ってはいけないハードな時期が続いているという感覚はありますね。

武井:たしかに、AIに関しても、今でこそ2012年のタイミングから市場ができ始めたと言われますが、僕が新卒でベンチャーに入った2013年頃はソーシャルゲームの全盛期で、AI企業の話なんて全然出てなかったんですよね。

今、AI領域で代表格のスタートアップとして名前が挙がるプリファード・ネットワークスさんパークシャテクノロジーさんが、あの時期からAIをやり続けていたことを考えると、世間から注目されていない時から潜り続けるのが先端テックでは大事という話なのかもしれないですね。

そう考えると、今からXR業界に張り続けるのは、スタートアップとしては正しい戦略なんじゃないかと個人的には思ってますが、武樋さんはどういう想いでXR業界に挑戦しているんですか?

武樋:自分がなんでXRをやっているかというと、まだ来てないからこそ面白いと思ってるんですよね。

これは武樋個人の思想でもあるんですが、例えばパズルでも、こうやったら解けるなという答えが見えるとつまらなくなっちゃう人間なんです。

その点、XR業界はまだどうやったら勝てるかわからないし、いつ来るかも不明確だからこそ、自分がやる意義があるし、やっていて面白いと感じるので、スタートアップとして新しいことにチャレンジする環境としては良いと思いますね。

武井:いつ来るのか明確に分かるタイミングになると、勝負の質が変わるというか、例えば少し前のスマホ決済サービスみたいに大手を中心とした資本とリソースの殴り合いになって、スタートアップが勝つのが一気に難しくなることもありますよね。

武樋さんとしては、いつ来るかはまだ分からないけど、将来的にはいつか絶対来るとは思ってるんですか?

武樋:XR領域は、Facebookを中心にGAFAMのような世界トップの会社達がかなり力を入れて投資している市場ではあるので、そのレイヤーで見ていくと投資するべき領域だと思われてはいるんですよね。

世界トップクラスの会社が大きく張っていることから逆算すると、XRが今後もずっと来ないという話に蓋然性を持たせる方が難しいんじゃないかなと思います(笑)

武井:シリコンバレーでも「次に来る大きなトレンドは?」という問いには、「GAFAMが投資してる領域を見ろ、以上!」みたいな話はあると聞きますね(笑)

武樋:世界のトップ企業達が巨額のお金を投資した上で、最高峰の頭脳を持つ人達がスマートな打ち手を実行しているので、そこから生まれるテックトレンドは非常に強いとは思いますね。

武井:大局的に見れば見るほど、つまり時間軸をより長期で、かつ世界を含めたよりマクロな視点で見ると、XR領域に張らない理由は無いよねとなるけれども、それが日本で今すぐに来るかはまだ分からないし、分からないからこそ可能性があって面白いということですね。

XR業界に興味がある候補者にメッセージ

武井:では最後に、XR業界に興味がある候補者の方に向けて、メッセージをお願いできますか?

武樋:今日の話にも通ずる部分ですが、XR市場がこれから伸びるだろうという甘い期待感だけだと難しいのかなと思っていて、本当にまだ数年は来ない可能性も全然あるので、やるからにはフルコミットして本気で取り組む覚悟が無いと成功しないと感じてます。

一生XR業界に身を捧げるとかではなく、2~3年間とか期間を決めてチャレンジしてみるのは全然ありだと思うんですが、戦っている領域が答えの無いところに自分達で解を生み出していこうとしている状況なので、勝ち馬に乗りたいだけという人は合わないなと思いますね。

本気でやらないと成功もしないし、そもそも成功か失敗かも分からないと思うので、結局は本気でやるというのが1番重要なんじゃないかなと。

武井:僕はマンガ好きなので、なんかこう、ジャンプ漫画に近い世界観というか、旅の途中では怪我もするし、辛いことやハプニングもたくさんあるけど、その中で本気で挑むことで成長したり、新しい発見があることを楽しむ姿勢が大事というのは、僕自身もやっていて感じますね。

もしこういう価値観に魅力を感じる人が居たら、今のXR業界やSynamonは凄くフィットすると思うので、ぜひお話したいです(笑)!

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というわけで、インタビューは以上です!

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