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劇団、公演のウェブサイトはどうすればもっとよくなるか(3)

前回までは公演のウェブサイトに絞って考えていったのですが、今回は劇団のウェブサイトについてです。ただ、今回はまだ考察中のレベルです(その理由は最後に出てきます…)。

「劇団」を表現するための定義について

「公演」というのは構成している要素が既にある程度定義されています。詳しくは1回目に書きましたので、まだお読みでない方はこちらも読んでいただけると嬉しいです!

一応、劇団についても定義はあります。

見てもらえればわかるのですが、公演のものに比べるとなんとなくしっくりこない感があります。とにかく項目が多いのも理由としてありますが、設立年月日とか、ファウンダーなどの項目は本当に必要?という感じがあります。このような項目になるのは、「劇団」を構成する情報のうち、組織的な情報にフォーカスを当てすぎているからではないかと思います。そのため、やろうと思えば埋めることはできるのだと思いますが、劇団のウェブサイトを作る目的をその劇団の紹介であったり、公演への興味をもってもらうというところに置くと、必要のない項目が多いな…と思うのです。

そもそも「よくなる」とは?

私自身がデザイン寄りの人間ではないというのもあり、「スタイリッシュなデザイン=良いサイト」であるとは限らないと考えています。その理由はいろいろありますが、デザインというのが時代の移り変わりに影響を受けやすいもの(ただし、UIやUXは除く)だからというのが一番の理由です。そうした時代の移り変わりの影響があるものよりも、「必要なコンテンツが充分に載っている=良いサイト」ということに価値観でいます。なので、この価値観自体に異論はあるとは思いますが、こういうスタンスの人が書いている文だと思って読んでもらえるといいなと思います。

だとすると、劇団のウェブサイトにはどのようなコンテンツが載っているのが良いのでしょうか?今回は個人的にいいなと思ったいくつかのサイトを元に考えていきます。それらのサイトの構造図を書き起こしていく中で、共通している要素などを抽出していきたいと思います。(掲載順に特に意図はありません)

1.akakilikeの場合

実は構造図を書いていくことで要素が抽出できるのでは?と思ったのはakakilikeのウェブサイトを見たのがきっかけです。サイトを見ていただければわかりますが、個人的に「これは必要だ」と感じる要素が多く、かつ、わかりやすく配置されています。このサイトの構造図は以下のとおりです。
(ただし、TOPがお知らせの要素があったり、過去公演の写真があったりとそこは少し整理されていないのですが…)

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個人的にいいなと感じたのは「劇評」の部分です。劇評が多く書かれているというのもあるのだと思いますが、過去の公演の劇評がまとめてあるのは初めて見ました。

演劇やパフォーミングアーツの公演は映画などとは違い、形に残すことができないため、劇評というのは作品のアーカイブという観点で重要な役割を担います。劇評の置きどころはいろいろありますが、どの作品のものもフラットに扱っているというのが印象的でした。

2.お布団の場合

お布団も構造的でわかりやすいなと感じたサイトです。

劇団HP.005

第一階層目はあまり項目が多くないですが、その下にいくつかのコンテンツが連なる形になっています。過去の公演については、公演ページに公演写真が掲載されているのはわかりやすいまとまり方だなと思いました。
また、戯曲が公演終了後にも買うことができるのは良いことだなと思いました。今はstores.jpbaseなどecを簡単に作成できるサービスがあり、印刷された形式の戯曲でも(郵送必要ですが)、データでも販売が簡単にできるので作っておくのは良いのかなと思います(たくさん売れるとは限らないですが…)。

3.iakuの場合

デザイン的にはこの3つだとiakuが一番力が入っていると思います。また、構造的にも良く出来ています。

劇団HP.007

iakuで良いなと思ったのは過去の公演に関するページで、当日パンフレットの文章が掲載されているのが良いなと思いました。多くの公演で当日パンフレットを作っていますが、せっかく作ったのに後に残らなくていいのかな?と思っていたので、こうしたものがあるといいなと思います。公演動画は観劇三昧さんの物販のサービスを利用して販売しています。

まとめ

この3つのサイトの要素を元にそれぞれ比較すると、他にはあるがないコンテンツというのがあります。

劇団HP.008

おそらく、それぞれは重要な項目だとは認識されているのではないかと思いますが、時間の問題やお金の問題など様々な課題があって全てを網羅するというのが難しいのではないかと思います。この辺りの実感が私にはないため、まとめ始めると急激にトーンダウンしてしまいます。これが考察中である最大の理由です。最終的には公演に関するアーカイブをどう残していくかという話に繋がってくるので、少しずつ事例を集めて方法として共有していければと考えています。
また、こうしてまとめてみると、ほとんどの公演でアフタートークが行われますが、その内容をまとめている劇団はあまりないな…という印象です。書き起こしをやると時間がかかるからですよね…。

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