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しっぽり。

1 ぬれて十分に湿りけを含むさま。「春雨に—(と)ぬれる」 2 男女の情愛のこまやかなさま。「—(と)語りあかす」 3 落ち着いて静かなさま。しみじみ。 とweb上の…

yk4168
2か月前
3

0401

誕生日は4月1日だ。 あと数年で半世紀だね、と母とLINEした。 いまこうして穏やかに楽しく暮らせるのは、周りのいろんな方々のおかげだけれど、やっぱり両親に感謝する日が…

yk4168
5か月前
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がんばる。

言葉の意味をよく考えてみる、という瞬間がたびたびあるのはかおりさんと会っている時が一番多い。 「大丈夫?」とか 「がんばって」とか 「元気?」とか ごくごく当たり…

yk4168
10か月前
3

才能。

甥っ子中学二年生がバレーボールをしている。 すでに180cmある。 県選抜チームの選考試験には呼ばれたものの、今年度は落ちたとのこと。三年生の来年、またチャンスがある…

yk4168
10か月前
2

観劇。

もう今年もあと2ヶ月になった。 ほぼnoteも覗きに来たりも、書いたりもしなくなっていたけれど、 かおりさんが「ゆかさんも書いてよ。」と言ってくれたのを思い出し(遅い…

yk4168
10か月前
2

短歌の授業をする前に。

教科書で学習したあとに、簡単な創作をさせる。 手順を示したプリントを作成したあとに、 私自身もつくってみた。 ○同僚の先生がお子さんのランドセルを買った話をしてい…

yk4168
1年前
2

ばれんたいんでー。

小学一年生の初恋。 相手は背が高くスラっとしてサラサラ髪、六年生のみつるくんだ。 近所だったけれど話したことはないし、わたしの存在を知っていたのかどうかも怪しい。…

yk4168
1年前
4

書きたいと
せき立てられるように続くのに。

yk4168
1年前
1

can do

can doと言うのと、けんどうと言うのと音が似てませんか。 10歳児が剣道を習っている。 入学した時からだから、もうまる4年になる。 体を動かすことに関して不器用な子で…

yk4168
1年前
2

モノボケ。

授業で使う黒板用の大きな三角定規。 取っ手が付いている透明のものだ。 数学の先生が置き忘れたそれを銃に見立てて友達に向けて「バババババ!」などと言って笑っている。…

yk4168
1年前
2

わらしべ長者。

複数のKPOPアイドルの写真と映像の展示会?とでも言い表せるだろうか、「D'FESTA」というイベントを見学?鑑賞?参戦?してきた。 10歳児がKPOP沼に。 今回好きなグループ…

yk4168
1年前
1

らぶ。

扉を開け、彼は教室側の扉ぎりぎりに椅子を置いて廊下の方に体を向けて座る。 彼女は廊下に立っているけれど教室には入らず、間近で椅子に座る彼を見ている。 別のクラス…

yk4168
1年前
2

無言のたたかい。

朝起きたら置いてあったみかんの皮。 ボールペンで顔が描いてある。 手に取りあげて「ふっ」と笑い声が出た。 ちぎれたみかんの皮をオットの仕事用のカバンに入れるいたず…

yk4168
1年前
2

アドラーなら。

悩みのほとんどが人間関係である、とアドラーは言っている。 倍ほどの歳下の彼との接し方に毎日モヤモヤ感が残り、時に夜中に目覚めては考えだして寝付けなくなるほどだ。…

yk4168
1年前
1

かまどうまへびとんぼ。

最初の勤務地、むかしは僻地と呼ばれる地域で山奥のさらに山奥にあった。 コンビニもスーパーもガソリンスタンドもない。  実家からは車で1時間以上かかる。 電車ではな…

yk4168
2年前
4

カップラーメンとぼく。

遠くの座席から「〇〇さん!」と呼ぶ声がする。 座ったままでわたしを呼んでいる。 用件のある側が、相手のデスクに出向いていって話をするのが、当たり&前、当の然。 だ…

