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子供をめぐるスマホ利用の実態について調べてみました

はじめに

スマホ依存やゲーム中毒など、子供に適切なネット利用を促し、必要な知識を身に付けさせ、さまざまな脅威から守るためには、現代の子供たちのスマホ利用に関する基本的な状況を把握することが必要です。現況把握により必要な対策を講じることができるよう、このnoteでは、子供をめぐるスマホ利用の実態について調べてみました。

スマホ普及率

DATA1:スマホ普及に関する参考データです。データ元は全て総務省です。

1)日本のスマートフォン普及率・・・75%(2017年)
★日本の人口を1.2億とすると、4名のうち3名に当たる9,000万人が保有していることになります。

2)世界のスマートフォン普及率・・・40億(2017年〜) 世界人口は76億人★これもすごい数字です。ほとんど2人に一人です。

3)日本の世代別スマートフォン普及率・・・80%以上(13歳〜49歳)、40%以下(70歳以上)
★統計上は中学生以上50歳未満の日本人の8割がスマホを持っていることになります。

ちなみに日本の家庭のパソコン保有率はだいたい70%と言われていますが、スマホが世に出た2007年以降はこの数字も緩やかに下降しているとのことです。これは、日本人のインターネット利用ツールがパソコンからスマホに移行しつつあることを示しています。

上記のデータからも現在がIT社会というのがわかります。この流れに逆らってスマホを持たずに頑固にアナログ人間として生きるのも悪くありませんが、これほど世の中でスマホが普及してくると、非現実的というだけでは済まず、生活上の支障が出ると言っても過言ではないかも知れません。なぜなら、スマホがこれほど普及してきた背景には、携帯電話機能にとどまらない多種多様なサービスが提供されているからです。

スマホでできること

スマホは、インターネット利用を可能にするOS(オペレーティングシステム)と携帯電話がくっついた製品ですので、通話やSMSなどの携帯電話機能に加えてアプリをダウンロードすればさまざまなサービス利用が可能となります。ざっと見ただけでも、

・SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)
・写真撮影及び加工
・動画撮影及び加工
・動画や音楽視聴やダウンロード
・電子メール
・WEBブラウジング
・各種チケット購入
・モバイルバンキング(金融機関利用)
・電子決済
・eコマース(電子商取引)
・ホームページやブログ運営
・オンラインゲーム
・地図やGPSなど地理情報利用
・辞書機能
・教育/知育
・健康管理
・資産形成
 etc.,


などがありますし、新規のアプリが日々開発され公開されています。まさに”利用できないサービスはない”と言っても過言がないほどの充実ぶりです。さらに、アプリ間の連携により、読み物をしながら辞書やインターネットを参照するといった高度な利用をいとも簡単に行うことができます。勿論これらのサービスはパソコンでもできますが、片手で操作できてポケットに入れて気軽に持ち運べる使い勝手の良さがスマホの独壇場と言えるでしょう。

小学生のスマホ所有率

最近は、中高生だけでなく小学生がスマホを所有している例が少なくありません。親が子供にスマホを持たせる理由は家庭によりさまざまだと思いますが、我が子の安全確保のためというのが最も多いのではないでしょうか。小中学生のスマホ所有に関して民間の調査機関(モバイル社会研究所:http://www.moba-ken.jp/)がまとめた結果がありますのでご紹介します。

DATA3:小中学生のスマホ所有率(2018年時点)
・小学1年・・・31%
・小学2年・・・25%
・小学3年・・・36%
・小学4年・・・27%
・小学5年・・・47%
・小学6年・・・44%
・中学1年・・・76%
・中学2年・・・69%
・中学3年・・・79%

この調査結果を見ると、小学生高学年の約半分、中学生の7割〜8割はスマホを所有していることになります。親子間の通話や位置情報発信機能のついた、いわゆる子供ケータイではなく各種機能がついたスマホを小学1年生の3割が所有しているというのは正直驚きましたが、関連記事や各種調査からうける印象としては、「子供の安全確保」と「知育・教育」が親の立場から見たスマホを持たせる最も大きな理由と言えそうです。

小学生のスマホ利用の動機

内閣府は、青少年のインターネットの利用状況調査結果を政府統計として毎年公表しています。この調査結果から小学生がスマホを利用する動機がわかります。それによると、

DATA4:小学生のスマホを利用した活動
1位 ゲーム       ・・・76%
2位 動画視聴      ・・・62%
3位 コミュニケーション ・・・35%

という結果になっています。スマホを使ったゲームは大抵が無料でダウンロードして使えるものが多いのでこれはうなづけます。2位の動画視聴は、主にYouTubeやTikTokなどの動画配信ソフトです。ゲームも動画配信サイトもきちんと利用制限をしないとわいせつ又は暴力的な内容を含んだ内容がネット上にはあふれていますので、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能を有効活用している親が多いと思います。個人的に意外だったのは、コミュニケーションが利用動機の3位になっていることです。中でもLINEというコミュニケーションアプリの利用がダントツで多い。

私の小学生に対するイメージは、学校の教室や放課後、部活などで思う存分友達とコミュニケーションし、夕方家に帰れば宿題をし、風呂に入り、家族で夕飯を食べたら本を読んだり、ビデオを見たり、まあゲームをしたりして寝るというのが一般的な小学生の家での過ごし方だろうというものです。(少なくとも自分の時代はそうでした。)

しかし、放課後家に帰ってから、或いは休みの日にも友達とLINEでコミュニケーションしたいと思っている小学生が多いということを知らされました。実際、我が家の息子もLINEを利用しますが、部活の仲間とメールしたり通話したりして楽しんでいます。

DATA5:  内閣府:平成30年度青少年のインターネット利用環境実態調査
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h30/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

iPhoneのスクリーンタイム機能

ところで、iPhoneにスクリーンタイムという機能があります。スマホの使い道が確認できる便利な機能で、電話、インターネット、その他のアプリなど、スマホの利用実態を客観的に知ることができてとても便利です。

アプリの場合、Facebook、twitter、Line、YouTubeなど、どのアプリをどれ位使用したか、iPhoneを手にとった時に最初に行った動作なんていうのもわかって面白いです。

子供が使用しているスマホがiPhoneであれば、下記のような機能を利用すれば子供のスマホに関する傾向がわかりますし、機能制限などを行うこともできるので、参考にしてはいかがでしょうか。

DATA6:スクリーンタイムは自分自身のスマホ利用状況を知るのに便利な機能ですが、子供にスマホを持たせているような場合は、利用時間やアプリごとの利用制限など次のような設定をすることができるので、iPhone利用者は検討してみたらいかがでしょう。
・休止時間(使用禁止の時間帯)を設定
・1日あたりのアプリの利用時間を制限
・コンテンツとプライバシーの制限

おわりに

先ほどご紹介した内閣府の統計を詳しく見ると、現代の子供たちのインターネット利用やスマホ利用に関する実態を細かく知ることができます。テレビや洗濯機なみに家電化し普及したスマホ。小中学生の50%以上が所有している、今や当たり前となりつつあるスマホ。親の権限であくまで禁止というのもいいですが、もし持たせるのであれば、利用実態を知り、必要な知識を付けさせ、適切な使用方法を学ばせることは親として必須の行動だと強く感じました。

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