俳人の代表句に学ぶ ~エクストリーム「俳句史」~
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俳人の代表句に学ぶ ~エクストリーム「俳句史」~

【はじめに】

今回の記事では、石寒太さんの下記の著書の中の「ステップ5 先人の俳句を知る」を参考に、

ウィキペディア「俳句」『著名な俳人』の項にある俳人を参考に、いわゆる『代表句』だと(個人的に)思うものを列挙していくことで『俳句の歴史』の流れを把握して頂ければ、と思います。

この記事は、俳人の「目次」的に取り扱って欲しいので、一句一句の解釈や俳人の略歴などについては、ウィキペディアのリンクなどを辿って、皆さんで鑑賞していただければ幸いです。それでは、エクストリーム ~俳句史~をさっそく始めていきましょう!

松尾芭蕉(1644年~1694年)

・古池や蛙飛びこむ水の音
・夏草や兵どもが夢の跡
・閑さや岩にしみ入る蝉の声
・五月雨をあつめて早し最上川
・荒海や佐渡によこたふ天河
・初しぐれ猿も小蓑をほしげ也
・秋深き隣は何をする人ぞ
・旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

与謝蕪村(1716年~1784年)

・春の海 終日のたりのたり哉
・夏河を越すうれしさよ手に草履
・さみだれや大河を前に家二軒
・菜の花や月は東に日は西に

小林一茶(1763年~1828年)

・名月を取てくれろとなく子かな
・痩蛙まけるな一茶これにあり
・雪とけて村いっぱいの子供かな
・是がまあつひの栖か雪五尺
・目出度さもちう位なりおらが春
・雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
・やれ打つな蠅が手をすり足をする
・我と来て遊べや親のない雀

江戸以前生まれの俳人たち

荒木田守武(1473年~1549年)
・落花枝にかへると見れば胡蝶哉
山口素堂 (1642年~1716年)
・目には青葉山ほととぎす初鰹
向井去来 (1651年~1704年)
・おうおうといへど敲くや雪の門
服部嵐雪 (1654年~1707年)
・梅一輪一輪ほどの暖かさ
内藤丈草 (1662年~1704年)
・うづくまる薬の下の寒さかな
野沢凡兆 (?年~1714年)
・下京や雪つむ上の夜の雨
加賀千代女(1703年~1775年)
・朝顔に釣瓶とられて貰ひ水
炭太祇  (1709年~1771年)
・脱ぎすてて角力になりぬ草の上
大島蓼太 (1718年~1787年)
・世の中は三日見ぬ間に桜かな
村上鬼城 (1865年~1938年)
・生きかはり死にかはりして打つ田かな
・念力のゆるめば死ぬる大暑かな

正岡子規(1867年~1902年)

・赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり
・柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
・鶏頭の十四五本もありぬべし
・いくたびも雪の深さを尋ねけり
・糸瓜咲て痰のつまりし仏かな
・痰一斗糸瓜の水も間に合はず
・をとゝひのへちまの水も取らざりき

河東碧梧桐(1873年~1937年)

・赤い椿白い椿と落ちにけり
・曳かれる牛が辻でずっと見回した秋空だ

荻原井泉水(1884年~1976年)

・空を歩む朗々と月ひとり
・たんぽぽたんぽぽ砂浜に春が目を開く
・棹さして月のただ中

種田山頭火(1882年~1940年)

・うしろすがたのしぐれてゆくか
・まつすぐな道でさみしい
・すべつてころんで山がひつそり
・分け入つても分け入つても青い山
・鉄鉢の中へも霰

尾崎放哉(1885年~1926年)

・咳をしても一人
・墓のうらに廻る
・足のうら洗えば白くなる
・こんなよい月を一人で見て寝る
・いれものがない両手でうける
・春の山のうしろから烟が出だした

自由律俳句の俳人たち

栗林一石路(1894年~1961年)
・こういう思想をもって黄ばんだ街路樹を仰いでいる
大橋裸木 (1890年~1933年)
・陽へ病む
橋本夢道 (1903年~1974年)
・うごけば、寒い
・無礼なる妻よ毎日馬鹿げたものを食わしむ

高浜虚子(1874年~1959年)

・遠山に日の当たりたる枯野かな
・子規逝くや十七日の月明に
・桐一葉日当りながら落ちにけり
・春風や闘志抱きて丘に立つ
・流れ行く大根の葉の早さかな
・去年今年貫く棒の如きもの

飯田蛇笏(1885年~1962年)

・芋の露連山影を正しうす
・たましひのたとへば秋のほたるかな
・をりとりてはらりとおもきすすきかな
・くろがねの秋の風鈴鳴りにけり

久保田万太郎(1889年~1963年)

・神田川祭の中をながれけり
・竹馬やいろはにほへとちりぢりに

水原秋桜子(1892年~1981年)

・来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり
・冬菊のまとふはおのがひかりのみ
・瀧落ちて群青世界とどろけり
・おのが声わすれて久し春の風邪

中村草田男(1901年~1983年)

・蟾蜍(ひきがえる)長子家去る由もなし
・降る雪や明治は遠くなりにけり
・万緑の中や吾子の歯生え初むる

山口誓子(1901年~1994年)

・学問のさびしさに堪へ炭をつぐ
・ピストルがプールの硬き面にひびき
・海に出て木枯帰るところなし

加藤楸邨(1905年~1993年)

・鰯雲人に告ぐべきことならず
・蟇(ひきがへる)誰かものいへ声かぎり
・鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる
・木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ

安住敦(1907年~1988年)

