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JRA古馬G1の「ステップレース」について

【はじめに】
この記事では、中央競馬(JRA)古馬G1の「ステップレース」について、私(Rx)の提案を兼ねて、私見を簡単に纏めていきます。

フェブラリーS

1月第4週 中京1800 Ⅱ東海S(1着)
  第5週 東京1400 Ⅲ根岸S(1着)
2月第1週 
  第2週 
  第3週 東京1600 ⅠフェブラリーS

サウジCやドバイワールドCなどが2000mなのに、中央競馬でのダートG1は1600・1800m。
「フェブラリー」を冠しているから2月開催とした方がベターなのでしょうけど、海外G1と一流ダート馬が分散してしまい、かなり淋しいメンツ気味。

高松宮記念

2月第4週 阪神1400 Ⅲ阪急杯(1着)
3月第1週 中山1200 ⅢオーシャンS(1着)
  第2週
  第3週
  第4週 中京1200 Ⅰ高松宮記念

とりあえずステップレースは東西に整備されているものの、最近は、マイル路線でも戦えそうな一流馬は、高松宮記念を新しい年の緒戦に据えることも多い印象。

大阪杯

2月第4週 中山1800 Ⅱ中山記念(1着)
3月第1週 
  第2週 中京2000 Ⅱ金鯱賞(1着)
  第3週 
  第4週 
4月第1週 阪神2000 Ⅰ大阪杯

「宝塚記念」までを見据える馬は、最近は「大阪杯」を緒戦に据える印象。というか、2021年の夢のレースが例外で、むしろ例年、世代一流馬はドバイに挑戦するので、年によってレースのレベルがマチマチになる傾向が強い。

天皇賞(春)

3月第3週 阪神3000 Ⅱ阪神大賞典(1着)
  第4週 中山2500 Ⅱ日経賞(1着)
4月第1週 
  第2週 
  第3週 
  第4週 
5月第1週 京都3200 Ⅰ天皇賞(春)

中距離路線の拡充に従って、長距離に適性のある馬しか「天皇賞(春)」を選ばなくなってきているのが現状。
トライアル的には現実的な路線の伝統的2レースは、安定感ある前哨戦。

ヴィクトリアマイル

4月第2週 阪神1600 Ⅱ阪神牝馬S(1着)
  第3週 
  第4週 福島1800 Ⅲ福島牝馬S(1着)
5月第1週 
  第2週 
  第3週 東京1600 Ⅰヴィクトリアマイル

牡馬とも伍する牝馬は「大阪杯」か「ドバイ」から、その他は、コツコツとステップレースから挑戦する構図。

個人的には、ステップレースよりも、本番「ヴィクトリアマイル」に工夫の余地があるのではないかと思っています。例えば、昨年以降で牡馬混合G1を制した馬は「+1kg」とする別定戦にするとかですね。

安田記念

4月第4週 京都1600 読売マイラーズC(1着)
5月第1週 
  第2週 東京1400 京王杯スプリングC(1着)
  第3週 
  第4週 
  第5週 
6月第1週 東京1600 Ⅰ安田記念

「ヴィクトリアマイル」からは中2週、グランアレグリアやアーモンドアイでも敗れているローテ。同じく、安田記念から宝塚記念という牡馬も中々に苦しんでいる感じがいます。

宝塚記念

6月第4週 阪神2200 Ⅰ宝塚記念

1着馬に優先出走権みたいなのは設定されていない「グランプリ」レース。3歳馬は過去1度も勝てていないレースであると共に、開催時期が「仲夏」真っ盛りということもあって、投票上位の馬の半数が回避するのが常態化。

例えば、かつての上旬は非現実的でも、開催時期を2週間程度早める方が、回避を多少は避けられるのではないでしょうか。

というか、「大阪杯」が同じ競馬場で距離も200mしか違わないとなれば、レースの存在意義まで分散してしまうことは、G1昇格時から分かっていた筈です(ずっとそこが気になっていた)。ぜひ、令和の時代に見合った春競馬を見せて欲しいと思います。

スプリンターズS

8月第4週 札幌1200 ⅢキーンランドC(1着)
9月第1週
  第2週 阪神1200 ⅡセントウルS(1着)
  第3週 
  第4週 
10月第1週 中山1200 ⅠスプリンターズS

春の短距離王からほぼ半年後に開催されるため、やはりこちらも、ステップを使わずここを秋緒戦とする馬が目立ちます。

というのも、マイルCSへと挑む馬にしろ、香港スプリントに挑戦する馬にしろ、初冬まで秋シーズンが続くとなると、初秋からレースを使い続けるのは、馬への負担が大きいということでしょう。

