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個人アプリ開発者が広告出稿を始める方法

先日、とある個人アプリ開発者さんから広告出稿について質問を受けたので、知っていることを簡単にお伝えしたことがありました。

その結果、

しっかりと成果に繋がったようでとても嬉しかったです。

……と同時に、広告出稿に関する情報を必要としている個人アプリ開発者さんはもっといるのかもしれない……と思い、この記事を書くことにしました。

この記事では、アプリの広告出稿を始めるために最低限必要な手順をまとめていきます。
この手順を実行すれば、個人開発者さんでも広告出稿を始めることができます。

前提:なぜ個人アプリ開発者に広告出稿が必要なのか?

既に広告出稿の必要性を理解している方は読み飛ばして構いません。

個人アプリ開発者に広告出稿が必要な理由は、2つあると思っています。

・最も再現性高くダウンロード数を増やせるから
・継続的にダウンロード数を増やすことが可能だから

アプリのダウンロード数を増やす方法はいろいろあります。

検索上位を狙う、App Store/Google Playのフィーチャーを狙う、バズを狙う、YouTuberに紹介してもらう、テレビで取り上げてもらう……などなど。

しかし、どれも再現性が低く、運まかせになりやすいです。
そして、うまくいったとしても継続させることはもっと難しいです。

一方で広告出稿の場合は、1ダウンロードあたりの収益性が1ダウンロードあたりの獲得単価を上回れば、必ずダウンロード数を増やすことが可能です。
そして、うまくいけばそれを何年も続けることができます。

参考:『君の目的はボクを殺すこと3』でどれくらい効果があったのか?

ふんどしパレードのゲームアプリ『君の目的はボクを殺すこと3』は、今から2年半前の2016年12月にリリースしました。

リリース直後は前作ファンの方に遊んでもらえたものの、リリースから4ヶ月くらいでダウンロード数は頭打ちになっていました。その時の累計ダウンロード数は10万弱。
これ以上ダウンロード数が増えないようでは、アプリの運営を終了しなければならないかな、と思っていました。

しかし、そこから広告出稿を開始したことで、ダウンロード数が回復。
2019年7月現在では250万ダウンロードまで増えました。実に25倍です。

リリースから2年半以上が経った今も広告出稿は継続していて、さらに拡大中です。
この記事を書いている日の前月に、1ヶ月間のダウンロード数・アクティブユーザー数・売上のすべてで過去最高を記録したほどです。

『君の目的はボクを殺すこと3』は広告出稿のおかげで運営を続けることができましたし、たくさんの人に遊んでもらうことができました。
広告出稿はただのビジネス拡大手段ではなく、クリエイターが自分の作品を多くの人に届け、そして作品のライフタイムを何倍にも伸ばすための創作技術のひとつだと思っています。

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さて、それではここからは、広告出稿を始めるために必要な手順を具体的に説明していきます。

①1ダウンロードあたりの収益が200円以上のアプリを作る

広告出稿ではお金を払ってダウンロードを獲得するので、1ダウンロードあたりの収益性が高くないと赤字になってしまいます。

黒字化するためには、最低でも1ダウンロードあたり200円以上の収益はあった方が良いです。

1ダウンロードあたりの収益を高める方法についてはここでは割愛しますが、概要としては次のようなことだと思います。

・必ず課金を導入する
・1ダウンロードあたりの収益が高いアプリを参考にする
・アプリの運営、改善を繰り返す

このあたりはニーズがあれば別記事で詳しく書きます。

②トラッキングツールを導入する

広告出稿をしたことのない人には馴染みのないツールかもしれません(僕もそうでした)が、広告出稿をするためにはトラッキングツールというものをアプリに導入する必要があります。

広告を見た・クリックしたユーザーと、アプリをインストールしたユーザーを紐付けて成果判定をするためのものです。
また、広告経由で獲得したユーザーの売上などを計測することもできます。

一部の広告を除いて、このトラッキングツールがないと広告出稿をすることができません。
(一部の広告とは、Google AdsのAndroidアプリ出稿や、Apple Search AdsでのiOSアプリ出稿などです。プラットフォーマーが自社OSのアプリに提供する広告なので、トラッキングツールがなくてもユーザーの紐付けが可能というわけですね)

トラッキングツールにもいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。
代表的なものをご紹介します。

AppsFlyer, adjust
トラッキングツール最大手なので、ほぼすべてのアドネットワークが対応。
ただし料金は若干高めです。
(従量課金プランだと「広告経由で1ユーザー獲得あたり5円」くらいが相場)
Tenjin
ユーザー数が少ないうちは無料。有料になっても上の二社に比べれば割安です。
課金だけでなく広告収益も含めて売上を計算できるところが大きな特徴なので、課金&広告のハイブリッドマネタイズをする個人開発者には嬉しい。
ただし、Twitter広告など出稿できないところが一部あります(2019年7月現在)。
adbrix
完全無料での使用が可能。
ただしマニュアルが少なくサポートもほぼ期待できないため、SDKの導入が大変。

