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怪我でキャリアを奪われたら、何を目的に生きれば良いのだろうという話

前回、脛骨高原骨折したところまでを書いた。
その次にリハビリして、と書こうかと思っていたけれど、初期のリハビリを思い出しているとどうしても具合が悪くなる。吐き気と頭がくらくらするような感じ。だから順番通りでないことは、ご了承をば。

写真は私の好きな街、フランスのリヨン、の観光地っぽくない場所。

ちなみに私は今休職している。
一時は復職して実験や出張をしていたけれど、過労になって心身ともに(そう、精神も壊した)駄目にしてしまった。

これは今現在の私が思っていること。


よく、大怪我をしてから復活した人の話を見ると、「はやく競技に復帰したくて」「帰ったらやりたいことを考えていた」「今の自分でできること、やりたいことを頑張った」とか書いてある。
すごい前向きだ。きっと後悔もたくさんあっただろうに、そんな言葉が振り返ると出てくるのはすごいと思う。私は駄目だった。 先日整形外科の先生とこんな話をした。
「仕事での負荷があっても、それを頑張ればより筋力つくとか、体力つくとかして、リハビリ進むと思っていました」
と私が言うと、整形の先生は
「それが成功する人もいるが、失敗するとこうなる」
と言った。私は失敗した一例であり、“こう”なった人となった。

怪我からそろそろ1年になる。

最近、「そろそろ1年になるから(膝の可動域が)戻るかはわからないですが、頑張ってみましょう」と理学療法士さんに言われることが増えた。
別にその一言は悪くない。むしろ、「治るかもしれない」と先のわからないゴールを設定されて、延々と頑張り続けられるほど、私は強い人間じゃなかった。

結局私ができたのは言われたレベルの、もしかしたらそれ以下のリハビリだった。こうして怪我する前100%に戻れないのも、私が精神的に弱かったせいなのかと、常々思っている。私が悪かったんだろう、と。

私は一応、都道府県内で有名な高校に行って、そこそこの大学に行って、大学院も出た。大学院にいる間、大変な研究室で研究していたし、フランスに研究留学もした。TOEICも870点と少しある。学歴的にも、語学的にも、きっと良い部類だと自分でも思ってた。
そこそこ有名な会社に入った。抜群の部署に入って、みんなから期待されながら仕事を楽しんでた。開発の仕事は身体的に女性はハンディキャップがあったけど、それでも楽しかったし頑張れると思ってた。

けれども初めて行ったボルダリングで落ちて、大怪我してしまった。

理学療法士さんと、もう実験はできないだろうという話をしている。
職場に階段しかないから、1足1段(普通の人が階段を使う様)ができない私にはそれだけで体力的に大きな負荷になる。
出張ができる体力もない。膝が伸びきらないから長距離歩けないし、小走りもできないから体力の戻りが頭打ちになっている気がする。
昔から怪しい左股関節が、骨折した右膝を庇って時折外れかける。

こんな状態だけれど、部署からは以前「もう特別扱いしない。普通の社員と同じように出張に行かせて、同じように仕事してもらう」と言われている。

それはいつか普通の社員と同じレベルに戻ると思っていたからだろう。それか、私が普通にけらけらと笑って生活しているから、そんな辛くないと思っているんだろう。
「今日は調子悪いんです」と辛いから言ったのに、「え、でも普通に歩けてますよね」と真顔で返されたこともある。 素人目の普通歩きは“普通”でないし、足を引き摺らないと歩けないレベルまでいって初めて「調子が悪い」と判断するような人なのかもしれない。

話が少し逸れてしまった。とまあ、部署ではあまり理解されてない気がする。多少なり理解して助けようとしてくれる人もいるけれど、少数も少数。


怪我から1年経とうとしている。“普通”に戻れることなんてないという実感がある。

私は仕事で活躍することを学生時代から楽しみにしていた。そのために一所懸命勉強して、実験も頑張って、就活だって勿論した。

そんな私は今、研究開発の仕事を失おうとしている。総合職として仕事ができないならいらないと、言われてもおかしくない立場だ。

私からキャリアを取り上げたら何が残るんだろう。学歴も、語学も、今のキャリアのために積み上げてきたのに。

スポーツ?残念、できないです。芸術は、って?特に特筆するものもなく。

私が今まで、四半世紀かけて築いてきたものが、その結晶のようなものが、怪我で今まさに消されようとしている。

私は何をして生きていけば良いんだろう。
今までの自分に、どうやって報いてあげれば良いんだ。

2020/11/22 追記
ブログを作りました。新規記事はこちらがメインです


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