・しぐるるや駅に西口東口
・妻がゐて子がゐて孤独いわし雲
・雪の降る町といふ唄ありし忘れたり

明治生まれの俳人たち

前田普羅 (1884年~1954年)
・雪解川名山けづる響きかな
富安風生 (1885年~1979年)
・まさをなる空よりしだれざくらかな
原石鼎  (1886年~1951年)
・花影婆娑と踏むべくありぬ岨の月
山口青邨 (1892年~1988年)
・みちのくの町はいぶせき氷柱かな
高野素十 (1893年~1976年)
・空をゆく一とかたまりの花吹雪
後藤夜半 (1895年~1976年)
・滝の上に水現れて落ちにけり
川端茅舎 (1897年~1941年)
・ひらひらと月光降りぬ貝割菜
阿波野青畝(1899年~1992年)
・山又山山桜又山桜
右城暮石 (1899年~1995年)
・いつからの一匹なるや水馬
西東三鬼 (1900年~1962年)
・限りなく降る雪何をもたらすや
日野草城 (1901年~1956年)
・春の灯や女は持たぬのどぼとけ
秋元不死男(1901年~1977年)
・終戦日妻子入れむと風呂洗ふ
芝不器男 (1903年~1930年)
・卒業の兄と来てゐる堤かな
松本たかし(1906年~1956年)
・チヽポヽと鼓打たうよ花月夜
細谷源二 (1906年~1970年)
・地の涯に倖せありと来しが雪

中村汀女(1900年~1988年)

・たんぽぽや日はいつまでも大空に
・秋雨の瓦斯が飛びつく燐寸かな
・外にも出よ触るるばかりに春の月
・咳の子のなぞなぞあそびきりもなや

星野立子(1903年~1984年)

・父がつけしわが名立子や月を仰ぐ
・しんしんと寒さがたのし歩みゆく
・雛飾りつゝふと命惜しきかな

女性俳人たち

長谷川かな女(1887年~1969年)
・羽子板の重きが嬉し突かで立つ
竹下しづの女(1887年~1951年)
・短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎
杉田久女  (1890年~1946年)
・谺して山ほととぎすほしいまゝ
三橋鷹女  (1899年~1972年)
・鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし
鈴木真砂女 (1906年~2003年)
・落葉焚き人に逢ひたくなき日かな
・笑ひ茸食べて笑つてみたきかな
・九十年生きし春着の裾捌き
細見綾子 (1907年~1997年)
・そら豆はまことに青き味したり
能村登四郎 (1911年~2001年)
・火を焚くや枯野の沖を誰か過ぐ

渡辺白泉(1913年~1969年)

・戦争が廊下の奥に立つてゐた
・銃後といふ不思議な町を丘で見た
・玉音を理解せし者前に出よ

金子兜太(1919年~2018年)

・曼珠沙華どれも腹出し秩父の子
・水脈の果 炎天の墓碑を置きて去る
・銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく
・彎曲し火傷し爆心地のマラソン
・暗黒や関東平野に火事一つ

飯田龍太(1920年~2007年)

・紺絣春月重く出しかな
・いきいきと三月生る雲の奥
・一月の川一月の谷の中
・かたつむり甲斐も信濃も雨の中

大正時代生まれの俳人たち

石田波郷 (1913年~1969年)
・バスを待ち大路の春をうたがはず
・霜柱俳句は切字響きけり
中村苑子 (1913年~2001年)
・わが墓を止り木とせよ春の鳥
田川飛旅子(1914年~1999年)
・遠足の列大丸の中とおる
後藤比奈夫(1917年~2020年)
・東山回して鉾を回しけり
佐藤鬼房 (1919年~2002年)
・陰に生る麦尊けれ青山河
鈴木六林男(1919年~2004年)
・遺品あり岩波文庫「阿部一族」
森澄雄  (1919年~2010年)
・西国の畦曼珠沙華曼珠沙華
深見けん二(1922年~)
・薄氷の吹かれて端の重なれる
波多野爽波(1923年~1991年)
・鳥の巣に鳥が入つてゆくところ
藤田湘子 (1926年~2005年)
・筍や雨粒ひとつふたつ百

昭和(戦前)生まれの俳人たち

川崎展宏 (1927年~2009年)
「大和」ヨリヨモツヒラサカスミレサク
青柳志解樹(1929年~)
ヒロシマへつづく夾竹桃の道
鷹羽狩行 (1930年~)
風光りすなはちもののみな光る
友岡子郷 (1934年~)
・跳箱の突き手一瞬冬が来る
宇多喜代子(1935年~)
・天皇の白髪にこそ夏の月
池田澄子 (1936年~)
・じゃんけんで負けて螢に生まれたの
坪内稔典 (1944年~)
・三月の甘納豆のうふふふふ

昭和(戦後)以降生まれの俳人たち

高野ムツオ(1947年~)
・みちのくの今年の桜すべて供花
永瀬十悟 (1953年~)
・流されてもうないはずの橋朧
鎌倉佐弓 (1953年~)
・ポストまで歩けば二分走れば春
夏石番矢 (1955年~)
・神々のあくびが桜を枯らすのか
夏井いつき(1957年~)
・惜春のサンドバッグにあずける背
田中裕明 (1959年~2004年)
・大学も葵祭のきのふけふ
岸本尚毅 (1961年~)
・手をつけて海のつめたき桜かな
照井翠  (1962年~)
・双子なら同じ死顔桃の花
曾根毅  (1974年~)
・立ち上がるときの悲しき巨人かな
神野紗希 (1983年~)
・起立礼着席青葉風過ぎた
・カンバスの余白八月十五日
佐藤文香 (1985年~)
・夕立の一粒源氏物語
・少女みな紺の水着を絞りけり

To Be Continued……


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