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Webとマーケティング 授業資料(1)


1.授業の概要

本授業では、SNS(ソーシャルメディア)を中心とした、Webを主なプラットフォームにした、「マーケティング」について取り上げます。
「ソーシャルメディア」と「マーケティング」の2つが授業の柱です。

・マーケテイング活動に

マーケティングとは、単なる商品の効率的な販売を目指すことではなく、市場調査・製造・販売・宣伝など、商品、サービスの提供に纏わる全ての過程で行われる、企業活動の総称です。
そうです、企業は収益を上げるのが目的ですから、企業が行うビジネスのことと言っていいでしょう。

マーケティングと言えば、おそらく皆さんは、商品を消費者に売ることをイメージすると思います。それを、B2C、Business to Consumerと言います。企業活動にはもう一つ、企業間取引、Business to Business、B2Bというビジネスもあります。
例えば接客のアルバイトで考えてみてください。商品をお客さんに販売することで、そのお店は、収益をあげています。それがB2Cです。
販売しているその商品は、どこからか仕入れてきたものでしょう。もし料理屋さんだったら、材料は仕入れていますよね。その商品や材料の仕入れは、問屋さんや商社などの企業から購入しています。それがB2Bです。
マーケティングとは、B2Cだけではなく、B2Bも含んでいます。

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企業を対象とする学問に、経営学がありますが、そこでは、企業をヒト、モノ、カネの3つの側面から捉えます。このヒトモノカネを、経営資源と言います。
マーケティングは、様々な企業を、活動の側面から捉えたものとも言えるでしょう。

現在では、ネットメディアやWebを使わない社会活動は、ほぼ存在しません。就活を想像するとすぐイメージできるでしょう。
企業活動もその例外ではなく、マーケティングの主要な活動は、ネットやWebに移行して来ました。こうしたトレンドを受けて、この授業では、「ソーシャルメディアのメリット、特性を利用したマーケティング活動」に関して学びます。

・ソーシャルメディアを使う

ソーシャルメディアに関しては、TwitterやFacebook、Instagram、Linkedinなどが、ビジネスの世界のみならず、世界レベルで、政治、社会など様々な領域をも巻き込んで大きな話題になって来ています。ユーザ数で言えば、2019年度では、Facebookが24億人、Instagramが10億人となっています。

こうしたソーシャルメディアにおける情報発信においては、人のつながりが持つ「スモールワールド性」という特殊な性質が大きく関わっています。日常的な利用以外に、マーケティングのツールとして考える場合、この理論的な側面は見逃すことは出来ません。炎上もこのメカニズムによって生まれています。

この授業では、これらの基礎的な理論を元に、実際のマーケティング活動を前提とした、ソーシャルリサーチ、そしてPR課題までを目指します。
最終課題は、グループでソーシャルメディアを用いたPRプランに挑む予定です。
今期は、Web広告、マーケティング系のゲストを呼んで、講義をしていただく予定でしたが、事情でできなくなりました。
その代わり、実際のオンラインコンテンツを使って、リサーチをします。より実践的な科目として展開して行きます。

参考文献としては、以下を挙げておきます。

これは、2012年度後期に、本学で開講された、基礎教養・総合課題科目「学びの世界を広げる・ソーシャル時代の技術とセキュリティ」の講義を元に、各講師が各々のテーマについてまとめたものです。若干過去のものになりましたが、幅広いゲストの方に執筆していただきました。

2.まずは脅迫マーケティング

「脅迫マーケティング」という言葉を知っていますか?

そもそも広告は、商品を薦めてきます。この商品を使うと、こういう利便性が手に入ります、こういういいことがあります、あなたは幸せになります、こういったメッセージで商品広告は成り立っています。
しかしそれをちょっとだけ強調すると、この商品を使わないと、あなたは不幸になりますよ、といった脅迫的なメッセージを送っていることにもなります。
人間は、幸せは余り感じませんが、不幸には敏感です。
ですので、こうした脅迫的なニュアンスが入ったメッセージは、人に強く伝わります。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に私は、あなたと結婚したいのです」

このCMの中には、不幸という言葉は出てきません。
ずっと結婚しないと不幸になると言われてきて、今は結婚しなくても幸せになる時代になったという、社会的な価値観を上手く利用しています。

脅迫マーケテイングとも言うべき販売の仕方は、非常に多く目にします。
最近のコロナウィルス関係でも、Youtubeでバズっている動画は、殆どが危機を煽るものですし、ニュースもそのニュアンスを感じます。
「日本の今はXXの2か月前」といった表現をよく見ませんか?
感染源の隣国のこの国が、なぜ海外の2か月前なのか、科学的な根拠が全くない、ただ感情に訴えかける、脅迫的なものとしか見えませんが、気を付けるに越したことはないでしょう。

考えてみてください: 脅迫的なニュアンスを持ったメッセージには、他にどういったものがあるでしょうか。探してみてください。

問いかけです。

ナイジェリアの手紙(Nigerian scam)、知っている人はどのくらいいますか?

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殆どの人が知らないと思います。
"Nigerian scam"で画像検索をしてみてください。
もう笑っちゃうほど、怪しい画像が出てきます。

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ナイジェリアからの手紙又はナイジェリア詐欺(英語: Nigerian money transfer fraud, Nigerian scam, 419 scam)とは、アフリカのナイジェリアを舞台に多発している、国際的詐欺の一種であり、先進国など豊かな国家に住む人から、手紙やファクシミリ、電子メールを利用して金銭を騙し取ろうとする詐欺である。2000年代からは電子メールで、2010年代からはインスタントメッセンジャーで行われる。

実際の手紙の例が、例えば以下のサイトにあります。

このようにナイジェリアの手紙は、1980年代頃から登場してきた、世界的に知られた古典的詐欺です。

では、ここで問いかけです。
ナイジェリアの手紙は、40年近く行われてきた詐欺なのですが、実は今でも被害者がいるそうです。
正確な数字はわかりませんが、2009年の時点で、被害額は93億ドルにも上るそうです。

考えてください: 広く知られているのなら、モロッコの手紙や、アルジェリアの手紙に変えてもいいと思いませんか?
なぜ、いつまで経っても、ナイジェリアの手紙なのでしょうか。

結論的に言えば、この授業を履修しなければならない理由は、ここにあります。
あなたは履修しないと、大変なリスクを抱えることになりますよ!
という、科目の脅迫マーケティングをしています。

解答は次回に…

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