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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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#足関節

足関節背屈可動域制限 ~前方組織の影響見逃していませんか?~

足関節の背屈制限は前方組織と後方組織の両方から影響を受けます。足関節後方組織が短縮していたり、癒着が生じていると足関節背屈時に距骨が後方に動かず(滑り・転がり)、足関節背屈可動域制限が生じます。 足関節背屈可動域制限に関与する後方組織には下腿三頭筋やアキレス腱、長母趾屈筋、Kager’s fat padなどが挙げられ、背屈制限が存在する場合、介入の第一選択肢とされることが多いと思います。 足関節の前方には3つの筋肉(前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋)の腱が存在し、足背動脈と

SEBTの使い方と解釈 ~方法は統一できていますか?~

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足関節捻挫を甘く見てはいけない理由 ~慢性化を防ぐためにできること~

足関節捻挫は日常生活やスポーツ関連障害で最も多い疾患です。基本的には足部が過度に内反することにより、受傷することが多いです。約90%で前距腓靭帯(以下:ATFL)が損傷すると報告されています。 また、足関節捻挫はATFL損傷だけではなく、腓骨筋、短趾伸筋、踵腓靭帯、前下脛腓靱帯、二分靱帯などの筋・靱帯損傷なども損傷することがあります。また、腓骨外果や踵骨前方突起の骨折を合併する場合もあります。 足関節捻挫は受傷率が高く、筋肉、靱帯損傷、骨折が伴うことが多いにも関わらず..

足底腱膜炎と足底内在筋・アライメントの関係性

足底腱膜炎は「人口の約10%に発症する」と報告されており、特に、40~50歳代に多い疾患です。10人に1人の割合で発症すると思うと、意外に多いですよね。 足底腱膜炎の特徴的な症状と言えば「朝一歩目や休息後に足部内側に疼痛」や「踵骨内側突起の圧痛」が挙げられます。この症状があれば、足底腱膜炎である可能性は非常に高いです。 足底腱膜炎は保存療法が基本で、ステロイド注射(短期)、足底腱膜やアキレス腱のストレッチも有効であると報告されており、最近では体外衝撃波も効果的であると報告

足関節捻挫と長腓骨筋の関係性 ~長腓骨筋の機能は低下する?~

足関節捻挫は急性スポーツ外傷であり、スポーツ関連外傷全体の約14%を占めています。足関節捻挫では、前距腓靭帯や踵腓靭帯、腓骨筋、腓骨・距骨・立方骨の剥離骨折など多くの組織が損傷する可能性があります。 足関節捻挫後、静的・動的安定化機構の機能不全が生じると、足関節は不安定となります。足関節の不安定性は、疼痛や可動域制限、足関節捻挫の再発、変形性足関節症に繋がると考えられています。 足関節捻挫は受傷率が高く、筋肉、靱帯損傷、骨折が伴うことが多いにも関わらず...医療機関を受診

慢性足関節不安定症と足部靱帯の関係

足部において、最も多い障害は足関節捻挫です。足関節捻挫は日常生活、スポーツ活動など幅広い生活場面で生じます。足関節捻挫では、足関節外側の安定性に関与する、前距腓靭帯(ATFL)と踵腓靭帯(CFL)が損傷します。 ※豆知識 ATFLは急性足関節捻挫で最も多く損傷する靭帯であり、その破壊荷重は約138Nで、CFLの破壊荷重より2~3.5倍低いと報告されています。 足関節捻挫は軽度な障害と認識されていることが多いですが、ATFLやCFLが損傷すると、足関節の不安定感、捻挫の再発

足底内在筋と歩行 ~安定性と推進力~

人間の進化として一番の特徴は「直立二足歩行」の獲得だと思います。二足歩行を獲得することで、移動に使っていた前足(両手)を自由にすることができ、両手を使って道具を作り、脳を高度に発達させて言葉を話し、文明を築いたと考えられています。 現在は人間が直立二足歩行を獲得するに至った要因として「運搬説」が有力視されています。直立二足歩行を獲得するために、身体の構造にいくつか変化が生じました。 なかでも、人間の内側縦アーチは、他の霊長類や共通の祖先の足部と区別する重要な構造的特徴です

距骨下関節の解剖を掘り下げる

足部には骨が28個(両側で56個)存在し、多くの関節を形成しています。関節が多くあることで、足部の小さな動きを可能としており、不整地への適応や複雑な動きを可能にしています。 今回の記事では、足部に多数ある関節のなかでも、最も重要と考えられている「距骨下関節」の解剖を掘り下げて考えていきたいと思います。 距骨下関節は3つの部位距骨下関節は距骨と舟状骨と踵骨から構成される「距踵舟関節」、距骨と踵骨から構成される「距踵関節」、距骨と踵骨の凹面から構成される「足根洞」の3つからな

足関節底屈位で足趾屈曲運動を実施する理由

皆さんは足部の運動として、どのような運動を実施していますか? 臨床で一番用いられている運動として、タオルギャザーやショートフットエクササイズが多い印象があります。 タオルギャザーやショートフットエクササイズの以外にも多くのトレーニングがありますが、臨床において巧緻性が高いトレーニングが出来る方は限られてきます。 今回は臨床で使用される機会が多いと思われる、タオルギャザーに絞って、記事の内容を記載させていただきます!まず、タオルギャザーの様な足趾のトレーニングを行うとどのよ

CAIに対する介入方法の検討

足関節捻挫を繰り返すことで生じる障害が慢性足関節不安定症(以下:CAI)と考えられており、初回捻挫の約30%にCAIが生じると報告されています。また、CAIは将来的な変形性足関節症に繋がると報告されています。 CAIでは捻挫を繰り返す、ギビングウェイ、持続的な足部の疼痛、自己申告による機能低下などの症状が出現します。また、変形性足関節症となると、”普段の歩行でも足関節周辺に疼痛が出現したり、寝返りにて足首を下側にするだけでも疼痛が出現する”こともあります。 CAIが生じて

足部から考える膝関節の痛み

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足底部痛とFoot core system

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4つの足底内在筋トレーニング ~効果を考えて使えていますか?~

足底内在筋は足部の動的な安定化機構として重要な役割があります。足底内在筋の1つ1つは小さな筋肉ですが、協調して働くことで、足部には欠かせない機能の多く提供しています。 そのため、足底内在筋の弱化や萎縮は足部の機能低下を引き起こし、足底筋膜炎、外反母趾、扁平足、アキレス腱症などの疾患やバランス機能の低下に関連していると報告されています。 足底内在筋の萎縮に関連する疾患発生の予防やバランス機能を改善させるために、足底内在筋のトレーニングが行われることが多いです。 そこで、今

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足関節捻挫による剥離骨折を見逃すな!

足関節捻挫は日常生活やスポーツ活動中に生じる傷害です。しかし、その日常的に生じる障害であるがために、捻挫について軽く考えてしまうことが多いのが現状です。 ですが、中等度から重度の足関節捻挫では、30~50%の患者が受傷後から持続的な疼痛や違和感、足部の不安定性を伴うこともあり、慢性的な症状になる場合も多いです。また、足関節捻挫は再発しやすく、最初の受傷から3年以内に3~34%は再受傷するとも報告されています。 中でも、足関節捻挫の発生率は成人よりも子供の方が高い報告されて