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『スタントマン』 武替道 中国映画 鑑賞記録

2024年11月2日 香港映画祭で鑑賞しました。
映画祭という機会にぜひ香港映画を観たくて。最近、他作品で何度かみたテレンス・ラウ 劉俊謙 が主演!で迷わず選択しました(イケメン大事。定期)

スタントマンを描いた本作、香港映画らしい映画が観られそう!しかも監督と主演2人のQ&Aもあり~のワクワク状態で劇場へー

さて、どんな映画だったでしょうか?
そして生テレンスはどのくらいカッコよかった?!?!

※ 当 noteでは中国語(広東語を含む)の作品を中国映画、中国ドラマとしています。





邦題 スタントマン
原題 武替道 / STUNTMAN
監督 アルバート・レオン(梁冠堯) ハーバート・レオン(梁冠舜)
公開 2024年9月26日 (香港)
広東語
113分

トップ画像 武替道 Instagram




スタントマンの厳しい世界!

アクション映画大好き~!なんて軽々しくいいながら、今まで数知れずアクション映画を観てきたが、この映画で今更ながらスタントマンというお仕事の過酷さを知った。そういえばスタントマンそのものを描く映画は観たことがなかったかもしれない。

ロンはアクション映画とスタントマンという仕事を心から愛する素直な青年だ。演じるは 香港の大人気俳優 テレンス・ラウ 劉俊謙
今や香港のアクション映画にかつての輝きはない。制作費は削られ、撮影は危険回避が最優先され冒険をしない風潮になっており、安全重視のアクション監督、フィリップ・ン 伍允龍 演じる ウェイが業界で幅を利かせている。

とある新規のプロジェクトに、黄金時代を知る古参が抜擢される。トン・ワイ 董瑋 演じる サムである。彼はリアリティを重んじるあまり危険なスタントを強要し、スタントマンに大けがを負わせてしまった過去を持つ。いい画を撮るためには多少の無理や危険も冒す強者。若い頃ウェイはサムの下で働いていたが、今は相容れない関係になっている。

アクションへの熱い思いを持ち続け、何とかスタントの道で食べていきたいと情熱を燃やしているロンは、ある日サムのアクション助監督として働くことになる。しかしこれでもかというくらい身体を痛めつけられるようなアクションを要求されたり、ウェイとそのチームから辛い仕打ちを受けるのだった。

それでも挫けず粘り強く、アクションへの情熱を武器に、一生懸命、真っ直ぐに突き進もうとするロン。思わず感情移入して、頑張れ!と応援してしまう。

ところが、やられっぱなしではないロン。ウリはアクションだけではなかった! 賢く、機転が利いて、優しいくていい人。実はめっちゃいい役。女性の扱いにも慣れてるらしい(笑)この辺り、劉俊謙がピッタリだ。
その持ち前の人間的魅力で、次第にウェイの信頼を得ることに成功する。

ところが今度はサムの方に問題が…
と、いろいろと障害が起こりつつも、新作アクション映画の完成に向けてストーリーは進んでいくのだった。


Q&Aの様子(超ピンボケすみません 汗)左から アルバート・レオン監督、通訳、劉俊謙、伍允龍
香港映画祭は上映後だけではなく、上映前にもゲストが登壇して挨拶をして下さった。観に来た観客を迎える、という気持ちが伝わる温かい対応に、感激だった



もうひとつのテーマ、家族

ソンには一人娘がいる。彼の無鉄砲な仕事ぶりに愛想を尽かし妻が連れて出ていってしまったのだ。時々会うことはあるが、今一つ信用されていない。その娘が結婚することになるのだが、またしても彼は…

ただ、このパートは今一つ流れを遮りがち、且つ長過ぎてテンポを乱してしまうことが多かったように感じた。もう少し控えめにしておいた方が流れがスムーズだったかもしれない。

ロンにも、スタントなんかで生活できないのだから一緒に運送業をやろう、と勧める兄がいる。
それぞれの家庭や家族を、アクションに絡めていく展開は温かみが加味されてよかったと思う。

香港アクション映画の黄金期を取り戻すために危険を厭わないガッツと、命の重さと人間の心を大切にする未来志向がバランスよく描かれていたのも、爽やかだった。

そして最後の見せ場は圧巻! 涙を誘う感動のクライマックスが大変によかった!
ハラハラしたり、笑えたり、終始楽しめる良作だった。



スタントマンとアクション映画への愛

双子のレオン監督兄弟も、フィリップ・ンも、アクション俳優。トン・ワイは香港アクション界のレジェンド。アクション命の神様のような人たちの、アクション映画とスタントマンへの愛で満ちた溢れた映画である。

スタントマンが演じる究極の技は、カッコいい!と血が湧きたつような興奮を覚えるアクション映画のキモだ。

しかし、本編で描かれるスタントマンの過酷なスタントの様子や、エンドクレジットの bts をみれば、実際にはそんなに生易しいものではなく、それこそ血と汗と涙の結晶なのだということがよく分かった。

殴られたり、壁にぶつかったり、階段を落ちたりする時の「痛み」が直に伝わり、スタントマン達への尊敬の念がフツフツと湧き上がってくる。


エンドロールが終わった後、最初に感じたのは

スタントマンさんありがとう!
素敵なアクション映画を楽しめるのはあなた方の身体を張った努力のお陰

という尊敬と感謝の気持ちだった


一番最後にテロップで流れた、アクション映画に輝きを与えるすべてのスタントマンに捧げる(のような意味の文言。うろ覚えですみません)の言葉に胸が熱くなる、素敵な映画だった。

鑑賞した観客の胸にもし、わたしが感じたのと同じ感情が去来したとすれば、この映画の目的は達成されたといえるのかもしれない。
面白かったので劇場公開されるといいなー!



香港映画祭 公式 instagram


因みにQ&Aでの劉俊謙、むちゃ爽やかで長身で、カッコよくてナイスガイだった!! はっきりした顔立ちはどんな演技も映えるな~と。
伍允龍は時々客席に向かってお茶目な仕草で親しみやすい。アクションも披露してくださり、サービス満点!
監督やプロデューサーから映画への想いもうかがえて、有意義な時間だった。
後日時間ができたら、トークの内容も記してみたい。

と思っていたのだが、詳しい記事を見つけたので貼っておく。




気さくにファンと交流する フィリップ・ン


写真撮影に応じる双子の ハーバート・レオン監督と アルバート・レオン監督






香港アクション映画の裏側を垣間見ることができて心温まる映画でした。
それにしても、生テレンス かっこよかったわ!

今日もお読みいただきありがとうございました~。

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