ふんどしパレードでは最初adbrixで出稿を始めましたが、獲得ユーザーの収益性をしっかり分析したくなったので今はTenjinに移行しています。
そしてTenjinが対応していない一部の出稿先だけAppsFlyerを併用しています。

③出稿先を選択する

広告を出稿できる会社、いわゆるアドネットワークはたくさんあります。

1社に出稿するだけでもそれなりの手間がかかってしまうので、まずはボリュームが大きくて相性の良さそうな出稿先を1〜2社選んで試してみるのが良いでしょう。

ボリュームの大きい出稿先を探すには、AppsFlyerが毎年発表している「パフォーマンスインデックス」という資料を見てみる手があります。
これはトラッキングツール大手のAppsFlyerが発表している、広告ネットワークのランキング資料です。
登録すればここから無料でダウンロードできます。
https://www.appsflyer.com/jp/index

自分のアプリと相性の良い出稿先を探すには、「自分のアプリと似ているアプリ」がどこで広告出稿をしているか調査してみると良いです。
そのアプリの広告を見かけたときに、それがどのアドネットワークで出稿されているものかをチェックしてみましょう。
動画広告の場合、動画終了時のエンドカードを見れば大抵はどの会社かわかります。

ちなみに、ボリュームよりも相性の方が重要です。
その出稿先自体にどれだけのボリュームがあっても、相性が悪いと獲得効率がよくないために多くのダウンロードを獲得することができないからです。
また、獲得できてもユーザーの属性が異なるため、継続率・収益性が悪くなりがちです。

④出稿条件を確認する

出稿先によって、どのタイミングで料金が発生するかが異なります。
代表的なものには下記があります。

・クリックされた時(CPC課金)
・広告が表示された時(CPM課金、CPCV課金)
・インストールされた時(CPI課金)
・インストール後に成果地点まで到達したとき(CPE課金)

出稿先がどのタイプなのかはよく確認しておきましょう。

そしてどのタイプであってもCPI換算で1ダウンロードあたりどれくらいの金額になりそうかは必ず確認しておき、まずは
「1ダウンロードあたりの収益 > CPI」となるように出稿しましょう。

また、出稿先によっては、管理画面に表示されている金額だけでなく、手数料(15%〜20%くらい)や消費税(8%)が追加でかかる場合があります。
管理画面の数字だけ見て黒字だと思っていたら実は赤字だった……ということになりかねないので、最終的に支払う金額の計算方法はしっかりと確認しておきましょう。

その他、前払いなのか後払いなのか、銀行振込なのかクレジットカード決済なのか、円払いなのかドル払いなのか等々も出稿先によって異なるので要確認です。

⑤広告素材を作る

最後に、出稿のための広告素材を作ります。

バナーなどの静止画ならば作るのもそれほど大変ではないですが、動画広告ともなると作る技術がない、外注するコストもかけられない、ということで出稿を断念する方が多いのではないかと思います(これまた自分たちもそうでした)。

いくつかの広告出稿先では、一定金額の出稿を条件に動画広告を作ってくれます。
maioはこの記事でそのことを明言していますし、maio以外でも相談してみたら無料で作ってくれた会社も多かったです。
なのでまずは相談してみましょう。

ただし。
実は「クオリティの高い動画広告じゃないとユーザーを獲得できない」というわけではありません
これは自分たちも出稿をしてみて驚いたのですが、作り込まれた動画広告よりも、プレイ画面をただ録画しただけの動画の方が効果が良いことさえあります。

なので、「リッチな動画広告が用意できないから出稿できない」と考える必要はまったくありません。

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余談ですが、「③出稿先を選択する」と「⑤広告素材を作る」を代行してくれるのが「代理店」と呼ばれる業者です。
手間のかかる部分を代行してくれるのは魅力的ですが、毎月の出稿金額の20%くらいを手数料として追加で支払う必要があります。
よほど収益性の高いアプリでないと、20%の手数料を支払ってなお黒字で広告出稿を継続することは難しいのではないかと思います。

まとめ

「広告出稿を始める方法」として、5つの手順をご紹介しました。

①1ダウンロードあたりの収益が200円以上のアプリを作る
②トラッキングツールを導入する
③出稿先を選択する
④出稿条件を確認する
⑤広告素材を作る

この5つの手順を実行すれば、個人開発者でも広告出稿を始めることができます。
広告出稿に関する情報を必要としている個人開発者さんに役立てていただけたら嬉しいです。

また、この記事では書ききれなかった、

・1ダウンロードあたりの収益を高める具体的な方法
・広告出稿をさらに拡大する方法
・ふんどしパレードで出稿して効果のよかった出稿先ランキング

このあたりについては、ニーズがあれば別の記事で書きたいと思います。
(最後のは公開が難しいかもしれませんが……)

おわりに

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ゲームクリエイター/経営者。スクエニ・DeNAを経てふんどしパレード株式会社を設立。 全世界400万DLのスマホゲーム『君の目的はボクを殺すこと』シリーズを開発・運営しながら、サービス設計やUXについて日々考えています。
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