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【読書メモ】「数字で考える」は武器になる

リクルートで29年以上勤められた中尾氏の「数字で考える」は武器になるを読んだ。数字で徹底管理すると言われるリクルート社の考え方を垣間見ることができる1冊だと思う。

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数字で考えるようになると、何が良いか

ROI(Return on Investment)への意識向上 → Speed,生産性の向上
計数感覚の向上 → 儲けるセンス
経営者と共通言語で話せる → 説得力、伝える力

これらが身につく。
数字で考える上で最低限抑えていくことは下記の2点。
・物事を因数分解し、扱うことの出来る小さい単位に分割する
・四則演算を用いて計算する

因数分解と四則演算

因数分解とは大きすぎる課題を小さく分割し、小分けにして進めていくこと。例えば、子どもに自転車の乗り方を教える時、いきなり教えるのではなく「自転車のバランスをとる」×「ペダルをこいで進む」と因数分解して1つずつ教えていく。バランスの取り方を教えるためにストライダーを使うのも合理的だと理解できる。

同様にして「必要なスキルを因数分解し、その中で必須なものに絞り、短時間で習得できるようにする」考え方を紹介してくれている。
一流の人が「1,000人に1人」だと仮定した場合、1/10 x 1/10 x 1/10 と因数分解すれば 1/1,000になるので、10人に1人のスキルを3つ習得すれば良いので努力して一流を目指そうとする気になれるのではないか、ということ。いきなり大きな数字を前にすると途方もない数字でモチベーションが上がらないところを、小さく分割すればコントロール可能になり、達成可能になると考えることができる。このように考えるためにも因数分解と四則演算の力があれば数字で物事を考えることができるようになる。

人を動かすリーダーの数字力

「ビジネスに限らず何かを進めるのは、突き詰めると『人』」である。人に動いてもらうためには数値化、見える化、因数分解、二軸思考などを効果的に活用し、人に行動変容をしてもらう必要がある。事例として転職先でリーダーに就く際に意識しておくと良い数字として下記をあげている。

Day0
 ・新しい職場に就く日までにしておくこと。
Day1 
 ・ 新しい職場に就いたその日にすること。(新しいメンバーに何を伝えるのか)
Day30
 ・新しい職場に就いた後、30日までにすること。(周囲からの信頼、短期成果)
Day100
 ・新しい職場に就いた後、3ヶ月強までに何をするのか。(明らかな成果)

ポイントをまとめると下記になる。

事業の現状把握→自分が何者で何を大事にしているのかをメンバーに伝える→メンバーの特徴を知る→短期で取り組むべきポイントを確認→成果を上げ、信任を得る→長期で成長するための準備をする

この考え方は非常に有効で、現状から先に進めるためのステップを因数分解し、それぞれの場合においての行動に落とし込むことができる。転職が事例となっているが、今の職場で自分が置かれている状況を同じ考え方で分解し、アクションを起こす際にも役立ちそうである。 

自己紹介にも数字を

数字を扱う上での一例でしかないが、何事も数字で示すことでイメージが付きやすいと思わせてくれることがよく分かった。下記の比較を見れば一目瞭然。

自己紹介

まとめ

本書のポイントとしては「四則演算」「シナリオ(仮説、ゴールからの逆算)」「ビジュアル化」「定性情報」「比較」の5つがあるとしている。それぞれが重要なのは理解できるが、その根底にある最低限のスキルは因数分解する力と四則演算なんだろうと思う。

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