yk4168
2年前
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しっぽり。

1 ぬれて十分に湿りけを含むさま。「春雨に—(と)ぬれる」

2 男女の情愛のこまやかなさま。「—(と)語りあかす」

3 落ち着いて静かなさま。しみじみ。

とweb上の辞書にはある。

それを使うとしたら(あまり言わないけど)
「温泉でしっぽり」わたしはこの一択かもしれない。

期末考査が終わり、夏休みを前にして原爆の詩を扱うことにした。
準備してプリントを作って、授業の段取りを説明していた時

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0401

0401

誕生日は4月1日だ。
あと数年で半世紀だね、と母とLINEした。
いまこうして穏やかに楽しく暮らせるのは、周りのいろんな方々のおかげだけれど、やっぱり両親に感謝する日が誕生日なんだと思っている。
みんながお祝いのメッセージをくれた。

学生時代、司法書士事務所でバイトをしていた時にお世話になった方。山形から岩手まで結婚式にも来てくれて、毎年誕生日にもLINEをくれる。
4年前の4月1日も朝にお祝い

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がんばる。

がんばる。

言葉の意味をよく考えてみる、という瞬間がたびたびあるのはかおりさんと会っている時が一番多い。

「大丈夫?」とか
「がんばって」とか
「元気?」とか
ごくごく当たり前だけれど、使い方や相手によっては難しい場面があるという話が出た。

「がんばれ」があまり良い捉え方をされなくなったのはいつ頃からだろう。
自分はがんばっているのに、がんばれと声をかけられるなんて、まるでがんばっていないみたいじゃないか

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才能。

才能。

甥っ子中学二年生がバレーボールをしている。
すでに180cmある。

県選抜チームの選考試験には呼ばれたものの、今年度は落ちたとのこと。三年生の来年、またチャンスがあるといい。

来月行われる東北地区の長身選手育成の合宿に招集されたそうだ。
そんな合宿があるんだな、というのが率直な感想。そしてそれは名前の通り長身じゃないと選ばれないわけで、上手い下手、強い弱いの前に、まずは「背が高い」ということが

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観劇。

観劇。

もう今年もあと2ヶ月になった。
ほぼnoteも覗きに来たりも、書いたりもしなくなっていたけれど、
かおりさんが「ゆかさんも書いてよ。」と言ってくれたのを思い出し(遅い)、重たいペンを執った。(重くない)

生のお芝居を観るという体験が、普段は眠っているような脳のある部分を叩き起こす気がする。
何かを観ると人間ってすごいと思うのだ。
あの舞台からの観客席のわたしたちはどう見えるんだろう。
大道具を動

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短歌の授業をする前に。

短歌の授業をする前に。

教科書で学習したあとに、簡単な創作をさせる。
手順を示したプリントを作成したあとに、
私自身もつくってみた。

○同僚の先生がお子さんのランドセルを買った話をしていたのをヒントに。

あかよりもうすむらさきがわたしいろ
6ねんまいにち 
いっしょにいこう

ひらがなも数字も夢もつめこんで
桜舞う朝
一歩踏み出す

ランランラン背中の友と歌い出す
黄色い帽子の
小さいあの子

○弟の歯が初めて抜けた

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ばれんたいんでー。

ばれんたいんでー。

小学一年生の初恋。
相手は背が高くスラっとしてサラサラ髪、六年生のみつるくんだ。
近所だったけれど話したことはないし、わたしの存在を知っていたのかどうかも怪しい。
思えば六年生の男子に恋する一年生とは、ややおませさんである。
三歳上の兄は、みつるくんの弟と同級生だったからよく家に遊びに行っていた。
朝の登校班、別の班だったがよく見かける。
頭ひとつ飛び出た彼のランドセルの後ろ姿を目で追っていた。

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書きたいと
せき立てられるように続くのに。

can do

can do

can doと言うのと、けんどうと言うのと音が似てませんか。

10歳児が剣道を習っている。
入学した時からだから、もうまる4年になる。

体を動かすことに関して不器用な子で、
なわとびをただ普通に跳ぶのにも時間がかかったし、ボールの投げ方もいまだに放物線を描くことはなく地面に叩きつけているように見えるし、走るのもめっぽう遅い。
運動が苦手(きらいではない)なわたしから見ても、笑いが込み上げてくる

