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たった一つで世界が変わる!「理屈と膏薬(こうやく)はどこにでも付く」

さぁ、皆さん。執筆作業は進んでいますか?執筆作業に関わらず、何かを作り上げるということはとても重労働です。そんな皆さんに何かを作る際に役に立つ”考え方”について説明したいと思います。

まず初めに、制作活動において最も恐ろしい出来事とは何でしょうか。納期に間に合わない事?それとも作業する時間が取れない事?それらも当然恐ろしい事態だと思います。しかし、私が思うに制作活動において最も恐ろしいことは、スランプに陥ることだと考えています。

何を作ろうにもアイデアが湧いてこない、うまく筆がのらない。自分は作りたい物があるのにどうにも形にすることができない。これはとても辛い状況です。もういっそ死んでしまいたくなるほどに。

そんな状況に光明を与える方法があるとしたら、あなたはどうしますか?藁にもすがる思いで実践してみるのではないでしょうか。………。なんかうさん臭くなってきましたね。じゃあさっそく本題に入っていきましょう。

理屈と膏薬はどこにでも付く


皆さんはこの記事の見出しに書かれている慣用句を知っていますか?あまりメジャーな言葉ではありませんよね、この言葉。しかし、なかなかに興味深い思考方法がこの言葉には含蓄されているのです。ではより詳しく解説していきましょう。

膏薬(こうやく)は所謂軟膏のことを指します。クリーム状の皮膚に塗る薬の事ですよね。理屈は、説明不要ですかね。それでも簡単に説明しておきましょう。理屈とは道理とも言い換えられます。他にもこじつけという意味も存在しています。今回主に使用していくのは後者の意味ですね。

さて、では単語の分析が済んだところでこの慣用句の全体の意味に移っていきます。皆さんは人生で一度は軟膏を使ったことがあるでしょう。その様子を思い浮かべてください。クリーム状の軟膏を指にくっ付け、それを患部に塗布しますね。どれだけ軟膏が垂直な側面に付いたとしても、逆さまに付いたとしても、軟膏は肌から流れ落ちることはありません。軟膏は常に側面にくっ付くことが出来ます。

対して理屈というものも軟膏のようにどこにでもくっ付く性質を持っています。例えば、バタフライエフェクトという言葉は「理屈と膏薬は何処にでも付く」を体現しています。日本で羽ばたいた蝶の風が、裏側の地球では竜巻を引き起こしている。一見前者と後者には全く関係がないように見えますが、その間を理屈でくっ付けてみたらどうでしょうか。

これから話すことは荒唐無稽はお話になりますが、考え方として誇張している部分があることをご了承ください。

日本の小笠原諸島において、蝶が羽ばたいたときにできた風によって極微量の砂埃が舞ってしまいました。その砂埃は小笠原諸島に存在している超高性能気象レーダーのレドーム部分に入り込んで接触障害を引き起こしました。そのせいでデータの数値に異常値が検出されます。このレーダーによる数値を参照して日本では気象をコントロールしています。このレーダーは超高性能なので誰も疑うことをしません。

話はブラジルに変わります。ブラジルのバイオームは亜熱帯気候なので、気象観測システムとして同じ亜熱帯気候である日本の小笠原諸島に存在する超高性能気象レーダーを間借りしていました。

ブラジルは日本の観測データの数値を基本値として気象をコントロールしていました。そんな中で異常な数値が送られてきたブラジルは、しかし、数値を疑うようなことをしませんでした。そのまま演算を行ってしまい、気象コントロールを実行してしまいます。

さて、晴れ晴れとした素晴らしい天気だったブラジルは、異常な気象コントロールのせいで大嵐になってしまいました。日本で蝶が舞っただけなのに、ブラジルでは”無事に”竜巻が起きましたね。

簡単なお話を一つ作ってみましたが、いかがでしたか?現実味はありませんね。でも、きちんとこれは物語になっていると言えます。ジャンルはSFですね。

それでは例示も終わったところで分析に移りましょう。まず事象Aと事象Bを用意します。ここで言うとAが蝶の羽ばたきでBが竜巻ですね。この事情Aと事象Bの間には大きな隔たりが存在しています。私たちがくっ付けるのはこの隔たりに当たります。

A→Bの矢印部分に何が起こっているのか、という部分に着目して考えていきます。→が理屈にあたる部分で、AとBをくっ付ける作用があります。この工程はとても自由が効きます。私はSF調のテイストで攻めていきましたが、ファンタジー調でも行ける感じがしますよね。他にも群像劇風やミステリー風でも行けなくはないとも思います。

「理屈と膏薬はどこにでも付く」の良いところは、書き手の色がとてもよく表現されるという部分です。どんな話の展開が好きか、どんなジャンルが得意か、他にもどのような表現でAとBを繋げるのか、そのような自由が利くのです。

1から100までを順々に書いていくのではなく、1と100を最初からざっくりと決めてしまい、自分なりにその数を増やす作業を行っていく。このような作業が「理屈と膏薬はどこにでも付く」です。

「理屈と膏薬はどこにでも付く」とは便利なツールのようなもので、これを使えば多くの場面で作品制作の一助になります。ゲームのシナリオ制作にも使えますし、問題解決にも応用することもできます。

仮にスランプに陥ったとしても、この方法を使えばスランプから抜け出せるかもしれません。最初は慣れが必要かもしれませんが、慣れてしまえば大きな助けになること請け合いです。皆さんも是非この方法を実践してみてください。


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