天皇賞(秋)

9月第4週 中山2200 Ⅱオールカマー(1着)
10月第1週 
  第2週 東京1800 Ⅱ毎日王冠(1着)
      京都2400 Ⅱ京都大賞典(1着)
  第3週 
  第4週 
  第5週 東京2000 Ⅰ天皇賞(秋)

平成のはじめ頃は、東西重賞から天皇賞(秋)を目指すのが鉄板でしたが、昨今は、「天皇賞(秋)」を秋緒戦にする一流馬が目立ちます。

そして、秋古馬三冠を皆勤することは稀になり、2000mに適正がある馬は、ジャパンCでなく「香港」国際競走に挑むことが増えてきている印象です。

エリザベス女王杯

10月第3週 東京1800 Ⅱ府中牝馬S(1着)
  第4週 
  第5週 
11月第1週 
  第2週 京都2200 Ⅰエリザベス女王杯

牡馬と伍する牝馬が目立つ令和時代、牝馬限定G1の存在感が難しいですが、3歳牝馬の古馬初挑戦だったり、悲願(久々)のG1初制覇だったりといったドラマを期待しましょう。

マイルCS

10月第4週 東京1600 Ⅱ富士S(1着)
  第5週 京都1400 ⅡスワンS(1着)
11月第1週 
  第2週 
  第3週 京都1600 ⅠマイルCS

短距離がこなせる馬はスプリンターズSを、中距離も狙える馬は天皇賞・秋を秋G1緒戦に選びながら、ジャパンCでは距離の長い馬が目標としてきたのがこの「マイルCS」です。

しかし最近は「香港マイル」などに実績馬が分散してしまうことで、レースの華が落ちてしまっているのが気がかり。本当ならば、マイルCS→香港への流れが出来れば相乗効果も期待できるのですが……。

ジャパンC

11月第4週 東京2400 ⅠジャパンC

外国馬の挑戦が非常に少なくなった2010年代、私(Rx)は「ジャパンC」が今のままで良いのかと考えてました。香港国際競走とも時期が被ってるし。例えば、欧州のレーシングカレンダーを見定めつつ、春開催にするだとか、天皇賞(秋)と統合させたり、時期を逆にするだとかアイディアは幾らでも。

ただ、2020年のジャパンCを見て、考えが多少変わりました。外国馬の存在とは別に、「日本(ジャパン)」を冠したレースということで、日本の超一流馬たちがこのレースを大一番として目標にして激突する。11月の最終週に東京競馬場2400mで開催されるレースだったからこそ、3冠馬3頭の激突が実現したのだ、という風に感じました。

外国馬を招待するだけでなく、「日本のクラシック・ディスタンスの最強馬を、外国馬を交えて決するレース」という位置づけに、令和の時代はシフトしていくのかなと感じました。

ただ、香港国際競走とのバッティング時期がかなり気になるので、例えば、3週間ほどずつ天皇賞(秋)とジャパンCの開催時期を早めるなんてのも、一案としてお示ししてみたいなと考えている次第です。

チャンピオンズC

11月第1週 京都1800 ⅢみやこS
  第2週 東京1600 Ⅲ武蔵野S
  第3週 
  第4週 
12月第1週 中京1800 ⅠチャンピオンズC

「ジャパンCダート」から名称変更して勿体ないのは、「外国馬の参戦」というお祭り感が一気に無くなってしまった点。フェブラリーSほどではないですが、メンツが揃っても注目度に欠ける点がもどかしく感じます。

「チャンピオンズC」から、東京大賞典や川崎記念を経由しながら、海外G1(サウジやドバイ)に挑戦する馬が増えてきたら嬉しく思います。

有馬記念

12月第4週 中山2500 Ⅰ有馬記念

宝塚記念もそうでしたが、グランプリという性質上、1着の馬に優先出走権みたいなレースは無いようです。凱旋門賞や菊花賞から、レース間隔的に「ジャパンC」ではなくこちらを選択する馬が目立つ印象。

かつてのように、秋三冠を皆勤するという馬が減ってきて、香港国際競走が距離を400m刻みで細分化しているように、2000m前後の馬が距離が長いことを承知の上で出走してくる例は今後も少なくなって行くでしょう。

ただやっぱり、ホープフルSが仮に有馬の後にあっても、「中央競馬一年の総決算」、「歳末の風物詩」といった唯一無二の“グランプリ”の存在感は、みすみす手放すべきものではないと思います。


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