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モノボケ。

モノボケ。

授業で使う黒板用の大きな三角定規。
取っ手が付いている透明のものだ。
数学の先生が置き忘れたそれを銃に見立てて友達に向けて「バババババ!」などと言って笑っている。
「尖ってるから危ないよ〜。それでモノボケしてみて〜。」と言うと、「えー!せんせーやってーやー。」と手渡される。
即座に「ふんどし!」とやると、「シーン」と言って三人が散って行った。そのあとに大笑い。

そんな彼らはわたしを見つけると何か

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わらしべ長者。

わらしべ長者。

複数のKPOPアイドルの写真と映像の展示会?とでも言い表せるだろうか、「D'FESTA」というイベントを見学?鑑賞?参戦?してきた。

10歳児がKPOP沼に。
今回好きなグループがこのイベントにラインナップされているとのこと。
別のグループが好きなわたしの友達と3人でATCまで行ってきた。

アーティスト9組、総勢69名の写真や手書きパネル展示、コンサート会場にいるかのように編集されたムービー、

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らぶ。

らぶ。

扉を開け、彼は教室側の扉ぎりぎりに椅子を置いて廊下の方に体を向けて座る。
彼女は廊下に立っているけれど教室には入らず、間近で椅子に座る彼を見ている。

別のクラスの教室には入っていけないルールがある。
それをぎりぎり守ったうえで、彼らは授業の間の短い休み時間、移動も考えると10分とない数分間をともに過ごす。

他の子たちは、男子同士はじゃれあって廊下を走っていたり、女子同士はおしゃべりしながら髪を

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無言のたたかい。

無言のたたかい。

朝起きたら置いてあったみかんの皮。
ボールペンで顔が描いてある。
手に取りあげて「ふっ」と笑い声が出た。

ちぎれたみかんの皮をオットの仕事用のカバンに入れるいたずらが、10歳児とわたしの間で流行っていた。
オットは「今日みかんの皮入れたやろ〜!」のような反応は一切しない。
だからこそ余計に
「いつ気付いたんかな」
「お客さんのお家だったりして」
とわたしたちの間では盛り上がる。
「みかん見つけた

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アドラーなら。

アドラーなら。

悩みのほとんどが人間関係である、とアドラーは言っている。

倍ほどの歳下の彼との接し方に毎日モヤモヤ感が残り、時に夜中に目覚めては考えだして寝付けなくなるほどだ。

こうあってほしい、
こうあるべき、
がわたしの根底にあるから起こる葛藤なのだろう、うまく流して適当に(良いさじ加減で)付き合おうと思い直して出勤するのに、また新たなモヤっと案件を放り込まれて帰ってくる、というような日々である。

これ

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かまどうまへびとんぼ。

かまどうまへびとんぼ。

最初の勤務地、むかしは僻地と呼ばれる地域で山奥のさらに山奥にあった。
コンビニもスーパーもガソリンスタンドもない。 
実家からは車で1時間以上かかる。

電車ではなく、一両編成のディーゼル車が1日に3本ほど。
生徒は学校全体で30人もいなかったように思う。

学校付近には小さな商店と、以前民宿を営んでいた家があった。
そこが、いわばその地域の銀座である。

学校のそばに教員住宅があったが、
産休補

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カップラーメンとぼく。

遠くの座席から「〇〇さん!」と呼ぶ声がする。
座ったままでわたしを呼んでいる。

用件のある側が、相手のデスクに出向いていって話をするのが、当たり&前、当の然。
だがしかし、20歳も下の彼がわたしを呼ぶ。

ん??という表情を示したものの、
そっか、パソコンの画面でも見てほしいんだなと思い、重い腰を上げて、彼の座席へ歩く。

「カップラーメンにお湯入れたばっかなんで」
と開口一番。(サッポロ一番?

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